梅雨が明ければ、本格的な夏の暑さが到来します。日本気象協会によると、今年の8月は、特に厳しい暑さになるとのこと。そうなると、暑さをしのぐためにエアコンを使う機会が増えそうですね。

6月には電気料金の値上げもあり、エアコンを使うとどのくらい電気代がかかるのか心配な人も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、夏のエアコンの電気代について、1時間、1日、1カ月でいくらくらいかかるのかご紹介します。

  • 猛暑に必須のエアコン、電気代はいくら?

■エアコンの電気代の計算方法

日本気象協会によると、7月は「西日本で平年並みか高く、沖縄・奄美で平年より高いでしょう」、8月は「東日本や西日本、沖縄・奄美で平年より高く、厳しい暑さとなる見込みです」、そして9月は「平年並みか高い所が多く、残暑が厳しくなりそうです」との気温傾向が出ています(6月20日現在)。

7月、8月、9月ともに暑いとなると、今年は特にエアコンの使用頻度が高くなり、電気代が気になりますね。では、エアコンの電気代を知るには、どのように計算すればいいのでしょうか。エアコンの1時間あたりの電気代は、

1時間あたりの消費電力(kW)×使用時間(時間)×料金単価(円/kWh)

で求められます。エアコンの消費電力は、エアコン本体や取扱説明書に記載されているスペックを確認しましょう。また、1,000W=1kWですので、たとえば、説明書などに700Wと記載されている場合は、0.7kWに変換して計算します。

1kWあたりの料金単価は、契約している電力会社やプランによって異なりますので、検針票などを見てみましょう。全国家庭電気製品公正取引協議会では、全国平均の電気料金単価を31円/kWhと定めていますので(2023年5月現在)、この記事では、この単価を使用して計算していきます。

■エアコンの電気代を計算するときの注意点

なお、エアコンの電気代を計算する際には、注意点があります。それは、エアコンは、状態によって運転中の消費電力が大きく変わるということです。エアコンは、設定温度と外気温の差が大きいほど、設定温度に達するまでの時間が長くなり多くの電力を消費します。そして、設定温度に達した後は、その温度を維持すればいいだけですので、さほど多くの電力を消費しなくなるのです。

たとえば、外気温が35度で、設定温度を27度と24度にする場合では、24度にするほうが設定温度に達するまでに長い時間を要することになり、電気代も高くつきます。つまり、計算式に当てはめるだけでは、正確な電気代を導き出すことは難しいのです。そこで、この計算式で求めた電気代はあくまで「目安」として捉えつつ、電気代の節約に役立てていきましょう。

■エアコンを1時間、1日、1カ月使ったときの電気代はいくら?

では、先ほどの計算式を使い、エアコンの電気代がどのくらいかかっているのか実際に計算してみましょう。ここでは、ダイキンの「うるさらX Rシリーズ AN283ARS-W(10畳程度用)」をモデル機種として、1時間、1日、1カ月使用した場合の電気代を求めてみます

なお、このモデル機種の冷房時の消費電力は、550W(100~1,000W)です。先ほどもあったように、エアコンの消費電力は運転中に変化しますので、平均の550Wを用いることとします。

  • エアコンを1時間、1日、1カ月使ったときの電気代比較

<1時間の電気代>

まず、1時間あたりの電気代を計算してみましょう。消費電力の550WはkWに変換しますので、0.55kWで計算式に当てはめてみます。

0.55kW×1時間×31円/kWh=17.05円

1時間あたりの電気代は17.05円となりました。

<1日の電気代>

1時間あたりの電気代は17.05円でしたので、この数字を使って1日の電気代も求めていきます。ほとんど1日中家にいる人と、日中は仕事で家を空けている人とでは、1日のうちでエアコンを使う時間に差がありますので、ここでは、1日8時間、12時間、24時間使った場合の電気代をご紹介します。

1日8時間使った場合の電気代は、17.05円×8時間=136.4円です。1日12時間では、17.05円×12時間=204.6円、1日24時間付けっぱなしにした場合では、17.05円×24時間=409.2円となります。

<1カ月の電気代>

では、1カ月の電気代となるといくらくらいになるのでしょうか。1カ月(30日)、毎日エアコンを使い、1日の使用時間が8時間、12時間、24時間の場合のそれぞれの電気代を計算してみます。

先ほど算出した数字を用いると、1日8時間使用した場合の1カ月の電気代は、136.4円×30日=4,092円です。1日12時間使用した場合は、204.6円×30日=6,138円、1日24時間付けっぱなしの場合は、409.2円×30日=1万2,276円となります。

繰り返しになりますが、エアコンの消費電力は、外気温と設定温度の差などによって変化します。さらに、実際の電気代は、居住地域やエアコンの機種、エアコンの使い方などによっても異なりますので、その点をご留意ください。

■できる工夫を重ねて節電しよう

厳しい暑さが予想されている、今年の夏。すでに真夏のような暑さを感じる日もあり、熱中症対策としてエアコンは欠かせなくなりそうです。体調を優先しながらも、エアコンと扇風機・サーキュレーターを併用する、自動設定にして無駄な電力を使わないなど、できる範囲で節電に取り組んでいきましょう。