会社で仕事をしていると、他の人に比べて、自分は仕事量が多すぎるのではないかと感じることも少なくないでしょう。
今回は、仕事量が多くなる原因や、仕事をこなすための対処法、仕事を振られないための方法などを紹介します。
仕事量が多すぎる状態に陥る原因・陥りやすい人の特徴とは
仕事量が多いと感じる場合、さまざまな原因が考えられます。
ここでは、仕事量が多くなる主な原因を紹介します。仕事量の改善を図るためにも、自分の場合はどのケースに当てはまるか、原因を探っていきましょう。
頼まれたことを断れない
まず、頼まれたことを断れないことが、仕事量を多くしている原因の一つと考えられます。
予定やタスクが詰まっていても「断ったら嫌な顔をされるのではないか」「断ったら会社に居づらくなる」「上司の頼みだから断れない」などと不安になり、頼まれたことを断れず全て引き受けてしまうことがあるでしょう。
しかし、不安を抱き何でもかんでも引き受けてしまうと、仕事量は確実に増えてしまいます。仕事をあまりに抱え込みすぎると管理も煩雑になってしまうばかりか、一つ一つの仕事の質も下がりがちです。状況に応じて断ることが大切です。
一つのタスクに力を注ぎすぎている
一つのタスクに力を注ぎすぎるあまり、他の仕事に手が回らない状況も、仕事量を多くさせる原因です。仕事がたまり続けてしまいます。
頼まれた仕事に対して、付加価値をつけた仕上がりを目指していないでしょうか。
一つのタスクに全力を注ぐことや、言われた以上の結果を残すことは、決して間違ったことではありません。しかし仕事においては、自分の持つ全てのタスクをこなすことが重要です。一つだけにこだわらず、全てのタスクを時間内に片付けられるかを優先し、時間配分を再度確認してみましょう。
上司から期待されている
上司から期待されていることで、仕事量が多くなる場合もあります。
上司としては、仕事をちゃんとさばける部下に任せたいものです。さらに、優秀な部下や気に入った部下には早く仕事を覚えてほしいために、周りよりも仕事量を増やす可能性があります。
上司に期待されて仕事を回してもらえるとうれしく感じ、その気持ちに応えようとがんばるでしょう。しかし、一人でさばける仕事量には限界があります。期待されているのはいいことですが、あまりに仕事量が多い場合は上司に相談してみましょう。
パワハラを受けている
一人だけ仕事量が多すぎる場合には、パワーハラスメントの可能性も考えられます。
会社全体が忙しい場合や、繁忙期などに、該当業務の担当者が忙しくなることはパワハラとは言えないでしょう。しかし明確な理由もなく自分だけが不公平に業務を振られ、著しく忙しい場合には、パワハラの疑いがあります。
また、誰がやっても明らかに期限までに終わらない量の仕事を押し付けるのも、パワハラに該当する可能性があります。
心当たりがある場合は、心身が疲弊する前に人事や相談窓口などに相談し、会社を辞めることも視野に入れた方がいいでしょう。
仕事量が多すぎる場合の対処法や、仕事を振られるのを防ぐ方法
ここからは、自分だけではこなせない量の仕事を処理する方法を紹介します。仕事量の多さに困っている場合は、実践しやすい方法から試してみましょう。
また、仕事量が多すぎる状態になるのを事前に防ぐための防止策も併せて紹介します。
完璧を目指さず、一つのタスクに力を注ぎすぎない
一つのタスクに注力しすぎないことが、対処法の一つです。全てのタスクをこなすためには、一つのタスクにこだわりすぎないように心掛けましょう。
抱えているタスク量を確認し、一つのタスクにどの程度注力すべきか、調整しながら仕事を進めることをおすすめします。
また、常に100%を目指していては、心身が持ちません。さらに自分が100%だと思っていても、方向性がズレていて無駄になることもあります。完璧主義はやめて、周囲と相談しながら、ほどほどの完成度を目指すようにしましょう。
業務の効率化を図る
業務の効率化を図り、仕事の処理速度を上げることも一つの方法です。
例えば
- メールや資料のテンプレートを作っておき、似た業務の際は流用する
