現在放送中の連続テレビ小説『らんまん』(NHK総合 毎週月~土曜8:00~ほか ※土曜は1週間の振り返り)で、神木隆之介演じる主人公・槙野万太郎の妻となるヒロイン・寿恵子役を演じている浜辺美波にインタビュー。本作での役作りや、映画『屍人荘の殺人』(2019)以来、約4年ぶりとなる神木との共演について話を聞いた。

  • 『らんまん』でヒロイン・寿恵子役を演じている浜辺美波

連続テレビ小説(朝ドラ)第108作となる本作は、高知県出身の植物学者・牧野富太郎さんをモデルとしたオリジナルストーリー。幕末から明治、大正、昭和と激動の時代に、愛する植物のために一途に情熱的に突き進んだ主人公・槙野万太郎(神木隆之介)とその妻・寿恵子(浜辺美波)の波乱万丈な生涯を描く。

寿恵子は、東京の下町で母と菓子屋を営んでいたが、万太郎と運命的な出会いを果たし、後に結婚。植物研究に金をつぎ込む夫のために、あの手この手で苦しい家計をやりくりし、貧しくも楽しく明るい家庭を築いていくという役どころだが、浜辺は寿恵子の成長を大事に演じていきたいと考えている。

「17歳頃に万太郎さんと出会って、時を重ねて奥様になっていくのですが、現代的な17歳より少し幼さも残っている女性として演じていて、この人と結婚するんだと自分で決めてからたくましくなっていくという、成長の過程を作れたらいいなと。最初は『自分のやりたいことは何なのか』など、等身大の葛藤を抱えながら演じ、徐々に芯の通った女性になっていければいいなと思っています」

そして、寿恵子について「共感もできるし応援もできる存在。自分の選んだ道を楽しんで力強く歩いていく姿が、かっこいい女性像でもあるなと思っています」とリスペクト。

「自分で道を選びたい」という性格は自身とも重なるそうで、「ほかの人の意見も聞くけれど、最終ジャッジは自分でしたいという気持ちがあるので、寿恵子さんにすごく共感ができるし、視聴者の皆さんにも応援したいと思ってもらえるような人柄だと思います」と語る。

役作りとしては、牧野さんの伝記を読んだことに加え、高知の「牧野植物園」を訪れ、万太郎と寿恵子のモデルとなった牧野富太郎さんと妻・壽衛(すえ)さんについて学べたことがとても役に立ったという。

「牧野さんのことだけではなく壽衛さんのことも残されていたので、かなり参考になりました。どういう日々を送っていたのか、引っ越しが何回で、猫を飼っていて……そういうのを見て、2人の関係性を身に染みて感じて演じる材料になりそうだなと思いました」

また、「職員さんが牧野博士について愛情深くお話をしてくださったのですが、牧野さんって、植物館に残していた図鑑の文字と、壽衛さんに残していた文字の丸みが違って、そこで愛情が出ていたと。かつ、手紙の中で『壽衛さん』ではなく『壽衛ちゃん』とちゃん付けで呼ぶような仲のいいご夫婦だったと聞いてうれしかったですし、最後まで仲良く添い遂げたと聞いて、演じるのが楽しみになりました」と話した。