歴史と伝統が息づく観光スポットが魅力の石川県。2015年、北陸新幹線の長野ー金沢間が開通したことで、特に首都圏からのアクセスがぐっと良くなり、ますます活気に満ちあふれています。
定番の金沢エリアだけでも多くの見どころがありますが、一足のばして、豊かな自然を堪能できる「能登エリア」や、北陸屈指の温泉郷「加賀エリア」などに行くのもおすすめ。日本文化、自然美、温泉、グルメ、アクティビティなど、1つの県でさまざまな楽しみ方ができるのがここ石川県なのです。
今回は、そんな魅力たっぷりの石川県から、おすすめのシーン別観光スポットを厳選してご紹介します。
1.日本の古き良き文化を味わう
■兼六園
春のサクラ、初夏のカキツバタ、秋の紅葉、冬の雪吊りと、四季折々の美しさが訪れる人を魅了する兼六園。水戸の「偕楽園」、岡山の「後楽園」に並ぶ日本三名園と称され、国の特別名勝に指定されています。
静かに散策を楽しみたいなら、早朝か夜間に訪れるのがおすすめ。夜に定期的に行われるライトアップは園内を幻想的な空間に演出します。園内にはお休み処も多く、加賀名物の治部(じぶ)煮をアレンジした麺類や、創業140年も続く団子などのグルメも楽しめます。
■金沢城公園
加賀百万石前田家の居城跡につくられた公園で、兼六園と石川橋で結ばれています。
金沢城のシンボル「石川門」は、明治の大火災でも焼失を免れ国の重要文化財に指定されています。2001年に復元された「菱櫓(ひしやぐら)」「五十間長屋(ごじっけんながや)」「橋爪門続櫓(はしづめもんつづきやぐら)」は特に注目スポット。
また、石垣の豊富さでも有名な公園で、場所によって形・色が異なる石垣に触れながら散策するのもおすすめです。
■ひがし茶屋街
金沢を代表する、出格子と石畳が続く和の趣あふれる「ひがし茶屋街」。
重要伝統的建造物保存地区に指定されており、かつての美しい古い街並みが保たれています。ちなみに、お茶屋とは、芸妓が粋でみやびな芸でお客をもてなす大人の社交場です。
和菓子、伝統工芸品、雑貨などを扱うお店やカフェが充実しており、ショッピングや食事も楽しむことができる人気観光スポット。着物のレンタルを利用して街歩きを楽しむのもおすすめです。
■那谷寺
「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で1つ星の認定を受けた那谷寺。
1300年もの歴史を持つ那谷寺には貴重な建築物が数多く残っており、本堂・書院・三重塔・護摩堂・鐘楼が国指定重要文化財に指定されています。岩壁に沿う本殿、「いわや胎内くぐり」を巡れば、新たな自分に、魂が清く生まれ変わるとされています。紅葉狩りスポットとしても有名なスポットです。
2. 自然美を楽しむ
■千里浜なぎさドライブウェイ
国内唯一、世界でも珍しい波打ち際を自動車で走ることができる千里浜なぎさドライブウェイは、全長8kmにわたります。
ちなみに、ノーマルタイヤでも問題なし! バスやバイク、自転車でも走行可能です。その秘密は、砂の粒子の細かさにあるのだそう。
南から北へ向かう際、海越しに能登半島がすっきりと見通せることもあり、CMのワンシーンのような光景を実現できる貴重な海岸です。
■能登金剛・巌門
千里浜なぎさドライブウェイから車で30分ほど北上した先に見えてくる、能登金剛。
羽咋郡志賀町海岸線一帯の29キロもある石川県を代表する景勝地で、「巌門(がんもん)」は能登金剛のちょうど真ん中に位置します。
巌門とは、日本海の荒波によって岩盤が削られてつくられた天然の洞窟です。浸食によって空いた穴は、幅6m、高さ15m、奥行60mにもなります。洞窟の中からは水平線も見ることができ、日の入り時刻には美しい景色を楽しむことも。
近くを行き来する遊覧船(有料)に乗って、違う角度から巌門や日本海を一望することも可能です。
■加賀三湖
加賀三湖とは、加賀市と小松市の間に点在する「今江潟(いまえがた)」、「木場潟(きばがた)」、「柴山潟(しばやまがた)」の総称です。いずれも「潟湖(海跡湖)」ですが、今江潟は全面干拓が進み現在は消滅しています。
木場潟は、唯一干拓されずに自然のままの姿を残しています。周辺の田園風景と調和するように整備され、野鳥や水生植物が生息しており、水郷風景は「いしかわの自然百景」にも選ばれています。ウォーキングやジョギング、レンタルサイクル・ボート、流し舟、パークゴルフなどを楽しむことも可能です。
柴山潟は、加賀温泉郷の一つ「片山津温泉」のシンボルでもあります。日本有数の巨大噴水があり、1日に13回噴水が上がります。ライトアップもされ幻想的な雰囲気へと変化するため、夜間に訪れるのもおすすめです。湖では釣りやボートも楽しめるほか、1周できる約7kmのサイクリングロードもあり、湖をまるごと楽しめます。
