「天気が悪いから出かけない」なんてつまらない!





日本の6月は雨の日が多くなる梅雨の時期。雨で濡れたウインドウは視界を悪くするし、路面だって滑りやすくなる。しかし、雨は雨ならではの美しい景色を演出してくれる。安全運転さえしっかり心がけていれば、この時期だけしか味わえないワンダフルドライブを体感することができる。「天気が悪いから出かけない」のではなく、あえて「天気が悪いから出かける!」愛車さえあればそれができるのだ。





構成・文/フォッケウルフ 撮影/茂呂幸正



(掲載されている内容はグー本誌 2023年6月発売号掲載の内容です)





素晴らしい雨の情景を五感で楽しみたい
 1952年、人類史上最も高名な映画のひとつが公開された。雨が降りしきるなか、スーツ姿の紳士が傘を閉じてタップダンスに興じる姿を、多くの映画ファンが心にとどめているに違いない。この作品『雨に唄えば』では、俳優ジーン・ケリーが雨を全身に浴びながら、アメリカのポピュラーソングを歌いあげる。雨が、幸福感であふれたシーンを美しく演出してくれているのだ。
 たしかに雨が降ればいろいろと不都合なことも起きる。衣服は濡れるし、太陽の光は遮られてあたりは暗くなる。さらに、気圧の変化からストレスを感じる人だっているだろう。しかし、前述の映画のワンシーンのように美しい雨だってある。
 日本には四季があって素晴らしいといわれるが、この梅雨の時期は、雨が雨ならではの美しさで、五感で季節を味わうことの素晴らしさを教えてくれる。雨の音を聴き、濡れた景色の美しさを堪能したい。
 だから雨の日は家に引きこもるのではなく、愛車に乗って、雨でも行ける場所や、雨だからこそ楽しめる場所へ出かけてみようではないか。






雨だって手ぶらで気軽に楽しめる
目的別ドライブのススメ


雨対策を施したうえで、雨でも楽しめる場所へ出かけよう。それも、ただなんとなく出かけるだけじゃなく、目的意識を持って訪れるなら、ドライブはさらに充実すること間違いなし! 手軽に楽しめる目的別ドライブを計画してみよう!




雨の日は……できるだけ荷物を少なくして出かけよう!




濡らしたくないなら荷物も心も軽くして!
 多くの人が、雨の日は荷物をたくさん持って出かけたくないと思っている。その理由は、荷物が濡れてしまうかもしれないからだ。それなら、雨の日はできるだけ荷物を極力減らして出かけよう。たとえばウェストポーチひとつだけで出かけるのはどうか。そして目的地も、少ない荷物で出かけて不便がない場所を選ぶというのはいかがだろうか。荷物だけでなく心も軽くして出かけたい!




傘はどこに置く?

 濡れた傘を車内のどこに置くべきか。たとえばロールスロイスにはドアの断面に傘の収納穴があるが、これは非常に稀な例。どうしても車内に置くことになるが、運転席に乗り込んでから助手席の足もとなど他の席に傘を置こうとすると、センターコンソールなどを濡らしてしまいがち。さらに、運転席の足もとに置いておくとなると運転操作の邪魔になり、安全性を脅かすので避けたいところだ。結局、4ドア車であれば運転席を開ける前に後席ドアを開け、後席の足もとスペースへ置くのがベストである。




フロアマットは濡れてもすぐ乾くし多少汚れても気にならないが、シートを濡らすとシミになってしまうことも。
駐車場はどこに停める?

 出かけ先でクルマを降りてから店内に入るまで、できることなら濡れたくないというのは誰もが願うところ。もし訪れた先に立体駐車場があるようなら積極的に利用したい。立体駐車場の屋上以外のフロアであれば、たいてい店内まで屋根が続いていて、濡れずに入店できる。逆に、ドアパンチなどを考慮してできるだけ空いている場所へ停めたいという人なら、屋上を選ぶのもいいだろう。多少濡れることを我慢すれば、他車がほぼいない空間に堂々と停めることができる。




もしウインドウを少しだけ開けておくような必要があるなら、確実に屋根のある場所を選ぶこと。
大きな買い物をしてしまったら?

