母・冨永愛については「この業界の大先輩で、教えてくれる師匠でもあり、親でもあるといういろんな関係ですが、すごく助かっています」と言う。

「お母さんは仕事場ではキリッとしていますが、家ではちょっとゆったりしています。家に帰るとカチッと切り替えて、なごむ感じで、楽しい親子関係だと思います。たまに仕事の話もしますが、わからないことについては少しだけ教えてもらい、あとは『頑張れ』と言われます」

母からもらったアドバイスで一番印象に残っている言葉について聞くと「あることで、お母さんに相談した時、励まされた言葉がすごく心に響きました。それは『あなたは私の息子なんだから大丈夫だよ』と言われたことです。それを聞いて、よし頑張ろうという気持ちになれました。けっこうお母さんには助けられています」と感謝の言葉を重ねる。

冨永愛といえば、NHKのドラマ10『大奥』での8代将軍・徳川吉宗役も話題となった。「僕もドラマを観ていましたが、すごかったなと。母にもかっこいいと伝えていました」と言うが、彼自身も将来的には俳優の仕事も視野に入れている。

「実はもともとこの業界に入ったのも、俳優の仕事をしたいと思ったからです。今も演技のレッスンをたまに受けています。でも、気持ちが入らなきゃできないところが一番難しいですが、レッスンでいろいろと教えてもらえるので頑張っていきたいです」

ちなみに、努力することは得意なほうか? と聞いてみると「全然得意じゃないです。僕は努力が一番苦手なタイプなので、努力する人は尊敬に値します」と言う。すでにいろいろな努力を重ねている気がするが「他の人と比べたら全然してないのと同等です。今は努力しなきゃと、少しずつ切り替えている段階です」と恐縮する。

好きな俳優は、トム・クルーズ。「トムは、アクションなども自分でやるところが男前だなと思うし、憧れます。僕は小3から中2くらいまで空手をやっていたので、それを活かしていつかアクションなどもやってみたいです。夢は映画の主役をやることです」と目を輝かせる。

デビューして約半年となったが、心境の変化はあったのだろうか。

「外出する時は、いつ見られても大丈夫な格好をして出なきゃいけないので、そこは大変ですが、本当にデビューできてよかったです。難しいと思ったり、大変だなと悩んだりしますが、そこも含めて楽しいなと思えるので。もちろんそういう思考にいけるのも、親ゆずりだと思うので、やっぱりお母さんには感謝しています。今年の目標はとにかく頑張ることです!」

普段はクールだが、顔をくしゃっとして無邪気に笑う姿はやはり17歳という印象を受ける。モデルとして、役者として、どんどん自分のフィールドを広げていってほしい。

■冨永章胤(とみなが・あきつぐ)
2005年3月29日生まれ。スーパーモデル・冨永愛の息子。2022年9月に『VOGUE JAPAN』でモデルデビューし、ファッションイベントなどに出演。今年3月に「第36回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2023 SPRING/SUMMER」に初出演した。