リクルートは4月11日、「兼業・副業に関する動向」の調査結果を発表した。調査は1月21~22日、企業に勤める正社員または経営者・役員で、人事業務全般または人事制度業務に関与する1,648人を対象にインターネットで行われた。

調査結果は以下の通り。まず「社外からの兼業・副業人材の受け入れ状況」を聞くと、全体を見ると「受け入れている」(48.6%)、「受け入れていない」(51.4%)だった。

  • 社外からの兼業・副業人材の受け入れ状況

そして、「社外の兼業・副業で働く人の受け入れを行っていない」と答えた847人に「社外からの兼業・副業人材の受け入れ予定」を尋ねると、全体を見ると「現在は受け入れておらず、受け入れの検討もしていない」(68.2%)が約7割を占めている。

  • 社外からの兼業・副業人材の受け入れ予定

次に「社外からの兼業・副業人材の受け入れ状況」を会社の従業員数別で見たところ、「受け入れている」のは、「5,000人以上」(49%)、「1,000~4,999人」(50.5%)、「300人未満」(46.1%)という結果だった。

  • 社外からの兼業・副業人材の受け入れ状況(従業員数別)

続けて兼業・副業者を「受け入れている」と答えた回答者801人に、「社外の兼業・副業人材の受け入れを開始した時期」を聞くと、「1年以内」(22.8%)、「3年以内」(45.9%)、「3年より前」(19.5%)、「わからない」(11.7%)となった。

  • 社外の兼業・副業人材の受け入れを開始した時期

さらに「社外の兼業・副業人材の採用・確保状況」を尋ねると、「必要な人材を、十分(ある程度)確保できている」(66.1%)という結果だった。

  • 社外の兼業・副業人材の採用・確保状況

そして「兼業・副業人材を受け入れている目的・受け入れを検討している目的」については、「受け入れ中」「受け入れ検討中」という回答者それぞれに聞いたところ、「人手不足を解消するため」がどちらも最も多く、次いで「社内人材にはない知識やスキルを持った人材を確保するため」が続く。

  • 兼業・副業人材を受け入れている目的・受け入れを検討している目的

また「社外の兼業・副業人材を受け入れて感じる効果・期待する効果」では、「人手不足を解消することができた」が最多。次いで、「社内人材にはない知識やスキルを持った人材を確保することができた」と続いている。

  • 社外の兼業・副業人材を受け入れて感じる効果・期待する効果

次に「兼業・副業人材を受け入れて感じる課題、受け入れを検討する際の懸念」をそれぞれ調べると、「情報漏えいのリスク」「労務管理の観点での長時間労働・過重労働などによる健康リスク」「競業となるリスクや、利益相反のリスク」が上位をしめている。

  • 兼業・副業人材を受け入れて感じる課題、受け入れを検討する際の懸念

さらに兼業・副業者を「受け入れている」と答えた回答者801人に「兼業・副業人材に任せている仕事の領域・分野」を尋ねると、「社内のデジタル化・IT化」(53.7%)、「業務プロセスの改善・効率化」(42.8%)、「マーケティング、プロモーションや営業強化」(37.7%)がトップスリーとなった。

  • 兼業・副業人材に任せている仕事の領域・分野

また「兼業・副業人材に任せている仕事の所要時間」は、「数時間や1日で完了する仕事」(35.0%)、「1日以上1週間未満で完了する仕事」(34.0%)、「1週間以上1ケ月未満で完了する仕事」(33.5%)と続いた。

  • 兼業・副業人材に任せている仕事の所要時間

最後に、「兼業・副業人材に担ってもらっている仕事上の役割」を尋ねると、「業務やプロジェクトの実行・運用」(59.6%)、「業務やプロジェクトの企画や戦略立案」(48.6%)、「業務やプロジェクトへのコンサルティング・アドバイザー」(43.6%)、「業務やプロジェクト全体を統括するリーダー・マネジャー」(19.2%)という結果となっている。

  • 兼業・副業人材に担ってもらっている仕事上の役割