 出かけ先からやむを得なく大きな荷物を持って帰ることになったときのことを考えると、なるべく荷物を濡らさないため、建物のエレベーターやエスカレーターに近い場所に愛車を停めるのがベストだ。もちろん、そこを過去に何度か訪れていて、駐車場全体の配置を知っていればいいが、知らないときもある。そういった場合は、駐車場内に入ったらなるべくゆっくり走り、広い視野で流れ(一方通行など)や位置をよく考え、できるだけ近くの停車場所を探したい。




荷物をラゲッジに入れることを想定して、ハッチが開けられるような状態で停めることもお忘れなきよう。


目的別ドライブ01 「雨が降っていても身体を動かす」




ちょっとした荷物なら気軽に持っていける
 雨が続くと気分が落ち込むことがある。気圧の変化によって自律神経が乱れ、人によっては憂鬱になったり、イライラする人だっている。
 そこで、雨ドライブの目的のひとつとして、まずは「身体を動かす」ことを挙げたい。多少でも身体を動かすことは、筋肉をほぐして血流をよくし、神経の乱れも整えられるなど、いいことだらけ。
 屋根のある場所で楽しめるスポーツということになると、バッティングセンターやゴルフ練習場、ボーリングなどが主流だったが、最近では、ボルダリングやアスレチック、インドアゴルフ(シミュレーションゴルフ)などの施設も増えつつある。もちろんトレーニングジムで筋トレするのもいいだろう。
 ただし、身体を動かせば汗をかく。着替えやタオルなどちょっとした荷物が必要となるが、これもクルマであれば問題なし。車内に必要最低限の荷物だけを載せて気軽に出かけられる。
 そもそも運転そのものが、頭や目、そして手足の運動である。まずは駐車場の有無を確認して、思い思いのスポーツに挑戦してみよう!







それ専用のシューズを置く場所があると便利
スポーツによってはその種目専用のシューズが必要になる場合も。助手席のシート下にシューズ入れがあったり、汚れにくい撥水加工が施された荷室を備えたクルマもある。カー用品で用意してもいいだろう。





身軽にして出かければ帰りの疲労も軽減できる
やはり雨の日は荷物が少ないほうが好ましい。目的がスポーツに限定されるのであれば、最小限必要なものだけを持って身軽にして出かけたい。そのほうが身体を動かして疲労した後にも面倒くさくなくて済む。





屋内でも楽しめるスポーツはたくさんある
シミュレーションゴルフなど、屋内でプレイできるスポーツは増えている。心が憂鬱になると食事が減るという人もいるだろうが、身体を動かして腹が減れば、食事だって美味しく食べられるというものだ。




目的別ドライブ02 「雨だからこそ感性を磨く」




刺激を感じた後に車内で過ごす至福のとき
 映画を観た後、映画館を出た瞬間の光景というのは印象深いものがある。音や光がシャットアウトされた閉鎖空間から、一気に現実に戻されることになるが、そこが雨の降る風景というのは、より趣が感じられていいのではないだろうか。
 梅雨時期、雨が長く続いてジメジメした環境に晒され続けると、仕事への意欲が低下したり、メンタル面の不調が生じてきがち。そんなときこそ、美術館や博物館、コンサート会場や映画館まで足を延ばして、「感性を刺激する」目的のドライブはいかがだろうか。
 芸術作品を見て感慨にふけったり、音楽や映画のような外的要因から刺激を得ることで、人の感性は磨かれる。気分をポジティブにするアクセントとしても最適である。
 観たそのときはその作品の意味を理解できなくても、後からああだこうだと考えるのも、芸術や音楽の楽しみ方のひとつ。クルマという究極の個室空間があれば、帰途も充実した時間が過ごせるというものだ。もちろん、車内で(運転操作に影響ない程度に)シャウトしたっていいのである。







愛車を見つめ直して改めて惚れ直す
普段接していない場所や物を見たり聞いたりすることは、気分を一新してくれる。その結果、見識が広がって、改めて愛車のデザインを見直してみることで、新たな発見を得たりすることもあるだろう。





