女優の深田恭子が7月11日よりスタートするTBS系火曜ドラマ『18/40~ふたりなら夢も恋も~』(毎週火曜22:00~)で福原遥とともにW主演を務める。これまでに同枠のドラマ『ダメな私に恋してください』(16)や『初めて恋をした日に読む話』(19)でも主演を張り、様々な恋模様を演じてきた深田。年の差を超えたシスターフッド(=女性の絆)をテーマにした本作で、新たな魅力を発揮する深田に、本作の撮影秘話とともに、これまでのキャリアについても語ってもらった。
タイトルの“18/40”は主人公2人の年齢を指す。福原が演じる仲川有栖は、美術館の学芸員となるという夢に向かって歩き始めた18歳の妊婦。深田が演じる成瀬瞳子は、恋を後回しにしてきたアラフォーのビジネスパーソンで、アートとビジネスを繋ぐ仕事をしているアートスペシャリストだ。そんな2人の世代を超えた絆を軸に、それぞれが織りなす訳あり男子とのラブストーリーも描かれる。
初共演となった福原の印象について聞くと、深田は「とにかく可愛らしいです。疲れているだろうにずっとニコニコしていて、それが微笑ましくて、いつも元気をもらっています。撮影の合間もずっとおしゃべりしていたりするので、楽しい時間ですね」と微笑む。
脚本を読んだ際には、非常に心を揺さぶられたという。「世代によって悩みはあると思うので、このお話は様々な人たちの胸に刺さるんじゃないかなと思いました」
18歳当時の自分を振り返ってもらうと「高校に行きながらお仕事をしていたので、ほぼ記憶にないのですが、毎日が目まぐるしく過ぎていました。でも、お仕事に関しては恐怖心がなかったというか、怖いものはなかった気がします」としみじみ語る。
「それは、あの頃だからできたことだったんだなとも思います。今はスタッフの方が同じぐらいの年齢だったり、私の方が年上だったりすることもありますが、若い頃は大人に囲まれてお仕事をしているという感じでした。でも、そういうふうに世代が近い方と仕事をするということで、違った意味で現場が楽しいです」
劇中で有栖や瞳子は人生においてターニングポイントを迎えていくが、深田にとっての転機とは? 「私は常に新しい作品に挑む時が、ターニングポイントだなと思ってきました。自分の考え方が変わったり、新しい世界を知ったりと、作品によっては今まで全く知らなかったことを知ることができるので」
等身大のキャラクターである瞳子役を演じてみての感想を聞くと「40歳ってこんなにしっかりしてなきゃいけないんだと、ちょっと自分をちゃんと悔い改めなきゃいけないと思いました」と苦笑い。「私は自分と犬のことで精一杯なので、瞳子のように責任を持って誰かに『一緒に住みなさい』とかってなかなか言えないなと思いました」と話した。
もしも有栖のような18歳の少女が目の前に現れたとしたら、どういう行動を取るのだろうか? 「私はけっこう甘やかしちゃうと思います。『こうしなきゃダメよ』と言うよりも、わりと本人の意見を尊重しちゃうかもしれないです」と予想した。
本作で瞳子と運命的な出会いを果たす美術品輸送専門ドライバーの加瀬息吹役を、大河ドラマ『麒麟がくる』(20)やドラマ『神様のカルテ』(21)の上杉柊平が演じる。上杉については「すごく気さくな方で、お話をしていて楽しい方です」と好印象だ。
一方、有栖の恋の相手は、ドラマ『六本木クラス』(22)や『silent』(22)の鈴鹿央士が演じるボロアパートに住む大学生・黒澤祐馬となりそうだが、深田は若き2人の恋について「ああいう始まり方の恋もあるのかなと」と笑顔で語る。
実は、有栖や瞳子と関わるこの男性2人は、訳あり男子らしく、今後の展開にも期待が高まりそうだが、アラフォーである深田自身は、瞳子とは加瀬の恋をどう見て居るのか?
「同世代の友人と話していると、この歳で恋をしたい気持ちとか、ドキドキするのってもう疲れるよねと。なんか穏やかにいきなり(恋人に)なれたらいいよねという話ばっかりになります。だから加瀬さんとの恋は、きっと瞳子の中ではもう爆発しそうだと思います。その辺りは、40歳の夢が詰まっています」
最後に、歳の離れた女性同士の絆、シスターフッドを描く本作ということで、最近絆を感じた出来事についても聞いてみた。
「私はよく家族と会うんです。家に泊まりに行ったり、甥っ子の面倒を見たりしますが、家族と過ごす時間が自分にとってとても大切だし必要な時間なので、やっぱり家族っていいなと思います。父と母には長生きしてほしいですね」
終始、穏やかな表情でインタビューに答えてくれた深田。新鮮なシスターフッドを描く本作で、深田が等身大のアラフォー女性をどんなふうに演じていくのか、楽しみでならない。
1982年11月2日生まれ、東京都出身。1996年、「第21回 ホリプロタレントスカウトキャラバン」でグランプリを受賞。1997年、ドラマ『海峡』で女優デビューし、1998年にドラマ『神様、もう少しだけ』で脚光を浴びる。2004年、映画『下妻物語』で第59回毎日映画コンクール主演女優賞を最年少で受賞したほか複数の賞を受賞。2009年、大河ドラマ『天地人』初出演し、2012年、大河ドラマ『平清盛』ではヒロインを務める。2015年8月、『100万回生きたねこ』で舞台に初挑戦。ドラマの近作は、『初めて恋をした日に読む話』(19)、映画化もされた『ルパンの娘』(19、20)など。
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