• アヴちゃん(女王蜂) (C)フジテレビ

毎回豪華なアーティストが登場することも、本作の魅力だ。

「すごいアーティストが参加してます。出演者で打ち上げやっただけでそのままフェスになるんじゃないかってくらい豪華ですよね(笑)。普段、共演する機会のなかった人たちと一緒にお芝居をすることは、とても新鮮な経験でした。お芝居も歌も“表現する”ことなので、それぞれのキャラクターや役柄を理解した上で最善を尽くそうという皆さんの姿と、それをエンタテイメントにすることを最優先に考えている監督、そしてそれを撮影するカメラマン、いい音で録ろうという音声スタッフ、照明スタッフ、衣装やメイクのスタッフの方々……改めてドラマというのは総合力だと感じました」

孔明の衣装は高さ2メートルを超えるもので、夏場の撮影だったこともあり、かなり過酷だったことがうかがえるが、それでも笑顔の絶えない居心地のよい現場だという。「この間、番組のポスターを見たら“これだけの人が参加しているんだ”と実感した」と語る向井。仲でもひときわインパクトがあるのが、やはり孔明の衣装だ。

「ビジュアルから得る情報って大きいと思いますし、だからこそ衣装やメイクって大事ですよね。何度も衣装合わせをして、(撮影が)夏だから暑さ対策もしてもらっているんですけど、衣装の重厚感や説得力を大切にしています。衣装を着て立っているだけで孔明になれるくらいクオリティの高いビジュアルを作ってもらっています。僕がただしゃべっているだけでは“孔明”にはなれないので、助けられています」

1人でしゃべっているだけでは“孔明”にはなれない――共演者の反応あっての“孔明”だという。

「周りのリアクションも大切ですよね。ただ孔明が立っていたとしても、周りの誰かかが“変なやつがいる!”と言わないと話が進まないですし。自分ひとりではなくて、周りと一緒に作り上げていくもので、共演者とのコミュニケーションを大事にしたいと思っています」

  • 向井理

■ここまでいろんなジャンルが出るドラマは経験ない

本作の孔明を演じる上での難しさもあると語る。

「最初に監督と話したのは、“異質さがないといけない”ということです。ただそこで食事をしているだけでも、少し異質で違和感がないといけない。現代のことをやればやるほどギャップが出てきて面白くて、それを平然とやらないといけないんですけど、反対に“面白いことをやっていますよ”みたいになると、絶対にスベるじゃないですか。その加減が難しいですよね」

奇抜なタイトルかつコミカルな設定だが、「“パリピ”という名前の逆を行くような骨太なドラマ」でもあるという。

「ひとりの女性の成長物語だったり、周りの人にもそれぞれの挫折があったりする。そういった、むしろ名前の逆をいくような面もあるんです。そこもしっかりと広めていきたいです。これまで音楽をテーマにしたドラマや映画に出演してきましたけど、ここまでいろんなジャンルが出てくるドラマは経験したことがないし、見たこともない。本格的なライブシーンを作っているし、音楽が好きな人だったら間違いなくこのドラマの面白さに気づいてもらえるはずです。反対に、このドラマをきっかけにクラブに行ってみたい、ライブに行きたいって思う人も出てくるかもしれない。そのくらい画期的な作品だと思います」

  • 向井理
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●向井理
1982年生まれ、神奈川県出身。06年に芸能界デビューし、10年に連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』(NHK)でヒロインの夫を演じて注目を集める。近年の主な出演作は、ドラマ『パンドラⅣ AI戦争』(18年)、『わたし、定時で帰ります。』(19年)、『麒麟がくる』(20年)、『悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?』(22年)、『警部補ダイマジン』(23年)、映画『ザ・ファブル』(19年)、『引っ越し大名!』(同)、『ウェディング・ハイ』(22年)、『映画 イチケイのカラス』(23年)など。

スタイリスト:外山由香里
ヘアメイク:晋一朗(IKEDAYA TOKYO)