現在放送中のフジテレビ系ドラマ『パリピ孔明』(毎週水曜22:00~)は、中国三国時代の天才軍師・諸葛孔明(向井理)が現代の渋谷に若かりし姿で転生し、歌手を目指す一人のアマチュアシンガー・月見英子(上白石萌歌)のために、魔法のような作戦を考えては、彼女の前に立ちはだかる壁を軍師のごとく切り崩し、成功に導いていくというストーリー。11月1日放送の第6話では、ライバルユニット・AZALEA(アザリエ)の10万イイネ企画を乗っ取るべく、英子がゲリラライブ会場でAZALEAのフリをして歌うという孔明の作戦を決行する――。
今回は孔明役の向井、ライブハウスのオーナーで大の三国志オタクの小林役の森山未來にインタビュー。互いの役どころの印象や、向井が「一番楽しみにしていた」という初共演の喜び、第3・4話で放送されたラップバトルについての感想を聞いた。
■向井理、孔明役は「どうして自分に来たのか(笑)」
――向井さんは諸葛孔明、森山さんは小林を演じると決まったときの心境をそれぞれ教えてください。
向井:孔明の存在は、映画『レッドクリフ』や子どもの頃読んだ漫画でもちろん知っていましたが、最初はどうして自分に孔明役が来たのか、ちょっと分からないくらいで(笑)。でも原作の漫画を読むと素敵な成長物語で、コメディですが奇をてらって笑いを取りに行く必要もなく、孔明は周りの化学反応を見ている立場の役なのかなという印象を受けました。実写化するのはハードルが高そうだと感じましたが、自分にとって新しいテイストのドラマに出演できることは楽しみでしたね。
森山:アッパーで楽しい、気持ちのいい物語だというのが原作の印象で、ここまで振りきった作品に出演できるのは楽しそうだなと。何度かご一緒させていただいている演出の渋江(修平)さんは独自の世界観を持っている方だという印象がありまして、キャスティングの新鮮さも相まって、ぜひやりたいなと思いました。
■森山未來、キャスティングを手伝う
――森山さんは以前キャスティングについて「異種格闘技戦のような魅力がある」とも仰っていましたが、お2人から見たキャスティングの魅力は。
向井:『パリピ孔明』のメインビジュアルには11人掲載されているのですが、音楽やダンス、いわゆるアーティスト活動をしたことがないのは僕と八木莉可子ちゃんぐらいで。音楽活動をされている方々とお芝居をする機会ってなかなかないですし、本気で音楽ドラマを作ろうとしている気概が感じられるキャスティングですよね。人数も多いので、スタッフさんは大変そうでしたが。
森山:あまりに大変そうだったから、ちょっと手伝ったもんね(笑)。「空いてる? 友情出演でこーへん?」って電話してみたりして。あと、漫画やアニメの実写化において、昨今は答え合わせのようなキャスティングや作り方が求められる風潮が特に強くなっていると感じます。それはそれで仕方ないと思いつつ、そのままやってもな、という思いもあって。ただ、どうアップデートさせるのかはセンスが問われるところなので、実写化するからこその面白さを、演出やプロデューサーがキャスティングに込めているのを感じます。
■向井理、森山未來との共演は「一番楽しみ」
――お2人は今作が初共演とのことですが、刺激を受けたことや、現場での印象的なエピソードがあれば教えてください。
森山:……かまない。
向井:それはお互い様じゃん(笑)。
森山:いや、僕はかんでる(笑)。小林も多いですが、孔明のセリフが圧倒的に多くて、説明的なセリフをマシンガンのようにのべつ幕なしにまくしたてなきゃいけないんです。それでもほとんどかんでいるのを見なかった。向井くんとは初共演ですが、何度か会ったことがありましたし、これまでのお仕事も見てきたうえで、何を考えてるか分からないところがあるというか。
向井:そう!?
森山:地上から5ミリくらい浮いている感じがするんです。そのつかめなさが面白くて、孔明にはまってるなと。
向井:僕もこれまで森山くんが出演した作品や舞台を見てきましたが、やっぱり圧倒的なんですよね。同年代の役者の中でも毛色が違う。今回、一番楽しみにしていた共演者です。2人芝居が多かったので、共演していることを実感できてニヤニヤしてしまったぐらい、本当に楽しみにしていたんです。年齢は僕が少しだけ上ですけど、キャリアは森山くんのほうが上。現場では、全体のことを考えて、撮影のことを考えて、自分のキャラクターのことを考えて、悩んでいる共演者がいたら、フラットな意見を出してあげる……経験を積んできたからこその余裕があって、だからこそ現場を楽しめているんだなと、見ていて感じました。一緒にいて居心地が良かったですし、現場がストップしそうになったときにも同じ方向を向いていてくれたから頼もしかったし、本当に共演できて良かったです。