ビジネスシーンにおいては、相手と良好な関係を続けるためにも年末の挨拶回りが欠かせません。このときに少しでも好印象を与えられるよう、適切な言葉選びやマナーを知っておきましょう。

本記事では、年末の挨拶回りに使える言葉を取引先向けと社内向けに分けて紹介します。また、挨拶回りのマナーについても解説するので、ぜひ参考にしてください。

年末の挨拶回りに使える言葉・例文【取引先編】

  • 年末の挨拶回りに使える言葉・例文【取引先編】

取引先への年末の挨拶回りはビジネスチャンスにもつながる絶好の機会。今後も取引したいと思ってもらえるよう、ふさわしい言葉選びを心がけましょう。

まず、年末の挨拶回りでは以下の内容を盛り込むのが基本です。

  • 今年一年の感謝
  • 来年も宜しくお願いしますという挨拶
  • 年末年始の営業日
  • 年末の挨拶(良いお年をお迎えくださいなど)

これらを踏まえて、訪問・電話・メール・手紙のシーン別に具体的な例文を紹介していきます。

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訪問の場合

年末はどこの会社も忙しい時期。取引先に訪問して直接挨拶する場合は、そんな忙しいときに時間を割いてもらったことに感謝する一言を忘れずに添えましょう。以下は、訪問の場合の会話例です。

【例文】

自分「年末のお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。」
取引先「いえいえ、こちらこそわざわざお越しいただいてありがとうございます。」
自分「今年も○○様には大変お世話になりました。いつも温かい言葉をかけてくださる〇〇様のおかげで救われることも多くて、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。」
取引先「そう言っていただけると嬉しいです。こちらこそいつも丁寧にフォローしてくださる○○様にとても感謝しています。」
自分「ありがとうございます。ご期待に添えるよう誠心誠意努めてまいりますので、来年もどうぞよろしくお願いいたします。」
取引先「こちらこそ来年もよろしくお願いいたします。」
自分「弊社は12月29日が年内の最終営業日ですので、何かございましたらいつでもご連絡ください。年始は1月4日から営業しております。」
取引先「うちも同じ日程です。何かあればそれまでにご連絡するようにしますね。」
自分「寒い日が続きますので風邪に気を付けて、良いお年をお迎えください。」
取引先「ありがとうございます。○○さんも風邪に気を付けて良いお年をお迎えください。」

また、訪問後にメールであらためて訪問のお礼と年末年始の営業日を送ると好印象を与えられます。

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電話の場合

本来、挨拶回りは訪問することを指しますが、コロナの影響もあって訪問はせずに電話で済ませる方も多いでしょう。電話の際には、訪問して直接挨拶できないことへのお詫びの一言を添えるのがマナーです。

【例文】

自分「お世話になっております。〇〇会社の〇〇です。年末のご挨拶でお電話させていただいたんですが、今よろしいでしょうか? 」
取引先「大丈夫ですよ。わざわざすみません。」
自分「とんでもないです。本来ならば直接お伺いしてご挨拶すべきところ、電話でのご挨拶となってしまい申し訳ありません。」
取引先「いえいえ、お気になさらないでください。」
自分「ありがとうございます。今年も〇〇様には大変お世話になり、ありがとうございました。」
取引先「こちらこそお世話になりました。いつもなかなか休みがとれないとおっしゃってましたが、年末年始はどうぞゆっくり休んでくださいね。」
自分「お気遣いありがとうございます。〇〇様もどうぞごゆっくりお休みください。」
取引先「ありがとうございます。御社はいつからお休みに入るんですか?」
自分「弊社は12月30日から1月3日までお休みをいただきます。」
取引先「うちと一緒ですね。では何かあったらそれまでに連絡します。」
自分「ありがとうございます。寒い日が続きますので体調に気を付けて、良いお年をお迎えください。」
取引先「ありがとうございます。〇〇様も体調に気を付けて良いお年をお迎えください。」

メールや手紙の場合

近年はテレワークが普及し、オフィスに電話をかけても不在であることが少なくありません。担当者がなかなかつかまらない場合は、メールで送ってしまっても良いでしょう。また、取引先へ年末の挨拶として粗品やノベルティグッズなどを送付する場合は、手紙でも構いません。

以下は、メールの場合の例文です。

【例文】

〇〇株式会社 〇〇様

いつも大変お世話になっております。株式会社〇〇の〇〇です。

早いもので、本年も残すところあとわずかとなりました。
本年は特段のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
来年もご期待に添えるよう誠心誠意努めていく所存ですので、来年も変わらぬご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。

なお、当社の年末年始休業期間は下記の通りです。

2023年12月29日(金)~2024年1月3日(水)

