俳優の伊藤淳史が主演を務めるテレビ朝日系土曜ナイトドラマ『離婚しない男ーサレ夫と悪嫁の騙し愛ー』(毎週土曜23:30~)が20日にスタートした。今年3月をもって放送作家を引退する鈴木おさむ氏にとって地上波連ドラ最後の脚本となる今作は、漫画家・大竹玲二氏による人気漫画をドラマ化。“父親の親権獲得率わずか1割”という壁に立ち向かう男の奮闘を描くリコン・ブラックコメディで、関東新聞社の社会部記者・岡谷渉(伊藤)が、7歳になる一人娘・心寧の親権を獲得するべく養育実績を重ねながら、妻・綾香の不倫の証拠集めにいそしみ、勝率1割の困難な戦いに挑む姿を描く。

20日の第1話放送では、これまで伏せられていた妻・綾香役を、篠田麻里子が演じることが明らかに。放送中には、タイトルの『離婚しない男』に続き、「篠田麻里子」もトレンド入りを果たし、初回見逃し配信再生数は、テレビ朝日歴代全番組最速となる2日で180万再生(187.8万 ビデオリサーチにて算出 期間1月21日-22日)を記録するなど大きな話題を呼んでいる。今回は篠田に、自身が演じる“悪嫁”について、共演者の伊藤、小池徹平について話を聞いた。

  • 篠田麻里子

    女優の篠田麻里子

最初は不安が大きかった「私にできるのかな」

――出演が決まったときの心境を教えてください。

最初は、鈴木おさむさんが出演オファーを出してくださったことへのうれしい気持ちがありつつも、私にできるのかなという不安の方が大きかったんです。でも、今の自分だからこそ出し切れるものがあるんじゃないかと考え直し、ぜひやらせてくださいとお返事しました。

――撮影に入られた今、その不安はなくなりましたか?

撮影に入る前までは本当に不安でしたが、撮影に入ってからは、こういうふうにしたいな、こうしたらいいんじゃないかというお芝居へのアプローチがどんどん浮かんできて、不安は一切なくなりました。今はすごく楽しいです!

伊藤淳史はすべて受け止めてくれるザ・座長

――伊藤さんがそういう篠田さんの姿を見て「超俳優さん」と絶賛してしました。篠田さんから見た伊藤さんの印象は?

お芝居はもちろんなのですが、伊藤さんのすごさは別にあるんです。伊藤さんがいるだけで現場が明るくなりますし、華やかにもなる。伊藤さんのおかげで、私やスタッフさんは楽しく撮影できています。伊藤さんのことを、人としてみんな大好きですし、私も大好きです。ほっとするといいますか、安心する存在です。

――他の共演者の方も伊藤さんを「安心安全の伊藤さん」とおっしゃっていました(笑)。

(笑)。本当に「安心」という言葉がよく似合う方だと思います。伊藤さんは私演じる綾香の夫役ということもあり、私が強い口調で攻め立てるシーンがあるのですが、すべて受け止めてくださるので、すごくやりやすいんです。受け手側は、投げてくる側から出された台詞や行動に対して、リアクションを取ったり投げ返したりと、いろいろなことをしなければいけなくて、本当に大変だと思います。でも伊藤さんは一個一個を拾い上げてくれているので、私は安心して自由な演技をさせていただいています。

――それは心強いですね。

伊藤さんは、こちらが何をしてもすべて受け止めてくださる安心感が誰よりもありますし、「ザ・座長」という感じです。

7年間子育てをしてきた綾香の思いを重視

――ご自身が演じられる綾香について、どのような人物だと思われましたか?

夫婦としては、かなり強い部分が目立っていると思います。でも、綾香は綾香なりにこれまで、家事や育児にいそしんできたという事実もあり、演じる上で私はそこを重視しています。作品の中では描かれていないのですが、7年間、綾香は子育てをしてきました。渉からしたらずっと仕事をしてきて、綾香の不倫を知ったところが物語のスタートになるのですが、綾香にとっては7年前からもうすでにスタートしていること。渉からしたらひどい妻に思えるかもしれません。でも、7年間の寂しさや大変さ、そしてワンオペ育児のつらさを、綾香なりに消化させた結果が現在につながっていると考えているので、演じる上ではそういった部分も皆さんにも伝わるとうれしいなと思います。画面に映る情報だけで綾香を判断すると、かなりきつい印象に見えてしまうかもしれませんが、綾香にも綾香なりの正義があり、綾香にも綾香なりの主張をしているつもりだという解釈で演じています。

――視聴者の方にも「綾香なりの正義」という点が伝わるといいですよね。

そうですね。いら立ちや怒りの中には、悲しみや寂しさがあると思うんです。画面上では見えないし、きっと描かれることがない点ではあるので、綾香を演じる私だからこそ、綾香の背景を大事にしていきたいです。