■手取峡谷・綿ヶ滝
「白山手取川ジオパーク」として市内全域がユネスコ世界ジオパークに認定されている白山市。地域の地質的・地形的価値や、それらを活用した教育やツーリズムの取り組みが高い評価を受けている場所です。
川と峡谷のエリアでぜひ見ていただきたいのが、手取峡谷にある落差32メートルのダイナミックな滝。まるで綿をちぎって落としたようなので「綿ヶ滝」というそう。豊かな自然が織りなす景観は圧巻です。
水量豊かな手取川の水は、 食用米のコシヒカリや酒米の五百万石をはじめ、野菜や果樹などさまざまな農産物を育てており、貴重な水源となっています
3. 動物たちに癒される
■のとじま水族館
七尾市能登島にある水族館で、能登半島近海に住む魚を中心に、約500種・4万点の生き物を飼育しています。プロジェクションマッピングを融合させた「のと海遊回廊」や、幻想的な「クラゲの光アート」、「マダイの音と光のファンタジア」、「アザラシ万華鏡」など、展示を楽しめる工夫が盛りだくさん。
隣接する「海づりセンター」では、七尾北湾を眺めながら海釣りも楽しめるなど、体験プログラムも豊富で、子どもも大人も楽しめる水族館です。
■月うさぎの里
加賀市にある、月うさぎ伝説にちなんだ観光スポット。月うさぎは、その昔、加賀の地に豊穣をもたらし、つき(運)を招くうさぎとして親しまれてきたのだそう。
うさぎ広場には50羽以上のうさぎがおり、抱っこや餌やりをできるのが魅力。香り袋、焼き立てパイ、おまんじゅうの手作り体験なども楽しめる体験型テーマパークです。
4. 温泉でゆっくり過ごす
■加賀温泉郷
加賀市と小松市には集まる4つの温泉の総称、それが「加賀温泉郷」です。
温泉街の宿の湯はすべて自家掘り温泉という粟津温泉は、どこに宿泊しても新鮮なお湯が楽しめるのが魅力です。
1300年の歴史を持つ山中温泉は、温泉旅館が並ぶ景観や、ユニークな形の「あやとり橋」や山中温泉のシンボルである「こおろぎ橋」など川にかかる橋が有名な観光スポットとしても人気の温泉街です。
北陸3県でも最大級の規模を誇る山代温泉は、浴びても飲んでも効果がある「長寿の湯」として名高い温泉街です。
1日に7回色を変えるといわれる湖面の美しい眺めの片山津温泉は、冷え性に効果的な保温効果を持つお湯が女性に人気です。
温泉街同士も比較的近い場所にあるので、複数の温泉街をはしごして違いを楽しんでみるのもおすすめです。
■和倉温泉
能登観光後の温泉であれば、「和倉温泉」がおすすめです。開湯から1200年の歴史を誇り、北陸で唯一の「海の温泉」として有名な温泉地です。
気軽に温泉を体験するなら足湯もおすすめです。「湯っ足りパーク」では能登島大橋と穏やかな海の絶景を眺めながら、足湯につかることができます。
5. 新鮮海鮮グルメを堪能する
■近江町市場
金沢の食文化を支える「市民の台所」として親しまれている近江町市場。
アーケードに鮮魚、野菜、果物等の専門店や飲食店、約170の店が軒を連ねています。日本海で獲れた魚介を使った海鮮丼や寿司など、新鮮な海鮮グルメをその場でいただくことができます。
特に冬ズワイガニは一番人気。石川県では毎年11月6日がカニ漁の解禁日で、11月7日からここ近江町市場でもカニが出回り、例年解禁早々に「カニまつり」が開催されます。石川県産のブランドズワイガニは、オスを「加能(かのう)ガニ」、メスを「香箱(こうばこ)ガニ」と呼び、メスは12月末まで、オス3月20日まで楽しむことができます。
■輪島朝市
岐阜県の高山朝市・千葉県の勝浦朝市とともに、日本三大朝市の一つに数えられている輪島朝市。
その起源は1000年以上前と伝えられており、現在は約200店の露店が開かれています。朝市の名物は「高級蒸しアワビ」で、ほかにも新鮮な海産物を多く取りそろえています。
■能登丼
特定のスポットではありませんが、能登を語る上では欠かせないグルメ、能登丼。能登丼とは、奥能登地区2市2町(珠洲市、輪島市、能登町、穴水町)の組合加盟店舗が提供する、地元素材を使ったオリジナル丼です。
奥能登の米と水、地場で獲れた旬の魚介類や能登で育まれた肉類・野菜または地元産の伝統保存食を使用し、器も箸も能登産にするなど、実はしっかり定義が決まっています。
提供しているお店はリスト化されているので、ぜひ気になるお店をチェックしてみてください。
いかがだったでしょうか。四季折々、いくつもの楽しみ方ができる石川県。ぜひ、本記事を参考にしていただきながら、あなただけの石川県旅行を計画してみてくださいね。