NPO法人キープ・ママ・スマイリングは、「入院中の子どもに付き添う家族の生活実態調査2022」の調査概要を6月1日に公表した。調査は2022年11月25日~12月16日、3,643人に行った。

「付き添い中に行った世話やケアの内容」について調査したところ、食事介助・排泄ケアは9割、入浴介助・服薬は8割の人が従事経験があると回答した。厚生労働省のルールで本来禁止されている看護師の肩代わりとなるような「労力提供型の付き添い」の実態が明らかになった。

付き添い中に行っていた世話やケアに、1日あたりどのくらいの時間を費やしましたか。」という質問では、「21~24時間」が25.5%と最も多く、全体の4分の1を占めた。また1日6時間以上を費やした割合は全体の80.9%に上った。

泊まり込んで付き添っている人のうち、夜間に子どもの世話や看護をすることがあった人は94.5%を占めた。また、子どもと一緒に入浴して世話することがあった人も3割いることが判明した。

「泊まり込んで付き添う理由を説明されましたか」という質問に「説明を受けていなかった」と回答したのが48.3%と、付き添い者の約半数は泊まり込んで付き添う理由について説明を受けていないことが判明した。

また、付き添いの理由について説明を受けた人に5つの選択肢を示したところ、「子どもが自分で身の回りのことができないから」60.3%、「親が一緒にいたほうが子どもが安心するから」59.9%が共に多い回答となった。「マンパワー不足で看護師がすべての世話をできないから」という説明を受けた人も1割強いることが判明した。

付き添い中に看護師に子どものケアをまかせられない(親が付き添わないと安心できない)と思った経験が「ある」と答えたのは61.0%だった。

「ある」と回答した人に、看護師にまかせられない理由を4つの選択肢(複数回答)で示したところ「看護師が忙しくて十分に面倒を見てもらえないと感じたから」が83.8%、次に「親がそばにいないと、子どもが精神的に不安定になったから」55.6%が続いた。