- 過去に似たようなケースが無かったか周囲に聞いてみて、資料やノウハウを共有してもらう
- 上司に相談して、自動計算ツールの導入やアウトソーシングの活用を検討してもらう
などが考えられます。
業務に余裕がありそうな人に、仕事のこなし方のコツを聞いてみることもおすすめです。
上司に相談する
仕事量が多すぎる場合は、上司に相談してみることも大切です。その際は、自分の業務量や難易度を、なるべく客観的に、具体的に提示できるように準備しておきましょう。
ただ漠然と「仕事が多くてキツイです」などと伝えても、上司はその深刻さを正しく認識できません。また、単なるわがままや弱音だと思われないためにも、事前準備をしたうえで、時間を取ってもらいしっかりと話し合うことをおすすめします。
仕事を頼まれても断る勇気を持つ
仕事が詰まっているときは、新しいタスクを軽々しく受けないことが大切です。
「大変申し訳ないのですが、○日までに提出する資料作成があって手一杯で、お引き受けするのが難しい状態です」など、理由を告げて真摯(しんし)に断れば、相手も納得してくれるはずです。
また、依頼を引き受ける場合も、断る場合も、今あるタスクの状況やスケジュールを常に把握しておくことが大切です。新しくタスクを引き受ける場合は、今あるタスクを確実にこなせるのかを冷静に判断することで、仕事量が多すぎる状態になることを防げます。
タスクの完了スピードを調整する
別の視点としては、仕事を振られるのを防ぐために、タスクの完了スピードを調整するという対処法もあります。なぜなら仕事の出来が周りより早すぎると、次から次へと新しいタスクを任せられてしまい、そのせいで業務過多に陥るケースもあるためです。
許容量のタスクを常に持った状態にし、周りが新しい仕事を振りにくくすることで、仕事量の増加を防げます。この方法は、サボるのではなく、今あるタスクの質を上げるという考え方です。時間を有効に活用することを意識し、サボっていると思われないように注意しましょう。
自分の持っている仕事をあらかじめ部下に割り振り、任せる
特にプレイングマネージャーの立場にいる人の場合は、自分の持っているマネジメント以外の仕事を、部下やチームメンバーに割り振るという対処法もあります。
この方法は、こなせないタスクに対処するだけではなく、チーム全体の能力向上や、自身のマネジメントスキルの勉強にもつながります。
自分の持っている仕事を任せることで、周囲に負担を負わせてしまうと考える人もいるでしょう。また、自分がやった方が早い、または出来が良いと考える人もいるかもしれません。
しかし、自分の処理能力がパンクして、仕事に遅延を起こす方がチームにとって迷惑ではないでしょうか。長い目で見れば、部下の成長を促すためにも、自分が仕事を抱え込まないことが重要です。
辞めたいと思ったなら転職も視野に
最後に、「辞めたい」「つらい」と思っているのであれば、転職を考えるという対処法もあります。
タスクを抱え込んでしまい、無理が続くと、うつなどの病気になってしまう可能性があります。あまりにも状況がひどい場合や、パワハラを受けている、周りに仕事を任せても引き受けてもらえず状況が改善しない場合などは、転職を考えましょう。
また仕事を多くこなすということは、それだけ会社に貢献しているということです。仕事量の少ない社員と仕事量の多い自分が同じ給料だった場合など、正当な評価、待遇を受けていない場合も、転職を視野に入れることをおすすめします。
働いている職場が必ずしもベストな環境とは限りません。仕事量が多すぎることは自分の能力のせいと思い込む人もいますが、転職することで仕事量が改善される場合もあります。
一人でこなせない量の仕事は、キャパオーバーになる前に上司などに相談を
一人でこなせる仕事量には限界があり、多すぎるとその分負担も大きく、心身ともに疲弊してしまいます。
仕事量が多すぎると感じたときは、その原因を探り、上司や周囲の協力も仰ぎながら対処していきましょう。「もう限界」となる前に、早め早めに解決したいものです。
会社の体制に問題がある場合や、パワーハラスメントを受けている場合は、転職を視野に入れることも一つの解決策です。