コロナ禍以前は日本人の観光客がトップクラスに多かった、インドネシアのリゾート地・バリ島。アフターコロナで現地はどのように変わったのだろうか? コロナ禍以前にもバリ島を旅行した筆者が、今回2023年5月末に再訪してみたので、物価やレストラン、ホテル、観光事情など、現地の変化と最新情報をご紹介したい。

  • 日本人に人気のリゾート地・バリ島はアフターコロナでどうなった? 2023年夏の最新事情を紹介

【フライト・入国事情】気になる航空代金や行き方を解説!

まずはバリ島への空の便について。コロナ禍以前はエアアジアなどのLCC(ローコストキャリア)も日本発のバリ島便を飛ばしていたが、記事執筆時点で直行便はFSC(フルサービスキャリア)のガルーダインドネシア航空のみ。東京・成田空港からバリ島までの飛行時間は片道約7時間~7時間半で、価格は往復約10万円~(2023年8月のフライトを、スカイスキャナーで検索)。

今回私は直行便の運行スケジュールと旅程が合わず、シンガポール航空を使いシンガポール経由でバリ島へ向かった。往復ともに接続スケジュールが良く、安定したサービスを誇るので懐に余裕があればおすすめしたい。

よりリーズナブルに旅をしたければ、LCCを使うことで同じ8月でも往復4万円台~と手が届きやすくなる。トランジットとしてはハノイ、セブ、シンガポールあたりの人気観光地がヒットするので、経由地での滞在も楽しんでからバリ島入りするのもいいだろう。

ちなみにインドネシアの入国に際して2023年7月現在、新型コロナウイルス関連の規制は特にない。ただしアメリカのESTAと同じようなe-VOA(電子到着ビザ)の取得が、2022年11月以降求められている。事前にオンラインで取得・申請・決済(一人500,000ルピア)が可能なので、渡航予定の方はチェックしてほしい。

【物価・決済事情】マッサージ700円~など物価安&カード決済対応店が多い

続いてはバリ島の物価について。バリ島の通貨である1ルピアは約0.0093円(2023年7月11日時点)で、10,000ルピアで約93円となる。コロナ禍前の2019年が1ルピア約0.0077円台だったことを考えると、以前よりは物価が上がったと言えるだろう。

とはいえ街場のマッサージ店の看板を見れば、80,000ルピアとある。つまり約743円~マッサージが受けられるのだ。今回私が訪れたスミニャック地区のマッサージ店も、1時間のバリニーズマッサージが約1,300円だった。依然として日本よりかなり物価が安いし、昨年秋に筆者が訪れたタイのバンコクよりも物価高を感じることはなかった。

個人的にありがたかったのは、ホテルやレストランだけでなく、カフェなど街の小さなお店でもクレジットカード決済が可能だったこと。マッサージ店ではチップも含めてクレジットカード決済をすることができた。

2023年6月に行ったベトナム・ダナンはあまりクレジットカード決済に対応していなかったことを考えると、東南アジアの中でもキャッシュレス化が進んでいると感じる。ホテルをはじめ、各所にATMがあるので、現地でキャッシングしやすいのもありがたかった。

【飲食店事情】テレワークがはかどるオシャレなカフェ・レストランが増加中

  • 「COFFEE CARTEL」のラテは38,000ルピア~。有料オプションで好きな写真や絵柄、文字をラテアートにしてくれる

パンデミック以前よりバリ島は、デジタルノマドの聖地として人気だったが、いまはどうなっているのだろうか。今回滞在したスミニャック地区はバリ島の中でもオシャレエリアだったこともあるかもしれないが、徒歩圏内に電源・Wi-Fi完備のかわいいカフェがたくさんあった。

  • 「CAFE ORGANIC」の様子。カメラを向けるとポーズを取ってくれるなど、バリ人は気さくな人が多い

しかもどのカフェもWi-Fi速度が速い。午後になると、パソコンで作業をするノマドワーカーたちでにぎわっていた。そして印象的だったのが、どのお店もベジタリアン、ヴィーガンに対応していたこと。これは欧米人のニーズが高いことを受けてだろう。

  • 「CAFE ORGANIC」ではカラフルな「スムージーボウル」65,000ルピア~が人気

今回滞在したホテルの人に話を聞くと、アフターコロナの現在は特にオーストラリアの人たちが多く訪れているという。実はオーストラリアのパースからであれば、バリ島は4時間弱の飛行時間でたどり着く。オーストラリア人にとっては身近な東南アジアリゾートなのだ。

  • カニをインドネシアの辛味調味料・サンバルで和えキャビアを添えた「SANGSAKA」のアペタイザー

そんなオーストラリアからの移住者がバリ島のコワーキングスペースやカフェ、レストランなどのオーナーを務めるケースも多い。昨年スミニャック地区にオープンしたコンテンポラリーインドネシアンレストランの「SANGSAKA」もオーストラリア人シェフが腕を振るう店である。インドネシア料理が現代風にアレンジされており、どれもワインが進む味わいで、平日でも満席のにぎわいを見せていた。

  • 「The Shady Pig」のシグネチャーカクテルは130,000ルピア~

そのほか、1920年代のアメリカ禁酒法時代の闇酒場「スピークイージー」を再現した店舗も、バリ島に登場している。最近バリ島の中でも人気上昇中のエリア・チャングーに構える「The Shady Pig」もその一つ。

バーがあるとは全く思えない廃墟ビル。その前に立つ人に声をかけると、二階へと続く扉を開けてくれる。中に入ると外の静けさとは一転、爆音のDJミュージックと多くの人の熱気に包まれる。バーテンダーによる実験的な手法で作られた、オリジナルカクテルのレベルも高い。新たなバリ体験を提供する店が、続々と登場していた。