東京商工リサーチは9月25日、第2回「雇用調整助成金」不正受給企業調査の結果を発表した。同調査は、新型コロナ感染拡大に伴う雇用維持のため、従業員への休業手当を助成する雇用調整助成金(以下、雇調金)または緊急雇用安定助成金を不正に受給したとして、各都道府県の労働局が2020年4月1日~2023年8月31日までに公表した企業を集計、分析したもの。

  • 雇調金不正受給公表件数・受給金額推移(出典:東京商工リサーチWebサイト)

全国の労働局が8月31日までに公表した雇調金の不正受給数は670件。うち2度公表された企業が3社あり、実質企業数は667社(個人企業含む)、不正受給金額は総額206億7,947万円に達した。前回調査(2023年6月9日公表分まで、6月発表)から、151件が新たに公表された。

全国の労働局が公表した485社(個人企業を除く)を、東京商工リサーチの企業データベースで分析したところ、産業別では「サービス業他」が圧倒的に多く213社(43.9%)に上り、うち「飲食業」が66社(30.9%)を占めた。

  • 左から、雇調金不正受給公表企業 産業別、業種別(出典:東京商工リサーチWebサイト)

地区別に見ると、関東が234件(34.9%)と断トツで、2位の近畿119件(17.7%)と約2倍の差がついた。以降、中部113件、九州78件、中国50件、東北31件、四国28件、北陸9件、北海道8件と続き、企業数が多い東京・大阪・名古屋を中心とする3大都市圏が69.5%を占めた。また、業歴10年未満の企業は222社(45.7%)と半数近いことがわかった。