――隊長としての立場を明確にしていながらも、極力堅苦しいところを示そうとしないゲントの態度は独特のものがあり、チーム内の気さくな空気がリアルさを生んでいるようです。
リアリティを求めている作品なのは間違いないですね。第2話でゲントはSKaRDのみんなに「お互い呼び合うときは下の名前かあだ名で。そうじゃないと俺、反応しないから」って言ってるんですけれど、僕もゲントと同じく、現場のスタッフさんたちとは下の名前かあだ名で呼びあうようにしています。常にゲント目線でいようというのは、こういうことからですね。台本と、ゲントのキャラクターにはずっと助けられました。
――SKaRDのユニフォームも見栄えより実用本位という感じで、リアリティに裏打ちされたカッコよさを感じますね。
僕は違和感なく、この衣装をすんなり着ました。「地球防衛軍ですけど、何か?」みたいな感じ(笑)。でも、この格好で飲食店に入ると、やっぱり浮いちゃうかもしれませんね。むしろ、ホルダーや肘当て、無線のインカムとかを着けたフル装備なら、このままラーメン屋さんとか入れちゃうんじゃないかと思います(笑)。
――あまりのカッコよさに、他のお客さんが見とれてしまいます! ゲント隊長が率いるSKaRDのみなさんの印象はいかがですか。
第2話でチームが結成されるんですけど、各分野のプロフェッショナルで、それぞれのポジションを熟知している。演じる役と同じく、みんなけっこうな経歴を持っていて、かなりすごい人たちが集まってるんです。
――怪獣を目的地へ誘導し、しかるべき攻撃を加え、撃退していく……という怪獣の特性に応じた作戦行動がとてもリアルで、第1話などは実際に巨大怪獣を迎え撃つ特殊部隊のドキュメンタリー映像を観ているかのような臨場感がありました。怪獣映画の醍醐味というべき戦闘シーンについての感想を聞かせてください。
作品の舞台は、日常的に怪獣が出現する世界です。僕自身、怪獣はどうして出てくるのか、なんのために出るのか、ずっと疑問に思っていたところがあります。ただ、町を破壊したいから出てくるわけではないだろうと……。『ウルトラマンブレーザー』では、そういった怪獣の出現理由、行動の意味などをしっかりと分析し、解明するところに力を置いているんです。僕たち人間側も、怪獣を発見してやっつけるだけでなく、この怪獣は本当に倒していいのかどうか、真剣に考える……みたいなことが今後出てくるかもしれません。そういう意味では、怪獣との共演も常に真剣に、俳優に対するのと同じ感覚でやっていこうと思っていました。
――変身アイテムの「ブレーザーブレス」を着け、ウルトラマンブレーザーに変身するシーンを初めて撮影したときのお気持ちはいかがでしたか。
以前、経験があったので「変身」することに違和感は持ちませんでした(笑)けど、徹底的にリアルな「人間対怪獣」のバトルを行った末、ゲントの腕にあの変身ブレスがついたときはちょっと異質というか、驚きがありました。
――変身の直前まで、極めてリアルかつ緻密に対怪獣戦を行ってきただけに、ウルトラマンブレーザー登場と共に「メイン」が人間からウルトラマンに切り替わるところに少しとまどいを感じられたということでしょうか。
それは確かにありました。ブレーザーブレス自体はすごくカッコいい見た目ですけど、ドラマの中に入り込んでいる自分=ゲントからすれば、なんでこれが急に出てきたんだ!?と戸惑うのが自然でしょう。僕と一緒に戦ってくれた「特機団」のみんなが雰囲気づくりをしてくれたため、そういう感覚になったのかもしれません。徹底的にリアリティのある部分と、そこから「飛躍」する部分の両方が、この作品の魅力として映っていればいいなと思っています。
――改めて「ウルトラマンの存在意義」について考えたりすることはありますか。
最初にお話したように、ウルトラマンは「神秘」であってほしいというのが僕の思いです。だから、ウルトラマンはこういう存在だと、作品の中で無理に決めてしまわなくてもいいのではないか、と考えています。ウルトラマンって何なんだ? 人間との距離感が近くなるときがあれば、離れていくときもある……。神秘の存在であるがゆえに、はっきりした答えは出せない。撮影はすでに終わっているのですが、そういう意味では今でもふわっと、僕の体の中にゲントという存在が残っている感覚があります。
――いよいよ放送開始となる『ウルトラマンブレーザー』の見どころと、本作にかける蕨野さんの意気込みを聞かせてください。
僕たちの目指していた「新しいウルトラマン」がどういったものなのか。最初は手探りの状態で始まりましたが、ついに完成し、そのベールを脱ぐときがやってきました。僕たちの思いとしては、これから先、何十年経っても『ウルトラマンブレーザー』って面白かったよね、って話題に上るような、みなさんの記憶に残る作品にしようと頑張ってきました。ウルトラマンシリーズはいくつもの過去作があり、どれもすばらしい作品としてファンのみなさんからリスペクトされていたので、『ウルトラマンブレーザー』もいつか、そういった作品のひとつになれたらいいなと願っています。みなさん、どうぞご期待ください!


