2020年に韓国で大ヒットした弁護士ドラマの日本版リメイクで、篠原涼子と山崎育三郎がW主演を務め、放送中のテレビ東京のドラマ8枠『ハイエナ』(毎週金曜20:00〜)。型破りなアウトロー弁護士・結希凛子(篠原)と、生真面目な超エリート弁護士・一条怜(山崎)という対照的な2人が、生き馬の目を抜くような生存競争と大人のラブストーリーを繰り広げている。

その中で、怜の後輩である新人弁護士・谷原樹を演じているのが、ダンス&ボーカルグループ FANTASTICSのボーカルとして活躍し、W主演ドラマ&映画『美しい彼』も大人気の八木勇征。今回初の弁護士役に挑み、「美しい弁護士」とも話題に。八木が同作に挑む思いや、最終回に向けて今後の展開の見どころについても話を聞いた。

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    八木勇征 撮影:宮田浩史

■八木勇征、『ハイエナ』出演で「美しい弁護士」との呼び名も

――今回、プロデューサーが『美しい彼』をきっかけに八木さんにオファーしたとのことで、作品が繋がっていくことに対してどのような気持ちですか?

最初に僕たちのライブに来てくださって、そこからお芝居をやっているということで『美しい彼』を見て、キャスティングしてくださったんです。僕のアーティストとしての原点はFANTASTICS、役者としての原点は『美しい彼』なので、その二つを見て感じるものがあり、アクションをしてくださったというのは、個人的にはすごくうれしかったです。

――演じる際にはどのようなことを心がけていましたか?

新人弁護士役なので、フレッシュ感を出すことと、一条さんをリスペクトしている気持ちや正義感が強く、何事にもまっすぐ真摯に取り組んでいるという役柄を表現できるように心がけました。でもその気持ちが強すぎるゆえに、自分の思ったことをすぐ言葉に出してしまうピュアなところもあったりして、そのピュアさがコメディチックに変わるところが魅力的なんじゃないかなと思ったので、プロデューサー、監督とも「明るくはきはき」「見ている方がくすっとくる感じ」とディスカッションしながら撮影していました。

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――「弁護士役」とオファーがあった時はどのような感想でしたか?

最初は「弁護士!?」と思いました。少し硬いイメージもあったので、ふだんの僕を見てくださっているファンの方からは「八木勇征、弁護士できるの?」と思われるんじゃないかと(笑)。メンバーも「弁護士なんだ!」というリアクションでした。僕としてはすごく新鮮な気持ちと、楽しく挑戦する緊張感がありました。

――初の弁護士役ということで特別に苦労されたこと、準備されたことがあれば教えてください。

言葉の難しさはありました。僕が使ったことない言葉、知らない言葉がたくさんあって。新人弁護士という役柄なので、皆さんに対して状況を説明するシーンがあるのですが、人の名前を織り交ぜながら、使ったことのない言葉で説明するので、自分の人生でも経験のないことに挑戦するという、ワクワクする気持ちはありました。難しい人名を間違って覚えていて、リハーサルで修正していただくこともあったので、今後はちゃんと確認して振り仮名を振っていきたいと思います(笑)

――基本的にスーツ姿だと思うんですが、見せ方で心がけたことはありましたか?

姿勢は気にしていました。スーツだとスタイリッシュに見えた方がいいし、凛として誠実さが見えるように、ピシッとした姿勢で撮影に臨みました。

――『美しい彼』にかけて、「美しい弁護士」というキャッチコピーもついていました。

韓国版でも、「モデルのような体型のイケメン」という設定があったので、そこにマッチしたものがあったのならよかったですけど、肩書きが照れくさいです(笑)。見た目とは反するかわいらしさ、真っ直ぐなピュアな気持ちが見えるところが魅力だと思うので、ギャップも感じてもらえたらうれしいなと思います。

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■最終回に向けて、考察が盛り上がる作品に

――篠原涼子さん、山崎育三郎さんといった、俳優としての大先輩たちとの撮影はいかがでしたか?

もうめちゃくちゃ大人の余裕を感じる待機場で(笑)。僕はそういう現場が初めてでした。いつも若い子が多く、自分より年下の子もいるくらいで、わちゃわちゃする撮影が多かったんですけど、今回は逆に大人な空気がすごい新鮮で、心地よかったりもして。育さん(山崎)は、ピアノや歌がものすごくお上手じゃないですか。だから、2人のシーンがあった時に、ジャンルは違えど歌や曲の話もしました。FANTASTICSの3rd Album『FANTASTIC ROCKET』に収録されている「STARBOYS」のMVを見ていただいたら、「めちゃめちゃキラキラしてる」とか、いろんな感想くださったんです。すごくアットホームな空気感の中で臨ませていただいています。

――皆さんと打ち解けるのは早かったんですか?

同じ弁護士事務所で働く役の育さん中尾(明慶)さんは、クランクインの時から3人のお芝居をしていたので、早く打ち解けられたんじゃないかなと思います。瀧本(美織)さんは衣装合わせの時に初めて顔合わせさせていただいたんですけど、以前、僕のグループのリーダーの佐藤大樹と共演されていたので、僕のことも知ってくださっていて、明るく挨拶してくださったのがうれしかったです。

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――今回ゲストもいろんな方が出られて、4話ではGENERATIONSの片寄涼太さんが出演されました。共演した感想を教えていただけますか?

お芝居の現場で共演するのが初めてだったので、最初は「慣れないな」という気持ちでした(笑)。僕が以前MCをしていた番組にゲストで来てくださったりもしたので、実は、ソロでお会いする機会が多いんです。ご縁もあるなと思っていますし、撮影時お会いした時に、何より「後輩よ、頑張れ」という思いを感じました。「本当に無理せず、休む時は休んで!」と気遣ってくださって、優しかったです。涼太さんの役はピアニストだったんですが、撮影している時も本当に音楽家のコンサートを聴いている感覚になりました。もともとピアノが弾ける方だし、すごく役とマッチしていて勉強になりました。

涼太さんと共演させてもらったことは刺激にもなりましたし、今のお仕事の進み具合とか、お芝居とアーティスト業の両立についてとか色々お話しできて、忙しいスケジュールの中で、ドラマの撮影中もアーティストとしてツアーを回っているのも知っていたけど、本人から直接そういった話を聞くと受け取り方が違うというか。僕も、もっともっと気合いを入れて頑張らないといけない、と思いました。

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――物語も終盤ということで、見どころを教えていただきたいです。

あんまりネタバレはできないんですが、最初は敵対していた凛子さんと一条さんの関係はどうなっていくのか……対立し続けたまま進んでいくのか、はたまたもっと大きな新しい相手が出てきた時に協力しあうのか。僕たち一条さんチームと、凛子さんチームがどういう絡み方をしていくのかも見どころだと思いますし、その中で裏切り者が出るのか出ないのか、以前あった出来事が繋がってく部分もあるんじゃないのかと、考察も盛り上がる作品だと思います。

■八木勇征
1997年5月6日生まれ、東京都出身。2017年行われた「VOCAL BATTLE AUDITION 5」に合格し、FANTASTICSに加入。2018年に同グループがCDデビューする。俳優としての主な出演作にドラマ・映画『美しい彼』シリーズ(21年〜23年)、『ばかやろうのキス』(22年)、『ホスト相続しちゃいました』(23年)、映画『HiGH&LOW THE WORST X』(22年)、『映画 イチケイのカラス』(23年)、舞台『脳内ポイズンベリー』(22年)など。
ヘアメイク:大貫希代美、スタイリスト:矢島世羅