俳優の吉沢悠、櫻井海音が、アイドルグループ・日向坂46の齊藤京子が主演を務めるテレビ朝日系ドラマ『泥濘の食卓』(10月21日スタート 毎週土曜23:30~)に出演する。

  • 左から櫻井海音、齊藤京子、吉沢悠=テレビ朝日提供

■齊藤京子単独主演『泥濘の食卓』

伊奈子氏によるコミックを実写ドラマ化し、齊藤が初の単独主演を務める同作は、毒親に育てられたことで「自分には何の取り柄もない」と思い込んでいる自己肯定感の低いスーパーの店員・捻木深愛がバイト先の店長と不倫をし、やがて店長の息子、店長の妻と、愛する相手の家庭へ徐々に寄生して泥濘へと引きずり込んでいく“パラサイト不倫”を描く物語。

■吉沢悠、齊藤京子演じる捻木深愛と不倫するスーパーの店長役に

ドラマ『夫婦が壊れるとき』(23年)で不倫夫を演じ、大きな話題を呼んだ吉沢が再び不倫ドラマに挑む。本作で演じるのは、深愛がバイトをするスーパーの店長で、不倫相手となる那須川夏生。人当たりが良く誰にでも優しく接する那須川に、深愛は好意を抱くようになり、いつしか深い関係に。そんな中、不倫しながらも大切に思っている妻が病気を患ってしまい、一度は深愛に別れを切り出すのだが……。かつてはイケメンだったであろう面影を残しつつも、現在は髭を生やし、白髪交じりの疲労感や哀愁を感じさせる那須川を演じる吉沢は、「不倫をしているおじさんという役のオファーをいただきましたが、なぜ今この話が来ているのかと考えた時に、『今の年齢だからできること』なんだろうなと思いました。挑戦する気持ちでこの役に挑みたいです」と意欲たっぷりに語った。

■櫻井海音、齊藤京子演じる捻木深愛に恋する高校生役に

一方櫻井が演じるのは、那須川のひとり息子で、スーパーで出会った深愛に惹かれていく高校生・那須川ハルキ。2020年に若者から人気を集める恋愛リアリティ番組『オオカミくんには騙されない』の出演を機に一気に注目を集めた櫻井は、その後、連続テレビ小説『エール』(20年)や『逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類! 新春スペシャル!!』(21年)、『ナイト・ドクター』(21年)、『未来への10カウント』(22年)などのドラマをはじめ、映画『嘘喰い』(22年)など、立て続けに話題作に出演し、直近では『VIVANT』(23年)で堺雅人演じる主人公の若い頃を熱演した。ハルキは、幼馴染から受けるクレイジーな愛情が原因で不登校になってしまったり、父とただならぬ関係と知っても深愛に思いを募らせていったり「ちょっとダークというか、闇を抱えた人物」で、櫻井にとって新境地に。「けっして“まとも”とは言えないんですけど、一方で、そこがすごく人間っぽくて、泥臭くていい」とハルキの印象を語る櫻井が全身全霊で今作に挑む。

深愛から愛されすぎてしまう不倫相手のスーパーの店長と、父と不倫していると知りながら深愛を愛してしまう息子。深愛の純粋すぎる思いは、この父子をはじめ、どう一家に寄生して蝕んでいくのか。

■吉沢悠(那須川夏生・役)コメント

――原作を読んでいかがでしたか?

20代前半くらいの頃、悩んだことがあったときに、どの大人に相談していいのか分からず、これで合ってるのかどうかを導いてくれる人が周りにあまりいなかったんです。今回原作を読んで、深愛は自分が抱えていることを近くにいる店長に伝えることで、少しでも前に進もうとしている点では、世間的にいいかどうかは別として、彼女の中では1つの正解なのかなと思います。一般的にストーカーと捉えられることも、実は本人の中では一生懸命生きているだけみたいな、そういう世界観を描いているなと感じました。

――最初にオファーを受けた時のお気持ちと、演じるに当たっての思いをお聞かせください。

今回、不倫をしているおじさんという役のオファーをいただきましたが、なぜ今この話が来ているのかと考えた時に、「今の年齢だからできること」なんだろうなと思いました。今回に限らずですが、自分がやってきていない役柄を演じるのは光栄でもありますが、大変です。でも、そういう経験を積んでいかないと俳優として落ちていくと思いますし、役者として経験してきた貯金で演じる、というところに甘んじてはいけないと思うので、挑戦する気持ちでこの役に挑みたいです。

