出演して感じた『ドキュメンタル』の空気感
――これまで視聴者として観ていた『ドキュメンタル』と現場の雰囲気でギャップはありましたか?
嶋佐:観ている分は編集されているじゃないですか? でも収録は5時間あって、始まる前は結構なげえなと思っていたんですけど、体感はあっと言う間。早かった!
屋敷:これ言っていいのかわからないですけど、ちょいちょい松本さんのいる部屋の笑い声が聞こえるので、笑い声が聞こえないときには、マジで滑ってるんかなと(笑)。それがめっちゃ怖かった。
兼近:僕は絶対に笑っちゃうだろうなと思って『ドキュメンタル』を観ていたんです。耐えられないなと思っていたんですけど、中盤とかから空気がひりついてくるので、笑わなくて済むんだと。
屋敷:わかる! 面と向かってやられるより、横でぼそっと言われるほうが笑ってまいそうになる。国崎さんとかめちゃぼそぼそ言っていた(笑)。
りんたろー。:俺は合格点を低く設定していたんですよ。こうならなければOKにしようって……。でもこうなっちゃった(笑)
一同:(笑)
兼近:それがりんたろー。さんの良さだったりするんですよね。そこに気づいてほしいなと思いました。
屋敷:俺らもまだ知らないですけど、編集したものを観たらりんたろー。さんはめっちゃおもろくなってるんやろうなと思いました!
――収録を終えた後は、どんな心境でしたか?
屋敷:終わりたてより、少し経ってからの方がモヤモヤしました。
兼近:僕も湯船(の水面を叩いて)バッシャーンしましたよ。
嶋佐:そういう感じが久しぶりだった。悪い意味で仕事では何も反省しないんだけど、久しぶり“あそこはもうちょっとできたな”とか思った。
屋敷:テレビに出たばかりのときとかは、そういうことあったけど、えらいもんで慣れてもうて、ここまでの反省は久しぶりでした。
――『ドキュメンタル』出演を経てコンビ仲に変化はありましたか?
兼近:まぁ信じられないくらい泣いていたので……先輩に泣かれたら励ますだけですから……(笑)。想像以上の裏側で、始まる前も終わってからもずっとおもろかった(笑)
嶋佐:『ドキュメンタル』前後のりんたろー。さんのドキュメンタリー観たいわ(笑)。
りんたろー。:なんかうまくいかないコンビがいたとしたら、大切なパートナーがいることは当たり前じゃないし、それを守るために自分の心を殺すことも大切なのかなって伝えたい。
屋敷:何を言ってんすか?(笑) でも松本さんも「コンビ仲が悪くなるかも」と言っていたけど、もともとコンビ仲がよくなかったり、どちらかが司令塔みたいなコンビは揉めるやろなと思います。
りんたろー。:確かに!
屋敷:打ち合わせできないなかで、コンビで空気を読み合いながらだから、ある程度、調子がいいコンビじゃないと。
兼近:話し合えるコンビじゃないときついですね!
――またコンビでオファーがあったら出たいですか?
りんたろー。:マジで出ないです!
兼近:出ます!
一同:(笑)
屋敷:半年後くらいにもう1回出たいです。今すぐはちょっと面倒くさいです(笑)。
嶋佐:また違うメンバーだったら、中身ももちろんだけど全然違うんだろうなとは思うんですけど……。プレッシャーというか、決まってから本番までの間、常に頭の中にあるのがすごい嫌だな~。出ちゃえばというのはあるんですけどね!
『ドキュメンタル』で観たいのは師匠クラスの笑かし合い
――逆に視聴者目線で、『ドキュメンタル』で観てみたいコンビはいますか?
屋敷:やっぱりフットボールアワー兄さんのコンビ芸はシビれるものがありました!
兼近:若手より上の芸人のがむしゃらのほうがおもしれぇのかなと思っちゃいましたよね。
屋敷:“この兄さんがネタ考えてるやん!”が嬉しかったりするんですよ。
兼近:出てみて思いましたけど『ドキュメンタル』って若手すぎたら弱いのかなって! ちょっと上の兄さんたち、ひいては師匠たち! オール阪神・巨人師匠とかに出てもらって!
嶋佐:シショメンタル?
屋敷:シショメンタルはめっちゃ観たい!
兼近:仲の悪いおぼん・こぼん師匠とかが出てきてもらって。
嶋佐:トミーズさんとか!
屋敷:できればコンビでやってほしいな。
兼近:その師匠たちのがむしゃらを観ることができたら、シビれるものがある。感動すらあるんじゃないかなと思います。
――最後に見どころを教えてください。
嶋佐:5時間ずっとめっちゃおもろかった。最後の10分とかはマジでカオス。これをカオスと言わなければ、何をカオスというのかというくらい。それは見どころです。
りんたろー。:マジでカオスだったよ(笑)
兼近:ひどかったっす(笑)。どうせあんだけ滅茶苦茶だったら、もっと行けばよかったなと思いました。
嶋佐:最後、りんたろー。さんの意地というか……。
屋敷:あそこで被せられるやつでありたいなというモヤモヤが残りました。りんたろー。になりたかった!
りんたろー。:えぇ~!! うそでしょ!?
兼近:おれも最後にブレーキがかかっちゃったんですよね……。
屋敷:お風呂でバッシャーンはそれやろ?
兼近:それです!
嶋佐:俺もりんたろー。さんで完結させないと! ってなっちゃった。
屋敷:りんたろー。さんという物語が最初と最後で美しかったからな~。そういうモヤモヤも『ドキュメンタル』の見どころですね。
――りんたろー。さん、最後になにか一言お願いします。
りんたろー。:本当に観ないでほしい(笑)。
■EXIT
りんたろー。と兼近大樹によるお笑いコンビ。2017年12月結成。パリピ口調のチャラ男キャラで話す「ネオ渋谷系漫才」で人気を集める。テレビやYouTubeなどで活動するほか、アーティスト、コメンテーター、俳優など幅広く活躍。アパレルブランド「EXIEEE(イグジー)」のプロデュースも手掛ける。
■ニューヨーク
屋敷裕政と嶋佐和也によるお笑いコンビ。2010年1月結成。屋敷がNSC東京校15期の同期の嶋佐を誘って結成された。主な出演に、テレビ朝日『NEWニューヨーク』、テレビ朝日『まだアプデしてないの?』、TBS『ラヴィット!』(木曜レギュラー)など。『M-1グランプリ』2019、2020ファイナリスト。

