郵船ロジスティクスとJR貨物は22日、東京国際空港(羽田空港)に到着した輸入航空貨物の国内配送において鉄道を使ったスキームを構築し、2023年10月からサービス提供を開始したことを発表した。

  • 郵船ロジスティクスとJR貨物が、羽田空港着航空貨物の国内配送に鉄道を使ったスキームを構築したと発表

これまで、羽田空港に到着した輸入航空貨物はトラックに積み替えて輸送されており、鉄道輸送はトラック輸送と比較して料金と輸送時間、鉄道コンテナへの積込み時間や作業人員確保などが課題と考えられていた。

郵船ロジスティクスとJR貨物は、東京国際エアカーゴターミナルによる協力の下、何度もトライアルを重ねながら、羽田空港到着の輸入航空貨物を鉄道コンテナに積み替えて国内配送するスキームを構築。2023年10月からサービス提供を開始した。

  • 羽田空港に到着した輸入航空貨物を鉄道コンテナに積み替え、国内配送する

おもなメリットとして、貨物列車1編成の輸送能力が10トントラック約65台分に相当するため、大量輸送機関として今後予想される労働力不足に対応可能であることが挙げられる。貨物列車のCO2排出量は営業用トラックの約11分の1、内航海運の約2分の1という試算があり、CO2排出による気候変動をはじめとした環境課題の解決にも貢献するという。

羽田空港から東京貨物ターミナル駅は車で20分ほど。成田国際空港と比較しても近いという地理的優位性を生かし、輸送距離・貨物量等の条件によってはトラックでの輸送と同等の時間、料金での手配を実現している。環境問題や2024年問題への対応が求められる中、鉄道輸送はその両方にアプローチできるソリューションとして、利用者の選択の幅を広げるとしている。