ライブ帰りに聴くカーオーディオは格別
音楽は気持ちをポジティブにするためのアクセントとなる。コンサートやライブ会場へ足を運んだ帰りには、雨で落ち込んでいた心も高まっているに違いない。好きな曲をカーオーディオで聴きまくりたい。





芸術への思いを噛み締める帰りの車中
芸術というものは、最初は理解できなくても、あとで時間をかけて理解できることもある。帰宅中の車内でさまざまな思いに身を投じたい。さらに同乗者がいれば、コミュニケーションも盛り上がるに違いない。




目的別ドライブ03 「雨の日にはストレスを解消する」




保養地はクルマで行くのにちょうどいい
 人は太陽の光を浴びられないことでストレスを感じてしまったり、心を落ち着かせられなくなるという。ときにはそれが心や身体の不調につながったり、あるいは睡眠不足に陥る人だっている。
 長い雨の期間を過ごして、身体に疲労感が溜まってしまった人には「ストレスを解消する」目的のドライブがおすすめだ。なかにはクルマの運転自体がストレス解消だという人もいるだろうが、そうでない人なら、身体を癒やす場所を雨ドライブの目的地としてみてほしい。
 特におすすめしたいのは、日本が誇る文化でもある温泉だ。湯の香りや肌触り、湯船の広さや質感といった温泉ならではの魅力が感じられ、効能や泉質が心と身体を癒やしてくれる。さらに宿泊込みで行くのであれば、料理や宿なども含めて旅として楽しめる。
 シャワーを浴びた後に公共交通機関で家へ帰るのは気が進まないが、愛車なら問題なし。メイクを落とした女性だって、クルマにささっと乗り込んで帰れるならそれに越したことはない。温泉はクルマと相性のいいパラダイスなのだ。







快適な温度をキープしフレッシュな車内を保つ
温泉やサウナなどで汗を流した後は、オートエアコンで適度な温度を設定して帰りたい。マイナスイオンやアロマなどの放出機能を備えたエアコンを標準搭載するクルマなら、家に着くまで癒やされ続けられる。





温めて一気に冷やす“ととのう”スポット
温泉は定番のリラックススポットだが、近年、それに対抗するように全国各地に増えているのがサウナのみの施設。たっぷり汗をかくことで代謝をよくし、その後一気に身体を冷やすことで陶酔感を獲得できる。





行き帰りの足としてやはりクルマを使いたい
岩盤浴はサウナ同様、汗をかいてリラックスやデトックス効果を得られる健康法。温泉施設やサウナとともに設置されていることも多い。やはり汗をかくため、行き帰りは愛車で通えるのが理想である。




人気のショッピングモールなど
混雑スポットも雨の日なら行きやすい?


近年、郊外型ショッピングモールや海外型スーパーなどはブームと言っていいほどの大人気で、いつも駐車場が大混雑している。誰もが行きたくなる魅力的な施設とはいえ、なんとか空いている日はないものだろうか?





なるべく雨の日をねらって賢く楽しく利用したい
 ここは某ショッピングモールの屋上駐車場。昨今、郊外型のショッピングモールや大型商業施設が続々と建設されている。普段は混雑していて駐車場に入ることすら困難な場所も、この写真を見ると、周辺には一台もクルマが見当たらない!
 大都市から少し足を延ばせば、日帰りで訪れることができる同様の施設。大きな道路沿いで巨大な駐車場もあって立ち寄りやすいし、老若男女さまざまな層が楽しめる店や施設も充実している。家族連れやカップルなど多くの人に支持され、休日ともなれば大混雑……のはずなのに、これだけ駐車場が空いているのはなぜか。答えは、雨だからだ。
 やはりみんな考えることは一緒。できれば濡れたくないし、雨の日はクルマの運転も躊躇する。しかし、クルマを運転するのが好きなグーの読者諸兄なら問題なし。普段は混雑していて行きにくい場所へ、雨の日こそ行ってみようではないか。
 たいていの施設には濡れない立体駐車場があるし、空いている屋上や平面駐車場に停めて多少濡れたとしても、建物内に入ってしまえば天気は関係なく、そこにはいつもと同じ魅力が待っている。家族からも喜ばれるに違いない。






