物価高騰に続き、2023年6月からは家庭の電気料金が値上げに。節約や節電を心がけようという人も少なくないはず。このほど、自由国民社から出版された『みんなの節電生活』(1,320円/木村俊雄著)では、価格高騰する電気代を節約する方法などを紹介している。

  • 『みんなの節電生活』(1,320円/木村俊雄著)

著者は、元東京電力福島第一原発エンジニアの木村俊雄氏。在職中に原発の危険性に気づき、2000年に退職。現在はオフグリッド生活を続けながら、エネルギー問題への考察を積み重ねている。

今回は同書の中から、電気代高騰の原因や賢い節約術を紹介。ぜひ、あなたも参考にしてみてほしい。

■電気代高騰の原因を知っておこう

まず、令和5年に予定されている電気料金の値上げの原因について押さえておきます。

電気料金とは、①基本料金、②電力量料金、③燃料調達額、④再生可能エネルギー発電促進賦課金の4項目を合算したものです。このうちの③燃料調達額は、その名のとおり発電するための燃料費に対する項目で、電力会社の燃料の仕入れ額によって増減します。

近年、世界は脱炭素社会化へと舵を切り、火力発電の燃料となるLNG(液化天然ガス)、石炭、石油などの化石燃料の供給量が減少し、その価格は高騰の一途を辿っています。さらにウクライナ情勢の緊迫化が拍車をかけた結果、電気料金を構成する燃料調達額が大幅に膨れ上がったことが今回の値上げの最大の原因となっていると考えられます。

また、電力小売事業者が一般送配電事業者(旧一般電気事業者である大手電力会社)に支払う「託送料金(送配電網の利用料)」が値上げされる動きもあり、そうなれば電気料金は、さらなる値上げを余儀なくされると推測されます。 次のグラフのとおり、近年の日本の電源構成の76%は火力発電であるため、化石燃料価格の高騰による影響が甚大なものになるのは当然といえるでしょう。

  • 日本の電源構成(令和2年度)

■普段の洗濯を「お急ぎモード」にする

太陽光発電システムを設置するときに、それぞれのご家庭の電気の使い方を調査していますが、ほとんどの人は洗濯機のデフォルトである「標準モード」で洗濯をされています。洗濯時間も10分程度と長く、すすぎも2回……みなさん、特にこだわりがあるわけでもなく、深く考えずに「標準モード」の洗濯をされているようです。

私はいつも洗濯時間は5分程度、すすぎも1回のみです。我が家はいまでも二槽式洗濯機を愛用しているため、モードのチョイスはないのですが、いわば全自動洗濯機における「お急ぎモード」や「スピードモード」というものと同じだと思います。

もちろん、泥汚れや油汚れがひどい場合は別ですが、ホコリや汗程度の汚れであれば、短縮メニューでも十分キレイに仕上がります。洗剤の量も基準より少なくても大丈夫です。

ぜひ「標準」という言葉を鵜呑みにせずに、自分に合った「○○モード」を探してみてください。きっと、多くの人は「お急ぎモード」や「スピードモード」で十分だと思います。少しでも洗濯機のモーターを回す時間を短縮して、ムダな電力の消費を減らすようにしましょう。

  • 普通の洗濯物は「お急ぎモード」で十分

■冷蔵庫を「スカスカ」にする

生活必需品の家電製品といえば、その筆頭は冷凍冷蔵庫ではないでしょうか。テレビなどとは異なり、冷凍冷蔵庫は主電源を切ることはできず、24時間つけっぱなしにすることが基本です(我が家では、冬場の夜間は冷凍冷蔵庫の主電源をOFFにしています)。しかし、常時主電源をONにしたままの冷凍冷蔵庫であっても、その使い方によって消費電力量には大きな差が生まれるのです。

まず、冷蔵庫に関しては、庫内に食品をたくさん詰め過ぎないように心がけ、すき間を多く「スカスカ」の状態にしましょう。冷蔵庫は、室内の温度計が庫内温度の上昇を感知するとコンプレッサーが作動し、冷風を出して冷却するシステムです。つまり、温度計の近辺の温度を低く保つことができれば、ムダにコンプレッサーを作動させることなく効率よく冷却でき、電力の浪費を抑えることができるのです。

くり返しになりますが、食品を詰め込み過ぎないことすき間を多くすることが大切で、さらに食品を中央部分に集めて壁側に冷気の通り道をつくるとよいでしょう。

  • 食品は中央にまとめて周囲を空ける

■冷凍庫を「キツキツ」にする

冷凍冷蔵庫の消費電力を節約する方法、続きは冷凍庫編です。冷蔵庫は「スカスカ」にするとよいのですが、冷凍庫は逆に「キツキツ」にすることで、消費電力を抑えることができます。冷蔵庫と同じように、冷凍庫も庫内の温度が上昇したときにコンプレッサーが作動して、温度を下げようとします。このときに多くの電力を消費してしまうのです。つまり、冷凍庫も温度上昇を抑えることがそのまま節電となるわけです。

冷凍庫内の温度は、基本的にマイナス18度以下です。この温度の上昇を抑えるためには、すでに「凍ったもの」をなるべくたくさん詰め込んでおくことが重要です。庫内の空いてしまう部分には、水を入れて凍らせたペットボトルや保冷剤を詰めておくとよいでしょう。

  • 冷凍庫には「凍ったもの」を詰める

ただし、冷凍庫を「キツキツ」にしたことで、扉を開閉する回数が増えてしまったり、取り出すのに時間がかかって開けっ放しにするのは、温度上昇を招いてしまい本末転倒です。

冷凍庫内はキチンと整理して、目的の食品を素早くスムーズに取り出せるように、収納するスペースをあらかじめ決めておくようにしましょう。


書籍『みんなの節電生活』(1,320円/自由国民社刊)

  • 『みんなの節電生活』(1,320円/自由国民社刊)

本書では、ここで紹介したもの以外にも複数の節約術を紹介している。気になる人はぜひ、チェックしてみてほしい。