現場で感じた大河ドラマの魅力を尋ねると、「本当に大がかりで丁寧です」と答え、規模感や細部へのこだわりに驚かされているという。そして、「セットの中に池ができたのと馬が来ているのに一番驚きました」と興奮気味に語る。

「セットの中に馬がいるのは初めて見ました。大河って大胆なのねと(笑)。池もできたり、建物もころころ変わったり、プロフェッショナルなお仕事を近くで見させていただき、この時代だったら自分はどうなっているのかなとか、毎日妄想を楽しんでいます」

平安時代中期を舞台とした大河ドラマは、平将門を描いた『風と雲と虹と』(1976年)以来48年ぶりで、同作に次いで2番目に古い時代となる。吉高は、平安時代が舞台の物語ならではの魅力について「すごく画面が優しい」と言う。

「色使いが淡く繊細で、それとその色を組み合わせるんだという着物もあって、すごく五感に敏感な時代だなと。目で見るもの、聞こえるもの、匂い、風、音など、揺さぶられるものが風景の中にいっぱいあって、それが歌になる。今だったら見落としてしまいそうな小さい幸せをうまく活かしているなと思いました」

吉高の着物姿が公開されるとSNSでは「美しい」という声が上がったが、吉高は「とにかく重くて、首と肩がこります」と苦労も吐露。ロケの際に着物姿のままコンビニなどに入ることもあるそうで、「店員さんもびっくりされていました」と笑っていた。

■吉高由里子
1988年7月22日生まれ、東京都出身。2006年、『紀子の食卓』で映画デビュー。2008年に『蛇にピアス』で主演し注目を集め、2014年にはNHK連続テレビ小説『花子とアン』でヒロインを務める。近年の主な出演作は、ドラマ『東京タラレバ娘』(17)、『正義のセ』(18)、『わたし、定時で帰ります。』(19)、『知らなくていいコト』(20)、『危険なビーナス』(20)、『最愛』(21)、『風よ あらしよ』(22)、『星降る夜に』(23)、『ユリゴコロ』(17)、『検察側の罪人』(18)、『きみの瞳が問いかけている』(20)など。

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