俳優の鈴木亮平が主演を務めるTBS系日曜劇場『下剋上球児』(毎週日曜21:00~)で、越山高校野球部の一員、久我原篤史役を演じている橘優輝にインタビュー。本作出演について話を聞いた。

  • 久我原篤史役の橘優輝

■アメリカのIMGアカデミー出身! 陸上部で俊足が武器

本作は、高校野球を通して、現代社会の教育や地域、家族が抱える問題やさまざまな愛を描くドリームヒューマンエンターテインメント。三重県立越山高校に赴任して3年目の社会科教員で、廃部寸前の弱小野球部の顧問を担当することになる主人公・南雲脩司役に鈴木亮平。そして、黒木華、井川遥、生瀬勝久、松平健、小泉孝太郎、小日向文世ら、さらに、約半年間に及ぶオーディションを経て決定した12人の若手俳優たちが野球部メンバーとして出演している。

橘が演じている久我原は、中学時代は陸上部で大会記録を持つほどの俊足を誇る2016年度入学の1年生。橘は、世界で活躍するトップアスリートを育成するアメリカのIMGアカデミー出身で、オーディション時に高い身体能力を見せ、審査員たちを驚かせていた一人だ。

橘は「僕は野球経験がなかったので、オーディションが行われると聞いてからたくさん練習しました。実技の中には50m走のタイム測定をする審査があり、自分はずっと陸上部だったので、そこで思いっきり走るしかないと思っていました。オーディション中は一度も手応えを感じたことがなくて…毎回祈る気持ちでいました」とオーディションを振り返る。

塚原あゆ子監督は、橘でなければ久我原という役はなかったと話しており、それを知ったときは「とてもうれしかったです」と喜ぶとともに、「より一層、気を引き締めて、万全な状態で走れるように身体をケアして、怪我だけは絶対しないように心掛けています」とより気合が入ったようだ。

2話では、久我原が俊足で魅せるシーンがあった。

「本当に陸上部でよかったなと思いました。でも陸上の競技場とは違い、野球のグラウンドだと足を土に持っていかれるんですよね。撮影当時はあまりグラウンドにも慣れていませんでしたが、今だったらもう少しかっこよく走れると思います」

野球の知識については「野球ゲームは昔からやっていて、この前WBCもあったので、ルールは何となく理解していました」とのこと。「ただ、カバーに行かないといけない場面だったり、細かいところは何もわからなかったので経験者の方に教えてもらいながらやっています」と語る。

そして、本作で野球に挑戦し、「めちゃくちゃ楽しいです!」と語る橘。「キャッチボールするだけでも楽しくて、たまに撮影じゃなく野球をしに来たみたいな気持ちになりそうで、気を引き締めないといけないと思う時もあります」とすっかり野球好きに。

■久我原の明るさを出すため「現場に入るときはいつもより明るく」

役作りとしては、明るさを意識しているという。

「久我原は周りが暗くても自分だけは明るいキャラクターなんですけど、僕自身の性格は周りが暗いと、自分も流されて暗くなってしまうことがあるので、現場に入るときは、いつもよりちょっと明るくするように心がけています」

スライディングに苦戦したというが、どのようにして克服したのだろうか。

「土に向かって滑る恐怖心がスライディングできない一番の原因でした。それを克服するために合宿のときに、芝生でスライディングの練習をしました。芝生はふかふかなので、恐怖心なく練習しているうちに段々とできるのがわかってきて、そこからは土の上でもできるようになりました」

7月期の『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(日本テレビ)に続いて2クール連続の連ドラレギュラー出演。どちらも学園モノだが、今回の現場については「男性が多い現場なので、気を遣うことも少なくて楽しく過ごしています」とのこと。

また、「誰かとずっと一緒にいるってわけではないんですけど、同じ外野を守っている楡役の生田俊平くんとはカメラが回ってない合間でずっとキャッチボールをしたり、伊藤あさひくんとは最近よくしゃべっています」と明かした。

球児たちの成長が描かれる本作だが、役者としても学びの多い現場のようだ。

「本当にみんな演技に対して真剣に向き合っていて、撮影の合間も話し合ったりしています。刺激にもなりますし、みんなで頑張っていきたいです」と言い、「『下剋上球児』の現場を通してたくさん学んで、それを次に生かせるように、積み重ねを大事にしていきたいなと思っています」と成長を誓う。

そして、5日放送の第4話について「越山高校3年生にとって最後の大会というところはもちろんですが、南雲先生の家族のことや、日沖兄弟のお話だったり色んな人間ドラマも見どころで、4話は特に感動できる回になっていると思います」と見どころを紹介。今後の久我原についても「っと明るいキャラクターなのでアドリブも含めて見てもらえるとうれしいです」とアピールした。

(C)TBSスパークル/TBS 撮影:ENO、Len