スーパー戦隊シリーズ恒例「VS」作品の最新Vシネクスト『暴太郎戦隊ドンブラザーズVSゼンカイジャー』が5月3日より、新宿バルト9ほか全国劇場にて期間限定上映される。

  • 左から駒木根葵汰、樋口幸平

1人の人間と4人のキカイノイドがチームを組んで、奇想天外かつ自由な戦い方をするスーパー戦隊の「超異色作」=『機界戦隊ゼンカイジャー』(2021年)と、強烈な個性を備えたメンバー同士が互いに関わり合ったりすれ違ったりを繰り返し、やがて奇妙な「縁」で結ばれていくスーパー戦隊の「超問題作」=『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』(2022年)。それぞれ独自の魅力で熱烈なファンの多い両作品が、ついに「交わる」時がやってきた。それが本作『暴太郎戦隊ドンブラザーズVSゼンカイジャー』(通称:ドンブラVSゼンカイ)である。

「ゼンカイジャー編」「ドンブラザーズ編」「VS編」という3部構成になった本作の「ゼンカイジャー編」には、テレビシリーズ第9カイ!「世界海賊、愉快ツーカイ!」で、人々やキカイノイドを「柏餅だけをものすごく食べたくなる体質」に変えた敵「カシワモチワルド」が再び登場することが予告編にて明かされた。

これを受けて、『ドンブラVSゼンカイ』の東京での上映館のひとつ・新宿バルト9からほど近い場所に本店を構える甘味処「追分だんご本舗」との強力なコラボが実現。上映開始の5月3日からは、本作の半券をもって追分だんご本舗で商品を購入するとオリジナル記念コースターがプレゼントされるという(なくなり次第終了)。店舗の前には、ゼンカイザー/五色田介人を演じる駒木根葵汰と、ドンモモタロウ/桃井タロウを演じる樋口幸平が並び立ち、コースターを手にポーズを決めてもらった。そして2人に両戦隊それぞれの印象や、作品の見どころについて尋ねてみた。

――まずは、お互いの「戦隊」をご覧になった感想、全体の印象から教えてください。

樋口:『ゼンカイジャー』を初めて観たとき、こんな「戦隊」見たことない!という衝撃が体を走りました。とんでもないスーパー戦隊が生まれたな……と驚きましたけど、次に僕たちが出演した『ドンブラザーズ』も相当とんでもなかった(笑)。『ドンブラザーズ』と『ゼンカイジャー』で「スーパー戦隊」の形をいい意味で崩したからこそ、後続の戦隊がまた別の「冒険」や「挑戦」をしてくれるんだろうなって思っています。

駒木根:『ゼンカイジャー』の自由な作風は、ファンの方たちから「ゼンカイ脳」と言われるほど浸透して愛されていましたけど、『ドンブラザーズ』の場合、一回観ると続きが気になっちゃって、また次週も観たくなるという「ドンブラ中毒」になるんです(笑)。理屈よりもインパクト優先。観ている人の本能に刺さっている。刺激のみで観ることのできる作品なんですね。

――『ドンブラザーズ』では、最終回までに明かされることのなかったいくつかの「謎」がありますが、お2人が気になっているのはどんなところでしょうか?

樋口:喫茶「どんぶら」マスターである五色田介人は何者だったのか、そしてドンムラサメの正体、マザーとはどんな存在だったのか……。はっきり言って、これらについては最後まで説明がありませんでしたからね! 終わった今からすれば、こういうの絶対に明かしておかないといけないもんじゃないですか。謎がいっぱいあったのに、最終回はなんかいい話っぽくして、わからないところ全部ほったらかしにして終わったぞと(笑)。あえて多くを語らない、すべて分かりあうことがないのが『ドンブラ』の良さでもありますけど、作品の1ファンとしては、明かしてほしかったと思います。

駒木根:僕はもう、ゼンカイザーブラックがなぜヒトツ鬼からセンタイギアを集めていたのか、その理由が知りたかったですね。途中から、なぜかギアを集めることもなくなって、もしかしたら最後のほうで、ゼンカイザーブラックと介人に何かがあるのかな、とひそかに期待してたんですよ。『ドンブラ』を観ていたみなさん、今はそういった「謎」の回収について忘れているかもしれないので、2、3年くらい経ってからもう一度『ドンブラ』を観直してください。きっと“我に返って”この作品の介人って何者なんだ!?ともやもやした気持ちになってくれると思います(笑)。

――ドンモモタロウは『ゼンカイジャー』に先行登場した経験がありますし、ゼンカイザーはゼンカイザーブラックとして『ドンブラザーズ』に出られていました。これを受けた質問ですが、お2人が現在放送中の『王様戦隊キングオージャー』(2023年)に出るとしたら、どういった出方をしたいですか。

樋口:『キングオージャー』は全員「王様」なんですよね。そう考えると、ドン王家の血をひいている桃井タロウはまったく問題なく、キングオージャーとからむことができます。タロウがあの個性豊かな王様たちにぶつかっていって、どんな化学反応が起こるのか興味はあります。しかし、桃井タロウのキャラが成立するのは『ドンブラザーズ』の世界だけだと思いますから、あまり他の戦隊に迷惑はかけたくないかな(笑)。

駒木根:介人を大切に扱ってくれるなら、どんなキャラになっても出ます! でも、神をやって、喫茶店マスターをやって、トゥルーヒーローにもなったから、次はどうしよう(笑)。

樋口:すべてを超越した、スーパー戦隊の「仙人」かな?

駒木根:逆に、すごく弱っちいヤツになってるとか。

樋口:パンチ一発でやられちゃう介人?(笑)。実は強いんだけど、あえて弱キャラを装っているのはどうかな。

駒木根:ペコペコしながら、敵の足元をすくおうと様子をうかがってる、みたいな(笑)。

――カシワモチワルドにちなんで、和菓子の名店「追分だんご」さんとのコラボが実現しました。コラボについてのご感想と、本作にかける意気込みを教えてください。

駒木根:いま、オープン前のお店でお話をしていますけど、まだお店の方が支度をしているときなのに、もうお客さんがいらっしゃったりして、すごい人気なんだなと思いました。今回、ゼンカイジャーやゾックス(演:増子敦貴)、フリント(演:森日菜美)たちが帰ってくるだけでなく、印象深い敵だったカシワモチワルドまで帰ってきます。『ゼンカイジャー』のファンのみなさんには、期待している2倍くらい楽しんでもらえるかもしれません。ドンブラザーズとの「VS」がどんな展開になるか、期待していてほしいです。

樋口:『ドンブラザーズ』を1年間やっていると、時々「俺たちはいま、何をやっているんだろうか」と我に返る瞬間があったんですが(笑)、そんな気持ちになればなるほど内容が面白く、みなさんに愛される作品になるんだなと考えるようになりました。今回の「VS」では、その“何やってんだ感”をぞんぶんに楽しんでもらえます。たとえば日常生活で辛いこと、悩みごとがあったとしても、この作品を観て「こいつら何やってんだ」と思うと、いくぶん気持ちが楽になるかもしれません。ファンのみなさんが笑顔になってもらえるような、面白いものになっていると断言できます!

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