俳優の向井理が、生田斗真が主演を務めるテレビ朝日系ドラマ『警部補ダイマジン』(7月スタート 毎週金曜23:15~※一部地域除く)に出演することが11日に明らかになった。

向井理=テレビ朝日提供

ドラマ化もされたコミック『クロコーチ』を生み出したリチャード・ウー(原作)&コウノコウジ(作画)コンビの最新作『警部補ダイマジン』(『週刊漫画ゴラク』連載中)を、“土竜の唄シリーズ”の生田&三池崇史監督コンビがテレビ初タッグを組んで映像化する同作。強い正義感をもつ警視庁捜査一課のエースが、法で裁けない犯人に剛腕を振りかざし、悪を持って悪を制すというダークヒーローが巨悪に挑む物語となっている。

生田と向井は、ドラマ『ハチミツとクローバー』(08年)、映画『ハナミズキ』(10年)を経て13年ぶりに共演を果たす。「生田くんは、お芝居に対するアンテナがすごく広いので、現場の空気感やいろいろなことをキャッチしながら作っていくんです。そういうところは全然変わっていなくて、お芝居も『相変わらず上手いなぁ』と思いながらご一緒しています」と生田との再会を喜ぶ向井。「『これを地上波でやるんだ、やれるんだ』という挑戦の場ですし、『テレビって何なんだろう?』ということを改めて考えられる作品になればいいと思います」と、力強く語る。

そんな向井が演じる平安才門(ひらやす・さいもん)は、頭脳明晰で冷淡、ポーカーフェイスで何を考えているのかよくわからないというキャラクター。生田演じる、誰よりも早く現場に駆けつける熱血漢で、自他ともに認める警視庁捜査一課のエース・ダイマジンこと台場陣の暗い秘密を握ることになる。その秘密とは、真っ当な手段では逮捕できない幼女連続誘拐殺人事件の犯人である元警察庁の重鎮を見逃すことができず、自ら手を下して殺害してしまったこと。それを知った平安は台場を自分の部署に異動させ、「秘密を守る」というエサをチラつかせながら、半強制的にこき使う。台場を「動く暴力装置」として利用しながら、警察組織の暗部に斬り込んでいく2人だが、過去の未解決事件を掘り返すうちに、触れてはならない警察組織や国家の暗部に肉迫し、強大な組織と対峙することに。身内をかばう警察組織の体質によって、安易に手が出せない犯人たちを秘密裏に始末する台場×平安コンビに注目だ。

■向井理(平安才門・役)コメント

――本作に出演が決まった際のお気持ちをお聞かせください。

これまでご一緒したことのある共演者の方がかなり多かったので、再会できるという喜びがありましたし、いろんな武器が出てきたり、人がどんどん死んでいくという描写をエンターテインメントの中でどういう風に描くのかなということも楽しみでした。そしてやっぱり、三池監督と初めてお仕事させていただくということですね。今までなかなかチャンスがなかったので、今回初めてご一緒させていただくのがうれしかったです。

――脚本を読まれた感想をお聞かせください。

文章で読んでいるだけでも結構ハードでした。アクションシーンって台本ではわりとシンプルに書いてあることが多いんですよ。例えば「戦う」と1行だけ書かれていても、現場はすごく大変なので、これはハードな作品になるんだろうなと思いました。僕は指揮をする立場なので、アクションの担当ではないんですが、逆にセリフが多いんです。体を使う側、頭を使う側と、キレイに分かれているなぁと思いました。

――平安才門をどんな人物だと捉えていますか? また実際に演じてみていかがですか?

何を考えているのかわからない、というのが第一印象です。言ってることと考えていることが違うなんてこともザラだろうし、とにかくあまり本音を見せない人だと思います。台場の弱みを握ってコントロールする、というのはとても平安らしいですし、そうされてイラ立っている台場を見るのもたぶん好きなんでしょうね(笑)。

演じるにあたっては、あまり抑揚のないしゃべり方にしてみたり、驚くところでもそんなに表情に出さないようにしてみたり……。ポーカーフェイスで頭のいい人だと思うんですが、やっているのは犯罪みたいなことですから(笑)、そこのバランスをどういう風に作り上げれば平安になれるのか…ということを結構考えました。

“台場と平安という全然タイプの違う人間が同じ画面にいる”と考えたときに、僕は生田くんのお芝居を見て違うことをしなきゃいけないし、逆に台場ができないことを平安が補うこともあるんじゃないかなと思ったので、ひとりで作り込むというよりは、毎回現場で足し算や引き算をしていく方がいいんだと感じています。

そしてやっぱり謎が多い人物なので、キャストの皆さんと、遊びの中で裏設定を作って関係性を理解したり、スタッフの方とも話しながら“みんなで作っていく”という感じの現場でした。

――生田斗真さんとは久々の共演ということですが、ご一緒していかがですか?

本当に10年ぶり以上になりますね! もちろん落ち着きなどは、当時と全然違いますし、お互い環境も変わりましたが、大きくは20代の頃とそんなに変わっていないですね。生田くんはすごく器用な方ですし、お芝居に対するアンテナがすごく広いので、現場の空気感やいろいろなことをキャッチしながら作り上げていくんです。そういうところも全然変わっていなくて、「相変わらずお芝居が上手いなぁ」と思いながらご一緒しています。

――初めて三池監督とご一緒していかがですか?

とにかくテンポが早い! 無駄な時間がまったくないんですよ。だから一日の撮影があっという間に終わるんです。もう慣れましたけど、最初の頃は「え、もう終わり?」という日が続いていました(笑)。監督にまったく迷いがないので、すごく安心感がありましたね。そして、例えば天気に合わせて撮り方を変えたりだとか……ライブ感を楽しんでらっしゃるんだろうなと思いました。臨機応変でとてもスムーズに撮影が進むのは、やはり三池監督の感性や長年の経験の賜物なんじゃないかなと思います。

――法では裁けない悪を秘密裏に始末する究極のダークヒーロー・台場が暗躍するピカレスク・サスペンスというこの刺激的な作品の魅力とは?

傍から見たらすごく恵まれているし、満ち足りているような人でも、きっと何かしら不満をもっていると思うんです。ちょっとした不満がある人、法で裁けない権力などに憤りを感じている人にとっては、溜飲を下げるドラマになるかもしれないですし、個人的にはとてもチャレンジングな作品だと思っています。「これを地上波でやるんだ、やれるんだ」ということに挑戦できる場だったのでとても斬新でした。僕は自由な時代のテレビを見て育ってきたので……時代が変わって制限されることが増えるのは仕方ないことだとは思うんですが、「テレビって何なんだろう?」ということを改めて考えられる、そんなドラマになればいいなと思います。