休業期間中はご不便をおかけしますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。

メールにて恐縮ではございますが、年末のご挨拶とさせていただきます。
どうぞ良いお年をお迎えください。

関連記事: 年末挨拶メールの例文を社内の上司や取引先別に紹介! 返信、書き方の注意点も

年末の挨拶回りに使える言葉・例文【社内編】

  • 年末の挨拶回りに使える言葉・例文【社内編】

年末の挨拶回りは取引先だけではなく、社内で日頃お世話になっている人に対しても行います。来年も良好な関係を築けるように、それぞれの相手に適した言葉で年末の挨拶を行いましょう。

上司の場合

上司への年末の挨拶は対面が望ましいです。上司が忙しくて対面が難しい場合は、以下のようなメールを送りましょう。

【例文】

〇〇部長(役職名)

本年も残すところあとわずかとなりました。
〇〇部長には、今年も大変お世話になり感謝しております。

ご迷惑をおかけすることも多くありましたが、4月からは新人も入社してきますので
部にとって頼もしい存在となれるよう誠心誠意努めていく所存です。 来年もご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

メールにて恐縮ではございますが、年末のご挨拶とさせていただきます。
どうぞ良いお年をお迎えください。

対面での挨拶が可能な場合は、相手の仕事状況を確認して邪魔にならないようなタイミングで行ってください。以下のように簡潔な挨拶が望ましいです。

【例文】

今お時間よろしいでしょうか。
今年も大変お世話になり、ありがとうございました。来年はもっと頼もしい存在になれるよう頑張りますので、来年もご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
どうぞ良いお年をお迎えください。

先輩の場合

先輩への場合は、上司よりも少しくだけた表現を使っても問題ありません。仕事でのエピソードなどの内容も含めるのも良いでしょう。

【例文】

〇〇さん

もう年末になってしまいました...。なんだかあっという間に感じます。
〇〇さんには今年も大変お世話になりました。
特に〇〇の企画の際には資料作成を教えてくださったり、取引先に同行してくださったりと
たくさんフォローしていただいたお陰で無事に成功させることができ、感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました!

私も〇〇さんのような先輩になれるよう頑張りますので、来年もご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
どうぞ良いお年をお迎えください。

同僚の場合

取引先や上司・先輩への挨拶に気を取られがちですが、同僚にも忘れずに年末の挨拶を行いましょう。同僚には、以下のようなシンプルな内容で構いません。

【例文】

今年も一年間お疲れ様でした!
今年はたくさん飲みに行けて楽しかったです。次は〇〇の店行きましょう!
来年もよろしくお願いします。それでは良いお年をお迎えください。

年末の挨拶回りにおけるマナー・注意点

  • 年末の挨拶回りにおけるマナー・注意点

年末の挨拶回りで取引先を訪問する際は、失礼のないようマナーや注意点について知っておくことが大切。訪問する前に、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。

事前にアポイントを取る

年末の挨拶回りで訪問する場合は、必ず事前にアポイントを取りましょう。年末は忙しい時期になるため、アポイントなしで訪問することは基本的にマナー違反です。

好印象を残すために訪問したつもりでも、「こんな忙しいときにアポイントなしで来るなんていい迷惑だな…」などど、逆効果になってしまう恐れもあるので、忘れずに行いましょう。

アポイントを取る際には、相手の負担を軽減するためにも「お時間は取らせませんので」と一言添えてください。

手土産を持参する

年末の挨拶回りで取引先を訪問するときは手土産を持参するケースも多いです。手土産を渡すことで、より感謝の気持ちを表せます。

自社でカレンダーやノベルティなどを作っているのであれば、粗品として渡すと良いでしょう。このような粗品がない場合には、お菓子などを購入して持参します。お菓子は、常温保存が可能で日持ちするものを選びましょう。手土産にのしをつける場合は、「粗品」「ご挨拶」が一般的です。

ただし、企業によっては手土産などの贈り物を禁止していることがあります。担当者を困らせないよう、取引先が手土産を受け取れるかどうか事前に確認しておくことも大切です。

必要以上に長居しない

年末は取引先も慌ただしくしているため、必要以上に長居しないことが鉄則。所要時間は5~15分程度が最適です。話が盛り上がって長くなってしまった場合でも、30分以内にはおさえるべきでしょう。

挨拶回りはあくまでも、一年の感謝を伝えるための時間です。仕事の具体的な話などは持ち出さず、簡潔に感謝を伝えてください。

ふさわしい言葉選びで年末の挨拶回りを成功させよう

  • ふさわしい言葉選びで年末の挨拶回りを成功させよう

年末の挨拶回りに使える言葉やマナーなどを紹介してきました。

取引先への年末の挨拶回りは相手に感謝の気持ちを伝える礼儀であるとともに、今後の取引をさらに発展させるためのチャンスでもあります。また、社内への挨拶回りは今後も良好な関係を保って仕事をスムーズに進めるためにも大切です。

言葉選びを誤ったりマナーがなっていなかったりすると逆効果になってしまうので、注意しましょう。シーンに応じたふさわしい言葉選びや振る舞いで、ぜひ好印象を残してくださいね。