演じていて憧れを抱く場面もあるという。

「万太郎さんも高藤さんもまっすぐに思いを言葉にするという共通点があると思っていて、それはすごく素敵だなと、憧れました」

そして、万太郎と寿恵子はお互いに運命の人だと感じている。

「2人で話しているときお互いすごく楽しくて、ほかの人との関係性とは違う表情になっていて、2人だけの関係性があるなと。お互いだけの気持ちのやりとりがあるというのは憧れます。尊重し合っていて、高藤さんは入る隙がなかったという説を私は推しています(笑)」

万太郎とのシーンでお気に入りは、「演奏会のときに2人で抜き出すシーン」とのこと。

「連れてきてもらった相手方の顔を立てて、こそこそ抜け出してお話しするというシーンでしたが、ステンドガラスから漏れる光がすごくきれいで、英語の歌詞を万太郎さんから教えてもらうシチュエーションが絵のようで。『愛する者なくして、誰がたった一人生きられようか』というセリフも印象的でした。あとは、普段のにこにこしている万太郎さんとは違うまっすぐな表情も印象的で、寿恵子はここでがっしりと心をつかまれたのではないかなと思っています」

撮影について神木と事前に打ち合わせすることはないそうで、このシーンも直前まで違う話をしていたそうだ。

「いつも雰囲気づくりをするという感じは全くないので、寸前まで作品と関係のない普通の話をして笑っていて、スタートすると『らんまん』の世界に。いつもぐるんぐるん振り回されていて楽しいです(笑)」

19日放送の第56回では、万太郎が寿恵子に思いを伝え、ようやく気持ちが通じ合うという。今後、2人はどんな人生を送るのか、そして、寿恵子の成長にも注目だ。

「17歳のときは少女らしさを重視していたので、ふわふわしている感じがありましたが、結婚してその後の展開がある中で、家庭を支えないといけない。万太郎さんがすぐ植物採集に行ってしまったりするので、お金のやりくりも自分がしないといけないという中で、少女のままではいられないという、強さが出始めるのではないかなと思います」

■浜辺美波
2000年8月29日生まれ、石川県出身。2011年に第7回「東宝シンデレラ」オーディションでニュージェネレーション賞を受賞し、同年公開の映画『アリと恋文』主演で女優デビュー。2017年に映画『君の膵臓をたべたい』で第41回日本アカデミー賞 新人俳優賞などを受賞。2020年には映画『思い、思われ、ふり、ふられ』、ドラマ『アリバイ崩し承ります』(テレビ朝日)で第45回エランドール賞 新人賞を受賞。近年はドラマ『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』(21/日本テレビ)、『ドクターホワイト』(22/カンテレ・フジテレビ)、映画『約束のネバーランド』(20)、『シン・仮面ライダー』(23)などに出演。

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