前オーナーからクルマを譲り受け、自分流のアートへリニューアルし、まだまだ納得の出来とはいかないようだが、極彩色のペイント&アンドンと、きらびやかな鏡面パーツで飾り上げ、10尺箱車ならではの華やかさを誇示する。
今回の目玉はなんといっても美しい箱ペイント。地元の開創工芸が3か月の製作期間をかけた花魁画はオール筆描きの作品。オーナーが持ち込んだ複数のモチーフを巧みに組み合わせ、見事なオリジナル作品に仕上げている。
細部を見ると運転席側の女性の着物には薩摩藩島津家の家紋が入り、助手席側には桜島が描かれるなど、さりげなく郷土愛をアピールし作品をより味わい深いものにしている。
一方のキャブ回りはトップに据えたバイザー&ミラーステーを角パイプで構成するとともに菱チップでデザインを統一して個性あふれるモダンルックを披露。一方のボトムラインは、張り出し量の大きな可動式ラッセル戻しバンパーと分厚いサイドバンパーで重量感も満点で、均整のとれたプロポーションを実現している。今後はウロコステンレス張りのリア観音扉に手を加えてペイントを入れる予定だ。
カミオン2014年8月号をもとに再構成