JR東海は6日、「S Work車両」のリニューアル等に関する報道公開を実施。N700Sの5・6号車を使用し、東海道新幹線「貸切車両パッケージ」の活用例も紹介された。5号車はパーティルームと化し、6号車もレッドカーペットを敷くなどの車内装飾が行われた。

  • 東海道新幹線「貸切車両パッケージ」により、パーティルームと化したN700S(5号車)の車内

東海道新幹線「のぞみ」(東京~新大阪間で運行を完結する列車のみ)を対象とした「貸切車両パッケージ」は昨年12月に販売開始。企業の報奨旅行や社員研修などの際に号車単位で貸し切り、車内でオリジナルイベント等を開催できる。オプションメニューとして、利用者がデザインしたオリジナルヘッドカバーを取り付けられるほか、貸切号車の通路にレッドカーペットを敷くことも可能。車内に音響設備(スピーカー)や液晶モニターを設置し、好きな音楽・映像を車内で楽しめる。貸切号車専属の乗務員・パーサーを手配し、出発・到着時に駅係員のグリーティングやオリジナル横断幕を掲げての出迎え・見送りなど、特別なおもてなしを行うオプションメニューも用意している。

今回の報道公開では、「S Work車両」をリニューアルし、7号車の一部座席に「S Work Pシート」を導入したN700Sが東京~三島間を往復した。あわせて「貸切車両パッケージ」についても紹介され、実際に車内装飾を施した5・6号車を公開。どちらの号車も座席にオリジナルヘッドカバーが取り付けられた。6号車には液晶モニターが設置されたほか、通路にレッドカーペットが敷かれ、普通車ながら特別感のある車内空間となっていた。

5号車はパーティルームを意識した車内装飾が施された。スピーカーから大音量の音楽が流れ、光の演出も行われるなど、東海道新幹線の車内とは思えない幻想的な空間に。三島駅から小田原駅までトンネルが連続することもあり、暗くなった車内で行われる光の演出がパーティルームらしさを際立たせていた。5号車の様子を動画で撮影し、本誌のSNSに投稿したところ、JR東海のイメージを覆す取組みに若干の戸惑いもありつつ、「パリピ新幹線」「新幹線の中でDJしたら超最速のDJプレイが出来そう」「ゲーミングN700S」「ポポンデッタの室内灯」などのコメントが見られた。

  • スピーカーから流れる音楽に光の演出も加わり、幻想的な空間に

  • 「貸切車両パッケージ」のオプションメニューでもあるレッドカーペットが敷かれた6号車の車内

「貸切車両パッケージ」は誕生日パーティやスポーツイベントなどでの利用も可能。9月に開催され、話題となった「新幹線プロレス」も「貸切車両パッケージ」によって実現している。その他、「スポーツ観戦の移動時間を活用したファン交流イベント」「展示会会場までの移動時間を活用した車内でのプレゼン・商談」といった事例も。本人に内緒で、誕生日パーティをサプライズで開催したこともあったという。なお、「貸切車両パッケージ」の販売はジェイアール東海ツアーズとJTBが担当しており、パッケージの詳細について各旅行会社に問い合わせる必要がある。座席手配の都合上、乗車日の2カ月前が申込みの期限となっている。