行きたくなる理由01

巨大な駐車場があって
停められないなんてことがない



 近年の大型ショッピングモールは、広大な敷地を確保するため、郊外に店舗を構えていることが多い。そのため自家用車での来店を意識しており、より多くのクルマを収容できる巨大な駐車場を備えている。だいたい関東近県の大型モールで1500台前後、最大級の施設なら約9500台! 多少の駐車場渋滞ならすぐに入れそうな気がしてくる。当然、施設の利用で割引サービスがつき、駐車代が無料というところだってある。




行きたくなる理由02

家族全員が満足できる
ショップや施設が充実している



 現在の全国のショッピングモールにおける店舗数ランキングを見てみると、最大で約710店舗ものショップやテナントが入っている施設が存在する。もはやすべての店舗を1日で回るのは不可能で、行きたい施設だけに目星をつけていかないと疲労困憊してしまう。しかし店舗が多ければ多いほど、多くの人の要望に応えられるということ。飲食、ファッション、趣味など、ありとあらゆる嗜好に応えてくれるのだから魅力的なわけだ。




行きたくなる理由03

予約など事前の準備をせずとも
日帰りで気軽に楽しめる



 計画立てて行く旅行と違ってフラッと立ち寄れるのはやっぱり魅力的だ。もちろん大型ショッピングモール自体を目的地にすることもあるだろうし、他の目的地へ向かう道中、思いつきで立ち寄るというのもあり。案内も見やすく工夫されているし、なにせありとあらゆるものが揃っているので必要なものがほとんど手に入る。施設によっては駐車場が無料というところもあるし、大通り沿いに面していることも多いので入りやすい。






なにがどう変わる!? 晴れと雨の日のショッピングを比べてみました!

駐車場

SUN
晴れた日は駐車場のあらゆる場所が混雑しがちだが、特に混むのは施設の入口付近。自車を駐車場のどこに停めたか忘れないように注意。





RAIN
屋根のない平置き駐車場や屋上は空きがち。ときには施設側が進入禁止にすることも。屋根があっても薄暗い場所では運転に配慮したい。


店内

SUN
駐車場が埋まるような休日の店内は人々でごった返している。人の波にさらわれて気分が悪くなったり、家族連れなら迷子には注意してほしい。





RAIN
天気がいい日と比べて空いていることが多いので、普段より自由かつスピード感を持って施設を楽しめる。若干、店内が湿気っぽくはなる。


ルート

SUN
大型施設までの道中、早めに行かないと主要ルートは混雑しがち。駐車場の台数が多くても、入場に多少時間がかかってしまうこともある。





RAIN
雨が降ると急遽クルマを使う人が増えて主要道路がいつも以上に混むことも。裏道を知っておくと便利だが、飛び出しには注意を払いたい。




いつも窓から見ている風景も、雨天の場合、そのイメージは一転する。都会であっても、自然あふれる場所でも、雨で彩られた景色は美しい。そう感じながらドライブするのも素敵だろう。


雨だから、行ってみたいなあの名所



全国雨映えスポット6選


雨の情景が美しいといっても、その感じ方は人によってさまざま。また、運転に集中しすぎてそういった美しさに気づきにくいという側面もある。ここでは、日本全国の雨が“映える”スポットを厳選して紹介する。近場の方はこの季節を逃さず足を運んでみてほしい。






青森県 奥入瀬渓流


DATA 青森県十和田市奥瀬60/新青森駅からクルマで約90分。八戸駅からクルマで約70分。

深い自然林に覆われた水流の豊かな景勝地
 青森県といえば、秋田県との県境にまたがる十和田湖が有名だが、そこから北へ流れ出る奥入瀬渓流もよく知られた景勝地だ。長さにして約14.5km。車道と遊歩道が並行して備えられており、散策にも適している。春の新緑や秋の紅葉も美しいが、じつは梅雨時期も美しい情景が見られる。滝や清流が雨で彩られることで、なんともいえない神秘的な雰囲気が感じられる。




