JR東海は19日、東海道・山陽・九州新幹線のネット予約・チケットレス乗車サービス(エクスプレス予約)の会員向けに配送している新幹線乗車専用のICカード(EX-ICカード)の配送作業において誤りがあり、本来の送付先とは異なる送付先にICカードを配送したことが判明したと発表した。このICカードはクレジットカードとは異なり、決済機能はない。
10月13日に39法人(696名の会員)向けのICカードを配送するにあたり、本来は会員に個別で配送すべきICカードを法人ごとに箱詰めし、同法人内の1名の会員に一括して配送。合計39名の会員に、法人ごとに箱詰めしたカードが配送されてしまったという。
箱内には、会員個人宛ての封筒(ICカード入り)が複数入っており、封筒の宛名には会員個人の住所・氏名が記載され、封筒を開封すればICカード番号等が分かる状態だった。この結果、法人内の会員の住所・氏名を同一法人内の他の会員が閲覧可能になってしまったとのこと。なお、これまでに住所・氏名が不正に利用されたという会員からの申告はないとしている。
今回のICカード配送は、「エクスプレス予約」のサービス変更にともない、ICカードの取扱い開始以前(2008年3月28日以前)に「エクスプレス予約」に入会し、これまでICカードを発行していなかった提携コーポレートカード会員(法人会員モデルの1つ)が対象となっていた。
通常、利用者からの申込みによってシステム上で配送データが作成されるが、今回は利用者からの申込みによらず、同社側から一律でICカードの配送を行うため、通常と異なるフローで配送データを作成する必要があり、この際に誤った配送データが作成された。誤ったデータが作成された原因については調査中であり、今後入会する会員については、今回と同様の方法で配送作業を実施する予定はないという。
現在、送付先となった39名の会員に事実の説明を行い、誤配送したICカードについて、回収作業と正しい送付先への配送を順次行っている。本来配送されるべきだった会員についても、今後、事実の説明を行っていくとのこと。同社はこの事案を重くとらえ、個人情報の管理をさらに強化し、原因を究明した上で再発防止を徹底するとしている。