• 蜂谷時紀ディレクター(左)と坂田佳子

相談してきた人に対して本気で寄り添い、心に刺さるメッセージを次々に発していく坂田だが、蜂谷Dが印象に残ったのは、“自分の言いたいことが言えないのは、勇気がないからや”という言葉。その影響を受け、「自分の気持ちが強くなって、会社でちょっと強めに言ってしまったりもしましたが(笑)、僕自身すごく勇気をもらいました」と語る。

また、少しでも何か配慮すると「遠慮すんな!」、口癖のように「あっごめんなさい」と言うと、「謝るな! “ありがとうございました”これでえぇねん」と、よく注意されたという。

取材の中で出会った仁美さん(56)からも、心に残る言葉を受け取った。「末期がん」と宣告され、一時は自ら命を絶つことも考えた彼女も、坂田の歌に救われた一人だが、「“やることノート”を作って、自分のやりたいことを書いて、どんどん実現してるんです。仁美さんは、佳子さんの影響を受けて『“やりたい”じゃない、“やるんだ!”』とよく言っていて、闘病しながらも佳子さんのライブに行きまくっています。すごく気持ちも強くなって、アクティブな方になったと思いました」と驚かされた。

このように、今回の取材で坂田から広がった先に、ドラマがある人と次々に出会ったことで、「やっぱり呼び寄せる力があるなあと思いました」と感心。その上で、「放送に乗せられない、ものすごく重い悩みもどんどん来るので、もし自分がそれを聞く立場だったら、かなりキツいなと思います。それでも佳子さんはちゃんと真摯(しんし)に向き合うんです」と、精神的なタフさも指摘した。

■坂田佳子が「サンサーラ」を歌う

改めて、今回の番組を通して、「佳子さんだけでなく、彼女に呼び寄せられたり、支えたりなど、いろんな立場の人が出てくるのですが、どの人からも“いかに今を楽しんで生きていくか”という前向きな気持ちをすごく受け取ったので、放送を見てもらえれば、きっと元気になれると思います」という蜂谷D。さらに、「後編では、公園からまた違う場所を見つけて、佳子さんが変わっていく姿も見られます」と予告する。

『ザ・ノンフィクション』ファンの坂田は、蜂谷Dに「私に(テーマ曲の)『サンサーラ』歌わせろ!」と事あるごとにアピールしていたそうだが、後編の冒頭シーンでは彼女独特の「サンサーラ」が味わえるので、必聴だ。

  • 蜂谷時紀ディレクター