JR東海は6日、東海道新幹線の「S Work車両」リニューアル等に関する報道公開を実施。新たに導入する「S Work Pシート」も公開された。10月20日から「S Work Pシート」の使用を開始するとともに、現行の「のぞみ」に加え、「ひかり」「こだま」も「S Work車両」を設定する。

  • 東海道新幹線の「S Work車両」をリニューアル。新たに「S Work Pシート」が導入される

「S Work車両」は新幹線の移動時間を活用し、モバイル端末等を使って仕事したい利用者向けに導入。現在は「のぞみ」のみ、16両編成の7号車を「S Work車両」として使用している。10月20日以降、東海道・山陽新幹線を走る16両編成の「ひかり」「こだま」についても、7号車を「S Work車両」として運用(予約開始は10月18日から)。これにより、東海道新幹線の全駅で「S Work車両」を利用できるようになる。

同じく10月20日から、「S Work車両」に「S Work Pシート」を導入。7号車の3人掛け座席(全15列)のうち、6~10番A・C席を「S Work Pシート」(1両あたり計10席)とし、B席にパーティションとドリンクホルダーを設置した。3人掛け座席の1.5人分を使用できるようにすることで、パーソナルスペースが拡大。より快適に仕事できるという。

  • 報道公開はN700S(J27編成)を使用し、東京~三島間で実施。「S Work Pシート」の実演も行われた

  • 背面テーブルのパソコン等に背もたれが付かないように、リクライニング角度が改修されている

「S Work Pシート」の導入に合わせ、座席背面のテーブルを新規に開発し、「S Work Pシート」とその前後の座席(3人掛け座席のA・C席のみ)に導入。ノートパソコン等のキーボード入力を行いやすくするため、手もとにスライドさせると傾くように工夫したとのことだった。なお、「S Work車両」では、モバイル端末等の利用しやすい環境をめざし、全座席のリクライニング角度を改修。可動域を調整し、背面テーブルのパソコンに背もたれが付かないようにした。

現在、「S Work車両」は「EXサービス」(東海道新幹線ネット予約サービス「スマートEX」「エクスプレス予約」)の専用商品として販売されており、「S Work Pシート」も「EXサービス」で利用可能な普通車指定席として発売。他の普通車指定席(「EXサービス」利用)に1,200円を追加した額で「S Work Pシート」を利用できる。新サービスを試しやすいように、当面はこの追加額で販売するとのことだった。

  • 新規に開発した背面テーブル。手もとにスライドさせると傾くしくみに

  • 「S Work Pシート」では、3人掛け座席のB席にパーティションを設け、パーソナルスペースを拡大している

  • パーティションの他にドリンクホルダーも設置された

「S Work車両」内の他の座席については、これまでと同様、「EXサービス」で普通車指定席を予約する場合と同額で利用可能。2024年春頃をめどに、「S Work車両」を駅の窓口や券売機などでも購入できるようにする予定だという。「S Work車両」のリニューアルにあたり、ロゴマークも一新し、7号車の車体側面(乗降ドア付近)と車内貫通扉に掲出する予定。7号車が「S Work車両」であることをわかりやすく案内する。