女優の本仮屋ユイカが、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、7日・14日に2週連続で放送される『私が踊り続けるわけ3 ~57歳のストリッパー物語~ 』。日本最高齢と言われるストリッパー・星愛美さん(57)とそのファンたちを追った作品だ。

このシリーズのナレーションを通し、改めてファンの支えを感じたという本仮屋。自身が療養した際も、ファンの声の変化に、より強い安心感を得るようになったという――。

  • 『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した本仮屋ユイカ

    『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した本仮屋ユイカ

星愛美さんのプライベートの姿に「ホッとしました」

星さんのステージは男性だけでなく、多くの女性ファンも劇場に足を運び、涙を流すほどエネルギッシュで圧倒的な迫力に満ちている。年々、踊ることが体力的に厳しくなっている愛美さんを支えているのは、全国各地のステージに駆けつける「星組」と呼ばれる熱心なファンの存在。彼らもまた、愛美さんを応援することがきっかけとなり、互いを支え合う“ファミリー”のような強い絆で結ばれていた。

しかし2023年7月、愛美さんの肺にがんが見つかり、切除手術を受けるためステージをしばらく降板。8時間に及んだ手術は成功したものの、復帰のめどが立たない現実に、生きる気力を失いかけていた。それでも同年11月、万全とは言えないまま復帰のステージへ。全国から多くのファンたちが詰めかける中で、57歳のストリッパーは、かつてのように踊ることができるのか…。

  • 闘病中の星愛美さん (C)フジテレビ

これまでのシリーズでは、愛美さんのステージやファンとの交流を描いてきたが、今回は闘病を通して母親との関係など、プライベートな部分も公開。本仮屋は「踊り子さんとして愛されて充実された人生ももちろん素晴らしいですが、娘として、普通の女性としての生活など、愛美さんが温かい時間を過ごしていてくれているんだというのを感じられてホッとしましたし、見せてもらえてうれしかったです」と感謝する。

それが見られたのは、「『ザ・ノンフィクション』のチームと愛美さんとの深い信頼関係のなせる業なのだと、ナレーターとしてすごく感じました」と感心した。

ファンと演者の気持ちの狭間で葛藤

愛美さんが、星組をはじめ周りの人たちの支えが自分を動かしていると話す場面があるが、それは自身のファンにも感じるのだそう。

「昨年、療養してから、ファンの方から“がんばっください”よりも、“ゆっくり無理しないでください”というメッセージを頂くことが多くなりました。近い距離の家族や友人を思うように、労わってくださることに感謝しています。自分の思っていることが、ちゃんとそのまま届いているんだという信頼感になるので、安心して表現できるし、安心して休むことができます」

その上で、「愛美さんの美しく可憐(かれん)な姿はステージ上の姿で分かりますが、星組の皆さんは凛々しさや強さという彼女の本質をちゃんと受け取っている。その安心感は愛美さんにとって、きっと力になるのではないかな、と私自身の経験から思いました」と強く共感。

一方で、療養から復帰しようともがく愛美さんの姿に、ファンが「踊らなくてもしゃべるだけでいい」と気持ちを述べる場面があるが、本仮屋は「私も愛美さんのファンとして同じ気持ちなのですが、やっぱり演者としてはどうしても動きたいという気持ちも分かるので、すごく葛藤しました」と打ち明けた。