現在放送中の大河ドラマ『どうする家康』(NHK総合 毎週日曜20:00~ほか)で榊原康政(小平太)を演じている杉野遥亮にインタビュー。本作で俳優業の醍醐味を改めて感じたという杉野に、特に印象に残っているという最終日の撮影や本多忠勝(平八郎)役の山田裕貴との共演について話を聞いた。

  • 榊原康政役の杉野遥亮(左)と本多忠勝役の山田裕貴

■年を取った榊原康政と本多忠勝とのやりとり「すごく楽しかった」

誰もが知る歴史上の有名人・徳川家康の生涯を新たな視点で描く本作。主人公・徳川家康を松本潤が演じ、脚本を古沢良太氏が手がけている。杉野は大河ドラマ初出演にして、徳川四天王の一人、榊原康政役を任された。

杉野は「『どうする家康』に関しては悩みながら進んでいる感じで、この役をどういう風に表現していこうか考える1年間でした」と回顧。特に印象に残っているのは最終日に撮影した第44回のシーンだそうで、「亡くなる1、2年前頃のおじいちゃんの段階を演じたときに自由に楽しくお芝居できて、僕この仕事好きなんだなと思って、すごく楽しかったですし印象に残っています」と語る。

そのシーンは本多忠勝役の山田裕貴とのシーンだと言い、平八郎と小平太の関係について「平八郎は自分の上司でもあり、前に前に出ていくことに対して、自分はどういうことができるか、どういう立ち位置でいたらいいのかというのを考えていたので、平八郎を意識した小平太は常にいたと思います」と説明。「最後2人でお芝居しているところはとても印象に残っています」と振り返った。

そして、そのシーンについて「自分が平八郎のところに行って説得するとか、気持ちを共有するという場面」と紹介。「老いにはあらがえん」というセリフもあるそうで、「自分はまだピチピチしているなと思って(笑)、どうやったらこの言葉に説得力があるように言えるかなといろいろ試行錯誤し、2人で協力して作れたのではないかなと思います」と手応えを口に。

また、「第7回で2人でナンパするシーンも、一個一個の間にこだわったのですが、僕が現場にいて楽しいと感じるのはそういう瞬間なんです。誰かと本気で作品を作る熱量が合ったときに楽しいなと。山田くんとはそれが合ったので、すごく楽しかったです」と語った。

さらに、「現場でちょこちょこお芝居が変わることもありましたが、山田くんとは2人でいいシーンを作るぞという熱がグッとお互い同じところに来たときとか、その熱量が合ったときにすごく共鳴したのではないかなと思っています」とも話し、山田との共演を存分に楽しんだようだ。

■榊原康政の成長にしみじみ「とても愛情深い人に」

第44回では、家康役の松本、本多正信役の松山ケンイチとのやりとりもしっかり描かれるそうで、その撮影においても芝居の楽しさを感じることができたという。「いいシーンを作るにあたってコミュニケーションを取りながらできて、醍醐味を感じられてすごくよかったです」と語った。

第44回は登場シーンが多いため「セリフ多いな」と思ったという本音も笑いながら吐露。「松本さんは毎週やっているんだなと思うとすごいなと。難しい言葉も使い慣れない言葉もいっぱいあるし、これは準備しなきゃいけないなと思って臨みました」と明かした。

そして、「小平太は最終的にはとても愛情深い人になっていて、人としてすごくいい成長をする人だったなと。人間らしいというか、最初の印象とは全然違う人になっていると思いますけど、『初期にちぎれ具足を着ていた小平太が……』と思いながら見てくれたらうれいいです」と視聴者にメッセージ。

さらに、「応援してくださる方には楽しんでもらいたい。基本的に楽しんでもらう仕事をしているわけで、自分を見てそう思ってくれる方がいる限り、自分はまだまだ頑張ろうと思っています。そして、もっと楽しんでもらえるようにという気持ちがあるので、また次に僕が出ている作品を見てくれたらなと思います」とファンへの思いも語った。

■杉野遥亮(すぎの・ようすけ)
1995年9月18日生まれ、千葉県出身。2015年、「第12回FINEBOYS専属モデルオーディション」でグランプリを獲得。2017年、映画『キセキ-あの日のソビト-』にて俳優デビュー。その後、数々のドラマ、映画に出演。近年の出演作は、ドラマ『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』(21)、『妻、小学生になる。』(22)、『ユニコーンに乗って』(22)、『罠の戦争』(23)、『ばらかもん』(23)、映画『東京リベンジャーズ』シリーズ(21・23)、『やがて海へと届く』(22)、『バイオレンスアクション』(22)など。

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