ホテル雅叙園東京内にある自然派イタリアン「RISTORANTE “CANOVIANO”」のセカンドブランド「CANOVIANO CAFE(カノビアーノ カフェ)」が9月22日にオープンしました。にんにくや唐辛子を極力使用しない自然派ながら、素材のうま味を最大限に引き出したメニューは、通いたくなる満足度の高さ! オリーブオイルと香りにこだわっているという植竹隆政シェフのお話とともに「CANOVIANO CAFE」の魅力をお届けします。

ホテル雅叙園東京の庭園がガラス窓いっぱいに広がる北欧風の店内

「バターやクリームなどの動物性油脂、にんにくや唐辛子を極力使用せず、オリーブオイルや野菜など自然の味わいにこだわっています」という日本の自然派イタリアンの第一人者・植竹隆政シェフが手がける「RISTORANTE “CANOVIANO”」は、1999年の代官山での開業を経て、2017年にホテル雅叙園東京内に移転したラグジュアリーレストラン。結婚式や記念日など非日常を過ごす特別な空間として定評があります。

  • ガラス窓一面に庭園の緑が広がる、温かみのある店内

そのセカンドブランドとして誕生した「CANOVIANO CAFE」は、日常使いを目指したカジュアルレストラン。コロナ禍を経験したことで、ホテルレストランに求められているものは“いい料理といいサービス”であることを改めて実感したことがオープンのきっかけということで、上質な料理とサービスはそのままに、お手軽な価格で植竹シェフの料理を味わうことができます。

大きなガラス窓からホテル雅叙園東京の庭が眺められる場所にあり、優しい色の木材や柔らかなカラーの椅子で彩られた内装も素敵。環境配慮やフードロスに取り組むことも視野に入れた店舗であることから、サスティナビリティの先進国でもある北欧をイメージしているのだとか。

オリーブオイルと塩だけ。よそからうま味を持ってこないスタイル

  • シェフの植竹隆政さん

「料理は作る過程も食べるのも楽しい。シェフという仕事を始めて30年になりますが、新しい店で若い人と働けるのはうれしいですね」と朗らかに語ってくれた植竹シェフ。にんにくや唐辛子を使わないイタリアンに行き着いたのは、にんにくや唐辛子をあまり使わないイタリア北部で修行されたからだとか。

さらにイタリア北部で使われているバターや生クリームも使わないというこだわりようで、「僕の料理は、オリーブオイルと塩だけなんです。よそからうま味を持ってこないというのが自分のスタイルで、調味料はほとんど使わない」ということ。

  • シェフのこだわり、ヴェローナ産のオリーブオイル

オリーブオイルは「僕は、このオリーブオイル1本だけでこれまでやってきたんですよ」と、ヴェローナ産のものを長年愛用。「イタリアの南に行けば行くほどスパイシーでたくましいオイルになります。ヴェローナはオリーブが収穫できる最北端なので、非常に穏やかでフルーティーなオリーブオイルができるんです」とうれしそうにオリーブオイル愛を語ってくれました。

香り豊かで素材が生きた一流の料理をカジュアルな価格で楽しめる

にんにくも唐辛子も使わない自然派となると、優しすぎる味になるのでは……?と想像していましたが、料理を一口食べた瞬間に杞憂だと気づかされました。どの料理も素材の味と塩味のバランスが抜群で香り豊か。そして上質なオリーブオイルがしっかりとイタリアンであることを伝えてくれるのです。

塩加減については、「まず、素材の水分を抜く作業をします。野菜などの素材を鉄板で素焼きにして、水分を少し抜いたところでオリーブオイルをそ~っとかけてあげて素材に膜を張ってあげるんですね。そうして加熱すると、今度は中の水分が煮詰まってくるので、野菜の味が濃くはっきりと甘くなるんです。そうすると塩加減は少しで済みます」と、さすが一流の技が光ります。

  • この日のフルーツトマトは軽井沢産。海老の甘みとのバランスも絶妙な「縞海老とカラスミの冷製カペッリーニ」1,320円

「縞海老とカラスミの冷製カペッリーニ」では季節ごとに産地を変えるフルーツトマトの甘みと酸味やカラスミの風味と塩味、「塩サバと生姜の“にんにくを使わない”アヒージョ」では塩サバのうま味と塩味など、こだわりの素材そのものの味を最大限に生かしていることも、食べ応えに繋がっています。

  • この日は霧島産の豚。藁のスモーキーな香りをまとわせた「銘柄豚ロースの藁焼き(180g)」2,530円

さらには、香りを大切にしているのも特徴。シェフがこの店のために生み出したシグニチャーディッシュである「銘柄豚ロースの藁焼き」は、ストウブで運ばれてきます。そしてテーブルで蓋を開けた瞬間、立ち上がるスモークの香り楽しむのです。そのスモーキーな香りをまとったお肉の味わいも、もちろん美味!

  • 厚みのある塩サバとほくほくのじゃがいものうま味、生姜の香りが楽しめる「塩サバと生姜の“にんにくを使わない”アヒージョ」1,100円

にんにくなどの香辛料は使っていないため、ランチでも気にせず食べられるイタリアンというのもうれしいところ。さらに、にんにくの強い香りがないことでワインの香りを邪魔せず、ワインとの相性が抜群によくなるという意外な効果も。昼も夜も食べに行きたくなるお料理ばかりなんです。

そして改めて驚いたのは、パスタとミニドルチェとカフェのランチセットで1,980円というカジュアルな価格。夜のメニューの価格設定もしかり、この料理のクオリティーと雰囲気、一流ホテルのサービスを受けられることを考えると、おすすめせずにはいられないレストランです。

  • シェフが27年間作り続けているドルチェ。栗の渋皮煮とエスプレッソでのどごしのいい甘苦さを生み出した「栗のカフェラッテ(季節限定)」1,100円

■information
CANOVIANO CAFE(カノビアーノ カフェ)
東京都目黒区下目黒1-8-1 ホテル雅叙園東京内
ランチ[平日]11:30~14:30(L.O.)※土日祝は15:00(L.O.)/ディナー17:30~21:30(L.O.)/水曜休/テーブル52席 / カウンター6席