神奈川県 明月院


DATA 神奈川県鎌倉市山ノ内189/北鎌倉駅から徒歩で約10分。

全国的に有名な咲き乱れるあじさい
 「あじさい寺」とも呼ばれる明月院は、2500株ともいわれるあじさいが見られる神奈川県の寺社。昨年の大河ドラマで盛り上がりを見せた鎌倉にあって、中心部から少し離れた一画に位置しているが、この時期、鎌倉石の参道に咲き乱れるあじさいは全国的にも有名だ。「悟りの窓」と呼ばれる丸い窓の存在でも知られていて、ここからふたつの庭園を眺めることができる。




石川県 ひがし茶屋街


DATA 石川県金沢市東山/金沢駅からクルマで約10分。金沢東IC、金沢森本ICから約15分。

しっとりとした雰囲気漂うお茶屋建築
 歴代藩主が文化を奨励してきた北陸の古都・金沢。金沢城や兼六園も有名だが、この茶屋街も金沢を代表する観光地のひとつ。出格子や石畳がそこかしこに見られる和の趣あふれる街並みは、国の重要伝統的建築物群保存地区にも選定されている。雨が降れば情緒はさらに深まり、静かな雰囲気の街並みに降り注ぐ雨の音がたたずまいをさらに味わい深いものにしてくれる。




京都府 三室戸寺


DATA 京都府宇治市莵道滋賀谷21/三室戸駅から徒歩で約15分。

花の名所が多い京都でも屈指の“花の寺”
 京都府指定文化財で京都屈指の花の名所としても知られている三室戸寺(みむろとじ)。奈良時代の770年頃に創建された長い歴史を持つ寺院で、現在の本堂は1814年に再建されたもの。お茶で有名な宇治エリアにあり、6月は幻のあじさいとされるシチダンカなど、約50種ものあじさいが楽しめるほか、季節ごとにシャクナゲやツツジ、蓮なども見られる。




愛媛県 四国カルスト


DATA 愛媛県上浮穴郡久万高原町西谷/松山駅からクルマで約1時間40分。須崎東ICより約1時間10分。

しっとりとした独特な世界観を醸し出すカルスト地形
「カルスト」とは、地表に露出した石灰岩が雨水などで侵食されて生まれた地形のこと。この四国カルストは、愛媛県と高知県の県境に広がったカルスト台地で、日本3大カルストのひとつ。雨が降ることによってさらに神秘的な光景を描き出す。また、このカルスト地帯を縦断する四国カルスト公園縦断線こと県道383号は、やはり有名なドライブルートとなっている。




佐賀県 虹の松原


DATA 佐賀県唐津市東唐津〜浜玉町/唐津ICよりクルマで約20分。多久ICよりクルマで約45分。

現実離れした雰囲気を持つ生い茂った松林
 国の特別名勝地で、日本3大松原のひとつ。全長約4.5km、幅約500mにわたって群生するクロマツは約100万本。中へ足を一歩踏み入れれば、パワースポットとしても知られる松の樹木の迫力に圧倒される。雨が降れば、立ち込める松の香りに癒やされると同時に、幻想的な雰囲気に包み込まれ、まるで中世にタイムスリップしてしまったかのような錯覚に陥る。






まとめ



夏の前に梅雨あり! 充実のドライブを!
 パラパラと降りしきる雨の音があたりを包み、肌に触れる空気をしっとりとさせる。この雰囲気を嫌がる人もいるが、1年のうちわずか1ヶ月程度の梅雨が終われば、眩しくて暑い夏がくる。アイロニックな話だが、間違いないのは、梅雨がなければ、夏もやってこないということだ。
 今回は、季節感と情緒を感じながら楽しめる、雨のドライブについて紹介してきた。雨は晴天時のドライブとはまた違った素晴らしい情景を感じさせてくれる。これを堪能できるのは、自分で運転して、自分が行きたいところへ移動できるクルマだけ。四季の豊かな日本という国においても、ごくわずかな期間しか存在しない、この貴重な季節を愛でながら、くれぐれも安全運転を心がけつつ、ドライブを楽しみたいものである。