俳優の鈴木亮平が主演を務めるTBS系日曜劇場『下剋上球児』(毎週日曜21:00～)が15日にスタートした。本作では、見どころの一つである野球シーンをさらに迫力あるものにするため、その一部をアニメーションで制作。今までにない描き方に、SNSでは早速反響を呼んでいるが、新たな試みへの挑戦について新井順子プロデューサーに話を聞いた。

  • 『下剋上球児』第1話の野球シーン写真

本作は、高校野球を通して、現代社会の教育や地域、家族が抱える問題やさまざまな愛を描くドリームヒューマンエンターテインメント。三重県立越山高校に赴任して3年目の社会科教員で、廃部寸前の弱小野球部の顧問を担当することになる主人公・南雲脩司を鈴木が演じる。そして、黒木華、井川遥、生瀬勝久、松平健、小泉孝太郎、小日向文世ら、さらに、約半年間に及ぶオーディションを経て決定した12人の若手俳優たちが野球部メンバーとして出演する。

スタッフ陣は、『石子と羽男―そんなコトで訴えます？―』『最愛』『MIU404』『アンナチュラル』をはじめ、多くのTBSの人気ドラマを世に送り出してきた新井順子プロデューサーと塚原あゆ子監督。また、『最愛』をはじめ、2人の作品の脚本をこれまでも数々手掛けてきた奥寺佐渡子氏がストーリーを紡ぐ。

本作では、野球の実技テストを経て選ばれた球児キャストたちが魅せる本格的な野球シーンも見どころの一つ。キャストが実際にプレーしており、新井氏は「野球はごまかさずちゃんとやろうということで、リアリティを大事にしています。CGも使っていません」と語る。

そして、野球シーンをさらに迫力あるものにするため、野球シーンの一部をアニメーションで制作。『進撃の巨人』『SPY×FAMILY』のオープニングなど、数々のヒットアニメを手掛けるCloverWorksの石浜真史氏が手掛けている。

新井氏は「アニメでしか表現できないエモさを出すため」だと、その狙いを語る。

「バットに球が当たるとき、アニメだと周りに線を描いたりして『ビューン!』『カキーン!』と描きやすいですが、実写だと『コン!』って当たるだけで盛り上がらない。ものすごくスローで撮影しても、球がぐにゃっとはならないので、当たる球や走る足元など、実写では伝わりづらい表現をアニメーションで描いています」

実際、アニメーションを取り入れたことで、球のスピード感や威力、球児たちが走っているスピード感などが増し、より引き込まれるシーンに。SNSでも「アニメ映像も、すごい！」「アニメとの融合がすごい」「アニメ混ざってるのに何も違和感を感じなかったし迫力が増しててかっこよかった！」「中途半端にCGにするんじゃなくて思い切ってアニメにするのめっちゃ斬新。そしてめちゃくちゃ迫力ある」などと反響を呼んでいる。2話以降も、物語の展開とともに、こだわりの野球シーンにも注目していきたい。

(C)TBS/撮影:ENO、Len