ヘラルボニーは、三井住友銀行東館のアース・ガーデンにて「ART IN YOU アートはあなたの中にある」を、6月17日まで開催している。

SMBCアース・ガーデンは天井高9m超、床面積は約470平方m以上と、ギャラリーとしては国内最大級の空間。金沢21世紀美術館 チーフキュレーターの黒澤浩美氏が手がける同展では、“異彩アーティスト”総勢16名の作家の作品が展示されている。

  • 鎌江一美氏

思いを人に伝えるのが苦手な彼女は、コミュニケーションのツールとして振り向いて欲しい人の立体を作り続けている。モデルはすべて思いを寄せる男性。最初に題材を決め、原形を整えると、その表面全てを細かい米粒状の陶土を丹念に埋め込んでいく。完成までに大きな作品では約2か月以上を要する事もあり、無数の粒は作品全体を覆い尽くし様々な形に変化を遂げていく。

  • 坂本大知氏/「筑波山」

温厚な性格でユーモアがあり、どんな仕事にも責任をもって取り組む自由でのびやかな感性を持ち、太鼓を叩いたり、ダンスや歌を歌ったりする。絵画では「筆を滑らす動き」を重視し、ダンスと融合している印象を与える。形に着目し、何度も形をなぞって描き上げた「土偶」(2019)は、市役所の市長室控室に展示された。

  • 志多伯逸氏/「エスカレーター」

彼の主題は、学生時代から花火とエスカレーター。自分の想像によってつくり出したもので、実在するものはほとんどない。自分の考えた架空の設定を、人に説明するのも楽しみのひとつ。主に鉛筆で描き、ペンや絵の具を準備しても手を出さない。いずれの作品も、飽くことなく幾重にも線を重ねたドローイング(線描)で、そのことが作品の強度を生み出している。

同展は、作家たちの従来の社会的な規範や慣習にとらわれない、一人ひとりのあるがままを体現した作品を通し、作家の生き方や考え方、新たな表現を可能性を感じられるものとなっている。

「ART IN YOU」は6月17日まで、三井住友銀行東館 1Fアースガーデンにて開催。入場は無料。