いつも頑張っているはずなのに、なかなか評価されない・かえって周囲に迷惑をかけてしまう――。心あたりがある方は、もしかすると行動が空回りしてしまっているのかもしれません。

空回りとは車輪の歯車が噛み合わなくなり、従来の働きをしていないことを表す言葉です。転じて、行動や言論が噛みあわない・適切でない人のことを「空回りしている」と言います。

本記事では、空回りしてしまっている人の特徴や、空回りをせずに済むようになる対処法を紹介します。

  • 仕事の効率が悪い

空回りしている人の特徴

自分が空回りをしてしまっているかどうかは、その瞬間ではなかなかわかりません。後になって振り返ったときに「空回りをしていたのかもしれない」と気が付き、反省するものです。

以下では、頑張りが空回りしてしまいがちな人の特徴を紹介します。空回りしてしまうのには理由があります。まずは、自分自身が以下のうちいずれかに当てはまっているかどうかを確認してみましょう。

こだわりが強すぎる

自分の仕事のやり方に固執しすぎてしまうと、何が正しいことなのか気が付きにくくなってしまいます。例えば、書類のファイリング方法にこだわりがある人は、ファイリングの仕方が気になると、本来優先度が高いハズの仕事を放っておいて書類整理を始めてしまうかもしれません。過度なこだわりは、時間の浪費につながる可能性があるのです。

やる気がありすぎる

やる気がありすぎて気持ちのみが先行してしまいがちな人は、お昼ご飯を抜いてまで仕事に没頭してしまったり、残業を繰り返して寝不足が続いたりと、体に負担がかかる生活をしてしまい、体調を崩してしまう可能性があります。

やる気があることは良いことですが、体に負担をかけ続けることになると健康上の問題以外にも仕事でミスを連発するようになります。かえって作業効率は下がってしまうかもしれません。

焦りすぎている

すぐに終わらせる必要がない仕事でも「早く仕事を終えなくては」と思い込んで、焦って仕事をしてしまう人もいます。急ぐ必要のない仕事で勝手にプレッシャーを感じて焦ってしまうと、しなくてもよいミスを多発する原因になるでしょう。

また、仕事で一度ミスをすると「挽回しなくては」と焦ってしまいがちです。心に余裕を持って作業をするようにしましょう。

自分の間違いを認められない

誰にでも間違えることはあります。しかし、間違いを指摘されたときに軌道修正できないことは問題です。

自分の間違いを認められない人は、ミスを指摘されても、なかなかやり方を変えられません。そのため、繰り返し同じミスをします。また、同じようなミスを繰り返しても、そのミスを周囲の環境のせいにしてしまったり、人のせいにしたりと、ミスを認めて反省しない状態が続いてしまいます。

仕事の効率が悪い

やる気があるのに仕事の効率が悪い人もいます。丁寧に仕事をしているのは評価されるべきことではありますが、あまりに時間をかけすぎてしまうのは避けましょう。

例えば、計算はExcelを使えば早いのに、電卓を使って一つひとつ丁寧に計算していく――といった作業は効率が悪いと言えます。「頑張っているのに他の人よりも仕事が終わるのが遅い」と感じたら、周囲がどのようなやり方で作業を進めているのか確認するとよいでしょう。

自分なりの判断や行動が苦手

自分の判断が間違っているのではと考えてしまう人は、途中で行動を止めてしまうだけでなく、結果を見る前に考えては止めるといったことを繰り返してしまいます。自分で判断して動けないので、指示がない限り何も前に進まなくなってしまうでしょう。

  • 話を聞かない

空回りしていると思ったときの対処法

自分が置かれている状況が分かれば、その状況を改善することで、仕事のパフォーマンスを上げられる可能性があります。自分が空回りをしているかもしれないなと思っているのなら、以下で紹介する対処法をとることをおすすめします。

置かれている状況を客観視してみる

自分がどういった状況に置かれているのか、自覚するのは大切なことです。自分を客観視できれば、いち早く空回りに気付けたり軌道修正できたりするでしょう。

自分のことをどうしても客観的に見られない場合は、職場の先輩や親友など、信頼している人に自分の状態をみてもらってアドバイスをもらいましょう。このときもらったアドバイスは、素直に受け入れることが大切です。

仕事の優先順位を決める

やるべきことを考えているだけでなく、優先順位が目に見えるようにメモに書いたり、期日順に仕事をしたりするように意識してみましょう。自分が持っている仕事の優先度をきちんと把握することにより、時間にも気持ちにも余裕が生まれます。

一つのやり方に固執しない

仕事がうまくいかないときは、間違ったやり方で仕事を進めている可能性があります。間違ったやり方に固執していても仕事は進みません。仕事の結果がでないときは一度止まって、根本的な部分を見直してみましょう。解決の糸口がみつかるはずです。

空回りしてしまいがちな人が落ち着いて仕事をするには

自分は空回りしやすいのだと自覚して冷静に対処していくだけでも、仕事のミスは減りますし、パフォーマンスは向上するでしょう。しかし、自分は空回りしてしまうのだと自覚したがために、落ち着いて仕事をできなくなる人もいます。

空回りしてしまいがちな人が落ち着いて仕事をしようと思ったときは、次のことを意識してみるとよいでしょう。

深呼吸をしてみる

何だか仕事がうまくいっていないと感じたら、まずは冷静になりましょう。深呼吸すると副交感神経の働きが活発になるため、リラックスできます。深呼吸して落ち着きを取り戻せば、また集中して仕事ができるようになりパフォーマンスがアップするでしょう。

認められようと思いすぎない

承認欲求は誰にでもありますが、欲求が強すぎると周囲の方とうまく噛み合わなくなる原因になってしまいます。周囲に認められようと焦って仕事するよりは、誠実に仕事をこなしていく方が大切です。焦らずとも正しくアプローチしていけば、周りは正しく評価してくれるでしょう。

事前準備をしっかりする

気持ちが焦ると空回りしやすくなるため、仕事の事前準備はしっかり行いましょう。予期していなかったことが起こるのは、準備不足が原因になっていることもあります。

予定を把握しながら実際の仕事の流れをイメージトレーニングしておくと、心に余裕が生まれるので落ちついて仕事ができるでしょう。

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「なんだか仕事がうまくいかないな」と思ったときは、やり方に問題がある可能性が高いです。そういうときには一度、勇気を持って周囲に相談することをおすすめします。

空回りしているということは、エネルギーがあるにも関わらず、それを上手に使えていないということ。逆に言うと、やる気があるのに空回りしてしまっている人は、周囲から「仕事の効率が悪い人」「やる気がない人」と捉えられかねません。

同僚の一言で、「今までのやり方は間違っていた」と気づくことができれば、それだけで仕事を効率的に進められるようになることでしょう。自分が空回りしていると思った場合には、一度冷静になり、自分の行動や考え方を見つめ直して対処していきましょう。