『24時間テレビ』立ち上げの草創期を“第1ステージ”、チャリティーマラソンや「サライ」が生まれた92年からを“第2ステージ”と捉え、コロナ禍を経た今回を“第3ステージ”と位置づける吉無田氏。
この3年でキャッシュレス募金が定着してきたが、5月からコロナが「5類」に移行し、様々なイベントが“4年ぶり復活”を掲げて、かつての日常を取り戻しつつある中、同番組の名物だった「対面募金」も、今年復活を遂げる。
かつては、日本武道館や両国・国技館のアリーナに募金を持参し、出演者らと握手するという形だったが、“第3ステージ”での新たな取り組みとして、「チャリティー広場」を設けることになった。
誰でも出入りができる「チャリティー広場」には、寄付金を預けることができる「募金ブース」、チャリTシャツやチャリティーグッズを販売する「チャリティーグッズブース」のほか、メインパーソナリティー・なにわ男子の等身大パネルや寄付金によって全国各地に贈呈される福祉車両が展示されるという。
メイン会場内へ自由に募金を持ち込める以前の形式では、外に長蛇の列ができていたが、近年は熱中症のリスクが高まっている。それを回避するため、2019年以前に戻すという選択はしなかったが、「夏休みの1つの思い出として、国技館に行きたいという方のニーズにも応えられるように、募金を持ってこられるようにします」と強調した。
■深夜のバラエティは疑似生形式の事前収録に
コロナ禍の経験で得たノウハウを生かすのは、深夜のバラエティ企画も同様だ。今年は『上田と女が吠える夜』の特別版『上田と女が朝まで吠える夜! 憧れのあの人から大嫌いなアイツまでつながっちゃうぞSP』(26日深夜2:20~5:00)を放送するが、生放送ではなく、事前収録の形となる。
「スタッフや出演者の皆さんの健康面のケアも、これから課題だと思うので、コロナ禍が生んだ1つの働き方改革になります。とはいえ、深夜に楽しんでいただくために、前日の金曜のお昼から、生放送のようにCMの時間も入れながら収録していくので、皆さんが楽しみにしている“生感”は出していきたいと思います」
■9月末まで見逃し配信を有効活用
TVerのリアルタイム配信は、26日(18:30~スペシャルドラマ終了まで)と、27日(17:23~20:54)というGP帯を含むパートで実施。放送後はその他の時間帯も含め、一部の企画を見逃し配信する。TVerでは9月末までの長期配信、Huluではスペシャルドラマの無料配信を実施するが、この施策にもチャリティー番組の根幹が表れている。
「『24時間テレビ』の募金は、生放送の2日間だけでやるものではなくて、9月末までの集計額を“今回の24時間テレビをやったことで、これだけ集まりました”ということで発表しているんです。そのためにも、見逃し配信は意味のあるツールだと思っていて、放送後も見て募金につながるような企画は、VTRの最後に募金の呼びかけも付けながら配信します」