――主演の齊藤京子さん、息子役の櫻井海音さんのそれぞれの印象を教えてください。

齊藤さんとはご一緒するのが初めてで、ハキハキ明るいイメージがあります。初単独主演でご本人は緊張しているのかもしれませんが、周りを不安にさせないような雰囲気をお持ちで、本読みの際は回数を重ねるごとに監督のオファーにきっちり応えていて、柔軟性がある方だなという印象も受けました。

櫻井さんも初共演で、普段は笑顔の可愛い好青年というイメージですが、役に入ると、ハルキが抱えている闇を「こうやって演じよう!」と強い意志を持って挑もうとしているのが伝わります。そういう若い人たちと一緒にやっていくことで、自分が忘れてしまっている感覚などが再び生まれたら面白いな、と期待しています。

――楽しみにしている視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。

原作の世界観を見ると、結構特殊な世界の話という印象を持たれると思います。安里麻里監督は、いい意味で“危ない”感覚を持っている方で、作品に対する情熱がものすごく、いかにこの原作をドロドロに料理してやろうかという熱意を感じるんです。その方がメイン監督として、生身の人間を動かしていく上で、不倫ドラマが好きな方や危険な世界観が好きな方が惹かれるような作品になっていくのではないかと思うので、そこを楽しみにしていただけたらと思います。

■櫻井海音(那須川ハルキ・役)コメント

――原作を読んでいかがでしたか?

出演が決まってから原作を読んだので、最初はフラットな気持ちで読みたいなと思いながらも、どうしてもハルキに感情移入しちゃって、どんどん気持ちが暗くなっていきました。でも、きっとそういう気持ち一つひとつ、キャラクターが放つ個性みたいなものがこの作品の魅力であり、面白いところだと思っているので、原作にいるハルキをちゃんと表現出来たらなと思っています。

実は、最初に読んだ時はハルキがいちばん“まとも”な人間だと思っていたんです。でも、何回か原作を読み返すうちに、実はハルキもヤバい要素を持っているんじゃないかと思い始めたんです。深愛が父親の不倫相手とわかっても好きでい続けていたり、幼なじみの女の子に手を上げたり……そういう部分はけっして“まとも”とは言えないんですけど、一方で、そこがすごく人間っぽくて、泥臭くていいなというか、「“泥濘”だなぁ!」って感じですね。僕はもう、ハルキの気持ちにしか共感できないです……!

――最初にオファーを受けた時のお気持ちと、演じるにあたっての思いをお聞かせください。

オファーをいただいた時は、素直にうれしかったですね。今まで演じてきた役がわりとナチュラルな役が多かったので、ちょっとダークというか、闇を抱えた人物を演じられることもうれしかったですし、原作を読んでより面白い作品だと思ったので、この作品にハルキとして出させていただけることの喜びが強いです。撮影がとても楽しみです!

――主演の齊藤京子さん、父親役の吉沢悠さんのそれぞれの印象を教えてください。

齊藤さんや吉沢さんをはじめ、皆さん本当に作品を良くしようという気持ちや、目指す方向性が一緒だなと感じました。それは監督さんやスタッフさん含めて、全体が同じ方向に向かえる現場、そして作品になるんじゃないかなと思いますし、今から現場が楽しみです。とてもやり甲斐のある撮影になりそうだなと思っています。

齊藤さんは、いつも『キョコロヒー』を拝見させていただいているので、「あ、本物だ!」って思いました。いつか『キョコロヒー』出たいなぁ……。

吉沢さんとは衣裳合わせの際にご挨拶させていただいた時も、本読みが始まる前にお話させていただいた時も、すごく優しい印象でした。また作品に対する向き合い方が、「すごくかっこいいな!」と思いました。

――楽しみにしている視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。

ハルキは本当にどんどん、ことごとく状況が悪化していくので、そこには感情移入はできないと思いますが、「あぁ、かわいそうだなぁ……!」と、逆にそこが面白いと思ってもらえるように、うまくエンタメに昇華したいなと思っています。原作が持つパワーをそのまま引き継ぎながら、ひとつのエンターテインメントとして、ドラマとして、面白いと思ってもらえる作品にしたいと思っていますので、ぜひ楽しんで見ていただけたらと思います。