今回は、「規準」と「基準」の意味の違いを解説します。また、「評価規準」と「評価基準」の違いや例もわかりやすく紹介しているので、意味の違いや使い分け方法がわからない方は最後までチェックしてください。
「規準」と「基準」の違いとは
「規準」と「基準」の違いをわかりやすく簡単に説明すると、以下の通りです。
- 規準:規範となる標準のこと。模範や手本にするよう求められる標準。
- 基準:比較をするための標準のこと。最低限満たされるべき標準。
「規準」の意味
規準とは「従わなければならない規則」や「参考にするべき規範」など「手本」の意味で使用されます。
「規」は規範や規定など、物事を判断するときに守らなければいけない、ルールを意味する熟語に用いられます。
- 会社の規則のなかに、服装についての厳しい規準がある
「基準」の意味
基準の「基」は物事の土台や根拠を意味し、比較をするときに用いられます。つまり基準とは、標準や目安の意味です。
- 出社の際の服装は、「オフィスカジュアル」を基準としてください
「評価規準」と「評価基準」の違いは? 例を紹介
教育業界では「評価規準」は「ノリジュン」と呼ばれ質的評価、「評価基準」は「モトジュン」と呼ばれ量的評価とされ、使い分けられています。
最終的に目指すべき範囲を「評価規準」、その「評価規準」へ到達するために細分化した目安となる項目を「評価基準」とするのです。
体育の授業を例に挙げて考えます。
「バスケットボールのゲームをできるようになる」を評価規準とした場合、「ドリブルを連続で10回以上できる」「10回のシュートのうち2回決められる」「バスケルールの小テストで80点以上取れる」など、習得度をチェックするために細分化したものが「評価基準」です。
「規準」と「基準」の使い方と例文
ここでは、「規準」と「基準」の使い方を例文で紹介します。
「規準」の使い方と例文
「規準」は思考や判断、行動などの模範とするもので、比べる対象はない場合がほとんどです。
- 社則の規準に則って行動してください
- その言動は、道徳の規準を外れている
- 製造販売にあたって、社内独自の安全規準を熟読しておくように
「基準」の使い方と例文
「基準」は、標準や目安の意味で使用されます。
- お客様対応の判断基準を上司に聞くべきである
- テストの合格基準をあらためて確認してみる
- スタメンの選抜基準を考えよう
- 好き嫌いを基準に部下を評価してはならない
「規準」と「基準」の類義語
ここでは、「規準」と「基準」の類義語を紹介します。
「規準」の類義語
①正規
正規の意味は「正式に決められていること」です。
正規職員や正規ルート、正規品、正規の資格など、正式に定められている決まりに基づいていることを意味します。
②規範
規範とは「手本」のことです。物事を行うときに基準とするものを意味します。
③規定
規定とは「ある物事の決まりを定める」という意味です。その定めた決まりの内容のことを指す場合もあり、法令の条文、社内のルールを「規定」と呼ぶ場合もあります。
④規格
規格とは、工業製品や材料、紙の大きさなど、物質に対して定めた基準のことです。規格を定めることで、製造したものを汎用できます。
「基準」の類義語
①尺度
尺度とは、ものの長さを測るために定められた単位のことです。その単位で目盛られた物差しのことを指すこともあります。
また、物事を評価する基準の意味としても使われており、この意味で用いられることが多いでしょう。
②水準
水準とは、物事の標準を意味し、「レベル」と言い換えることもできます。もとは、水を使用して土地の水平を測るための道具でした。数量や、物事の価値などの一定の標準を意味します。
③準拠
準拠とは、既に決められた基準や規格などに従うことです。
例えば「教科書に準拠した参考書」と書かれた参考書は、教科書に対応していることを意味しています。「法律に準拠します」を「法律に従います」と「準拠」を「従う」と言い換えもできるでしょう。
④基点
基点とは、時間や距離などを物理的に測るときの、もとになる場所を意味します。また、思想や行動などの目盛りで測れないものの、もととなる点もこの「基点」です。
始まりの点を表す「起点」とも似ていますが、「基点」は基準となる点を意味するので混合しないように注意しましょう。
「規準」と「基準」の違いを理解して正しく使おう
「規準」と「基準」の違いは、他の漢字と比べても、違いの理解が難しい漢字の一つです。違いを理解して、正しく使い分けましょう。