俳優の神木隆之介が主演を務める連続テレビ小説『らんまん』(NHK総合 毎週月~土曜8:00~※土曜は1週間の振り返りほか)が4月3日にスタートする。2歳でデビューし、29歳にして芸歴27年の神木。経験を重ねる中でたどり着いた“直感”を大切にした演技で本作も挑んでいるという。20代で訪れた転機を聞くとともに、朝ドラ主演がどのような経験になっているのか、さらに、妻役の浜辺美波や、一番の理解者を演じる志尊淳との共演について話を聞いた。
連続テレビ小説(朝ドラ)第108作となる本作は、高知県出身の植物学者・牧野富太郎をモデルとしたオリジナルストーリー。幕末から明治、大正、昭和と激動の時代に、愛する植物のために一途に情熱的に突き進んだ主人公・槙野万太郎(神木隆之介)とその妻・寿恵子(浜辺美波)の波乱万丈な生涯を描く。
男性が主演の朝ドラは、2020年前期『エール』の窪田正孝以来3年ぶり。神木は、オファーを受けたときの心境を「『僕がヒロイン!?』『ヒロインではなく主演です』という会話を冗談交じりにしながら、すごくうれしかったですし、それと同時にプレッシャーがありました」と述べ、「撮影が長期にわたり、忍耐と精神力が強くないと乗り切れないだろうなと思いましたが、朝ドラの主演をやらせていただける機会は人生で一度あるかないかなので、やらせていただきますとお受けしました」と出演を決意した思いも明かした。
朝ドラは、1人の人生を長く描く。神木は「17歳あたりから演じています。どこまで描くかはまだ定かではありせん」と述べ、実年齢よりもはるか上を演じることについて「難しそうですが楽しみです」と語る。
「足腰のどこが痛くなるんだろうとか、そういうところが重要になってくると思っています。その雰囲気、貫録、見てきたものが17歳と50歳では違う。まだその景色は想像つかないですが、すごく楽しみですし、撮影が進んでいくと現実世界も時が進んでいくので、万太郎とともに芝居を通していろいろ経験していったら、多少なりとも雰囲気は若い頃から変わるのではないかなと思っています」
2歳で芸能界デビューし、29歳にして芸歴27年の神木。20代の途中で演技に関して変化があったという。
「子供のときは何も考えていなくて、途中から考えたほうがいいのかなと思うようになったのですが、事前に決めすぎる演じ方は自分には合ってなかったみたいで、今は直感を大事にしています。テストで感じることと本番で感じることも違うので、そのときに役を通して感じたことをそのまま役として表現すればいいんだなと。狙って決めて演じたほうがいいこともありますが、基本的には今は直観を大切にしています」
大事なことに気づかせてくれたのは、マネージャーの反応だったという。
NHKの土曜ドラマ『やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる』(2018)とWOWOW『鉄の骨』(2020)に関して、「『すごくよかった』と異常に褒めてくれたんです」と言い、ほかの作品との違いを分析した結果、その場で感じたことをぶつけたことがよかったと気づいたという。「大事なことに気づけてよかったです」とほほ笑む神木。『らんまん』もリアルタイムに感じたことを大切に演じている。
昨年10月にクランクインしてから約5カ月。まだ放送が始まる前だが、「精神力が鍛えられている」とのことで、「シーンをこなす忍耐。そして、土佐弁がめちゃくちゃ難しくて大きな壁となっていますが、それを乗り越えないと終わらないので、とにかく頑張るという精神力がついていると思います」と語る。
放送中の5月19日には30歳を迎える神木。「この作品の放送が無事に終わったら、僕の人生において本当に誇りになる作品になると思うし、忘れられない刻み込まれる作品になると思います。今はまだ責任を果たせていないので、すべて終わったときに自分のことを少しは誇らしく思えるんだろうなという気がしています」と期待を込めた。