競技かるた界のトップ選手である“名人”と“クイーン”が対戦を行う「小倉百人一首競技かるた『名人vsクイーンドリームマッチ』」が5月14日、東京都文京区の文京シビックセンター 小ホールにて開催された。

  • 名人とクイーンによるドリームマッチを開催

明治時代、文京区本郷にキャンパスを構える東京大学にて発足した「緑倶楽部」「弥生倶楽部」という2つの「かるた競技の会」が現在の競技かるたやかるた会の起源と言われている。

「競技かるた発祥の地」としてさまざまな事業に取り組む文京区と、地域に密着したICT企業として、自治体・企業と連携して地域課題の解決を図るとともに、街の賑わいづくりとして、地域の価値ある文化や芸術の発信にも取り組んでいるNTT東日本、そして全日本かるた協会とNTTe-Sportsの4者が協業し、「小倉百人一首競技かるた『名人vsクイーンドリームマッチ』」を昨年実施。「かるたの街」としての文京区の認知度向上や、幅広い年齢層に向けた競技かるたの魅力を発信する一環として行われており、今年はその2回目の開催となる。

「名人vsクイーンドリームマッチ」は、小倉百人一首競技かるたの最高峰の戦いが行われるというだけではなく、試合の模様をYouTubeおよびNTTe-Sportsが運営するゲーマーのためのコミュニケーションサービス「eXeLab」にてライブ配信。元クイーンによる実況・解説に加えて、対戦後には名人とクイーンによる対談の様子もリアルタイムで配信されるなど、NTT東日本グループが持つ高度なICT環境構築技術やeスポーツ事業で培った映像配信ノウハウを活かし、「かるたの街文京」を広く発信する試みも注目されている。

  • 名人vsクイーンの熱戦をライブで伝える配信チーム

開会式には、第69期名人位・川瀬将義六段、第67期クイーン位・山添百合八段のほか、文京区アカデミー推進部長の髙橋征博氏、全日本かるた協会の松川英夫会長と鶴谷博幸副会長、審判長の坪田翼公認審判員、読手の芹野惠子名誉専任読手、そしてライブ配信の実況・解説を務める山下恵令八段が登壇。これから始まる対戦に向けて、会場の熱気も高まっていく。

  • (写真左より)山下恵令八段、芹野惠子名誉専任読手、山添百合クイーン、川瀬将義名人、坪田翼公認審判員、全日本かるた協会の鶴谷博幸副会長、全日本かるた協会の松川英夫会長、文京区の髙橋征博アカデミー推進部長

およそ150名の観客が見守る中、畳の敷かれたステージで川瀬名人と山添クイーンが札配置などの試合準備に取り掛かる。札払いのデモンストレーションにおいては、観客による写真撮影も許可され、多くの観客が間近で、名人とクイーンの鋭い動きに熱い視線を送った。しかし、そんな賑やかな雰囲気も、両者が札暗記に入ると一転。会場は静寂が支配し、名人とクイーンの一挙手一投足に注目しながら、息を呑みつつ、対戦の開始を待つ。

  • 迫力が伝わる札払いのデモンストレーション

昨年に続いて対戦となる川瀬名人と山添クイーン。スピード型の名人と安定型のクイーンによる激しいやりとりは、序盤から一進一退の攻防が繰り広げられたが、クイーンのミスから名人有利の展開で進む。互角の戦いが続く中、後半に差し掛かったところで、名人のラッシュ、さらにクイーンのミスが重なり、名人が大きくリードを広げていく。終盤にかけてクイーンも盛り返していくが差を詰め切ることができず、名人が何とか逃げ切り、5枚差で激闘を制した。

対戦後には、川瀬名人と山添クイーン、全日本かるた協会の松川会長、解説を務めた第62・63期クイーンの山下八段によるスペシャル座談会を実施。座談会では、川瀬名人と山添クイーンによる試合の振り返りや松川会長、山下八段による感想をはじめ、今年1月に開催された名人位・クイーン位の防衛戦についてや、山添クイーンが教師として生徒を指導している話、川瀬名人のYouTube活動など、今後の競技かるた界も見据えた話題が繰り広げられた。

  • (写真左より)山下八段、山添クイーン、松川会長、川瀬名人、司会を務めた全日本かるた協会 広報部の浜野希望六段

「小倉百人一首競技かるた『名人vsクイーンドリームマッチ』」の熱戦やスペシャル座談会の模様はアーカイブ配信も行われているので、ぜひチェックしてみてほしい。