きょう31日からゴールデンタイムに進出するフジテレビ系バラエティ番組『突然ですが占ってもいいですか?』(毎週火曜20:00~)。有名人が占いによってこれまで話すことのなかった本音を打ち明けるトークが人気で、TVerの見逃し配信再生回数はランキング上位の常連となり、関連グッズも次々に販売されている。

占いに懐疑的な人ですら次々に“LOCK-ON”される収録の舞台裏はどうなっているのか。企画担当の編成部・前田泰成氏(フジテレビ)とプロデューサーの坪井理紗氏(エポックル)に、枠移動で生まれる新企画や今後の展望、そして占いというコンテンツを扱うにあたって意識していることなど、話を聞いた――。

  • 『突然ですが占ってもいいですか?』MCの(左から)沢村一樹、水野美紀、池田美優 (C)フジテレビ

    『突然ですが占ってもいいですか?』MCの(左から)沢村一樹、水野美紀、池田美優 (C)フジテレビ

■俳優が私生活の話をぶっちゃける

2020年1月に深夜の単発でスタートした同番組。タイトルの通り、占い師が夜の飲み屋街に繰り出して一般の人を“突然占う”スタイルで同年4月にレギュラー化を果たすが、初回放送は新型コロナによる最初の緊急事態宣言に突入した直後だった。

ロケVTRのストックはあったものの、当然新たに撮影できないという事態に直面して導入したのが、リモートでの占い。これにより、「それまでは地方の方を占うことができなかったので、マイナスのことだけではなかったなと思います」(坪井氏)と、新たな手法が生み出された。

それに加えて番組の大きな柱となったのが、有名人への占いだ。占いというツールをフックに、本音やプライベートをどんどん引き出すことに成功し、トークショーにおける“発明”とも言えるコンテンツになった。

「どんなスゴ腕のバラエティMCの方でも聞けないような話を引き出せるというところが、番組最大の魅力になりました。占い師さんが『家にこんなものあるでしょ?』とか『普段こういう性格でしょ?』と聞いたら、新たな一面を見せてくれます。北川景子さんから『家で踊ってます』とか『リカバリーウェアを着てます』などの、お話を伺うことができました」(坪井氏)

「芸人さんは自分からいろんなことを話してくれるかもしれませんが、やはり俳優さんからは特にプライベートの話は出てきづらいですよね。でも、占いきっかけで話を振ると、今まで見えなかった私生活の話も結構してくださるので、他の番組ではしゃべってくれないことが出てきて面白いです」(前田氏)

  • 稲垣吾郎と新垣結衣

    10月31日の放送に登場する稲垣吾郎(左)と新垣結衣 (C)フジテレビ

■放送外でも次々に当たる「ちょっと怖いな」

これまでのべ495人の有名人を占ってきたが、その中で印象に残る人を聞くと、まず挙がったのがZOZO創業者の前澤友作氏。

「出ていただく方はみんな占いを信じる人ばかりではなくて、『本当に当たるの?』という心構えでいらっしゃる方も多いんです。その中で、最初は『これWikipediaに載ってる』『調べたでしょ』というところから入るんですけど、過去について自分しか知らない、世に出てないことを占いで当てられると、『あれ? それは言ってないよな…』ってなって表情が変わり、それをきっかけにいろんな話をしてくれるんです」(前田氏)

また、ラグビー日本代表の稲垣啓太選手・貴子夫妻も印象深いゲストの1組だ。

「“笑わない男”でおなじみの稲垣さんですが、夫婦で出られてすごく照れた表情や笑うところを見せてくれて、奥様との普段仲がいい感じが出ていたんです。家では料理をすることが多くて、奥様のためにケーキを作っているなんてお話も出てきて、占いをきっかけにこういう姿が見られるんだと思いました」(坪井氏)

占いパートの収録は、放送尺よりたっぷり確保。最初は緊張してトークが弾まなくても、進行していくうちに“あれもこれも”とどんどん聞きたくなってくるためだ。有名人だけでなく、飲み屋街での一般の人でも、長くなるケースがあったという。

今年7月から編成担当になった前田氏は「実際に収録現場で見ると、OAしていないところも含めてすごく当たるので、“ちょっと怖いな”とすら思いました(笑)」と衝撃を受けたそう。立ち上げから担当する坪井氏は「最初の頃はもちろん、一般の方の過去のエピソードをどんどん当てるので驚いていたんですけど、最近はちょっと麻痺してるところがあって、当たることが普通になるときもあります(笑)」と吐露した。