女優の三浦透子が、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)のナレーション収録に初挑戦した。担当したのは、21日に放送される『家出人たちの家 ~人生をやり直すシェアハウス~』。様々な事情を抱えた若者たちが集まるシェアハウスの住人たちと、運営する男性を追った作品だ。

そんな住人の中でも、仕事が続かずお金も貯められない“問題児”が…。三浦は、彼の姿からどんな思いを抱いたのか。また、高校時代に自身を救ってくれた存在も明かしてくれた――。

『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した三浦透子

『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した三浦透子

何かあるたびに飛び出す「家出のプロフェッショナル」

都内を中心に10棟あるシェアハウスを、1人で運営するオカさん(45)。24時間、新たな入居者を迎え入れ、時には身元引受人として、警察に入居者を迎えに行くこともある。そこまでするのは、自身も社会のレールからは外れた人生を送ってきたからだ。

そんなオカさんが特に気にかけているのが、ハマちゃん(22)。何かあるたびに飛び出しては、また戻ってくることを繰り返し、「家出のプロフェッショナル」と呼ばれている。アルバイトも長続きせず、稼いだお金も無計画にほとんど食費に使ってしまうため、家賃も一部しか払えないが、それでもオカさんはハマちゃんに声をかけ続ける。

  • ベッドの中で過ごす「家出のプロフェッショナル」ハマちゃん (C)フジテレビ

「切り離して考えなくちゃいけない」

シェアハウスの住人たちを見て、「同じくらいの世代ですし、自分の身近にも近い境遇の人はいるので、全然遠い話じゃないと感じました。自分自身、たまたまこういう仕事に子どもの頃に出会って今も続けていますけど、紙一重だなと思います。毎日学校に通うのも得意じゃなかったんで」という三浦。その中でも、ハマちゃんの姿を見て、「切り離して考えなくちゃいけないところだと思うんです」と切り出した。

「面倒くさくて仕事のやる気が起きないとか、頼れる人がいるから甘えてしまうとか、そういうところは良くないと思います。ただ、複数の人と働くことが苦手であるとか、同じ場所に通うのが難しいということ、それイコール怠惰であると解釈するのは違うんじゃないかと感じました。どうしてもそこをつなげて人を見てしまうけど、働き方によっては真面目に頑張れる人もいる。“今の社会にある常識というものから外れている=その人には足りないものがある”とひも付けて直接的に捉えるのだけではいけないと思いました」

だからこそ、オカさんのように受け止めてくれる人の必要性を実感。

「正直、優しくする人がいるから甘え続けてしまうんじゃないかと思ってしまう自分も、ちょっといるんです。でも、社会の全員がそうやって見ていたら、きっと彼は逃げ続けて別の場所に行くというのを繰り返して、どうにもならない。だからこそ、この社会には寄り添ってくれる人が必要なんだと思いました」

家賃が払えないにもかかわらず、稼いだお金をどんどん食費に使ってしまうハマちゃん。精神的に追い詰められて気分転換するとしたら、「好きなものを食べるとか、するかもしれないですね」という三浦は、ハマちゃんが食べる姿から、その心の中を推察する。

「ハマちゃんは、実際においしく食べられているのかな?と少し思いました。自分の経験からすると、食べるのをやめられなくなっているときは、実はおいしく食べられていないということがあったので。ご飯って、おなかが減った時が一番おいしいですからね」