封筒で書類や、フリマアプリで販売したちょっとした荷物を送る際などに、着払いで送りたいと考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、着払いで送れる場合と送れない場合があるため注意が必要です。

本記事では、封筒で着払いはできるのかや、着払いで送るときの方法、サービス、料金などをわかりやすく解説します。注意点も併せて確認しておきましょう。

  • 封筒は着払いで送れるのか

    封筒は着払いで送れるのかや、送る方法や条件などを解説します

封筒は着払いで送れる? - 通常の郵便物としては不可

着払いとは、書類や品物などを運送、配達するときに発生する「送料」を、受取人が支払う運送方法です。着払いとは逆に、差出人が送料を支払うことを元払いといいます。

では、着払いで何かを送りたい場合、封筒で発送することは可能なのでしょうか。結論から言うと、郵便物、つまり手紙やはがきなどのように、封筒に切手を貼ってポストに投函したり郵便局に差し出したりする方法での着払いはできません。

しかし、後述するゆうパックやゆうメールなど、さまざまなサービスを利用して、封筒に入れた書類や荷物を送ることができます。しかし、信書など送ることができないものもあるため、注意が必要です。

封筒を着払いで送れるサービスと送り方

  • 封筒を着払いで送れるサービス

    封筒を着払いで送れる日本郵政のサービスはいくつかあります

ここからは、封筒を着払いで送れる日本郵政のサービスについて紹介していきます。利用可能なサービスは以下の通りです。

  • ゆうパック
  • ゆうパケット
  • ゆうメール

上記のサービスであれば、着払い指定で発送することができます。それでは、各サービスについて紹介していきます。

ゆうパック

ゆうパックは荷物を配達するサービスです。ゆうパックを利用して封筒を着払いで送る場合は、以下の手順で発送することができます。

  1. 発送したい内容物を封筒に梱包する
  2. 着払い専用のラベルを用意する
  3. ラベルに必要事項を記載し、送りたい封筒に貼る
  4. 郵便局の窓口または集荷、コンビニなどへ差し出す

また、ゆうパックを利用する場合は以下の条件を満たす必要があります。

  • 横、縦、厚さの3辺が合計で170cm以下。重さ25kg以内
  • 重さ25kg~30kg以下の場合、「重量ゆうパック」を利用
  • 「ゆうパックラベル」を使用

なお、クッション封筒など、ゆうパック専用の包装用品を購入することもできますが、基本的には何に入れて送っても大丈夫です。

ゆうパケット

ゆうパケットは小さな荷物を送るサービスです。ゆうパケットを利用して封筒を着払いで送る場合は、以下の手順で発送することができます。

  1. 発送したい内容物を封筒に梱包する
  2. ゆうパケット専用の宛名シールを用意する
  3. シールに必要事項を記載し、切手とともに封筒に貼る
  4. 郵便局の窓口にて差し出す(※受取人の承諾があればポスト投函が可能な場合も有)

ゆうパケットで着払いを利用するときは、差し出し受付時に着払いシールを貼ってもらうか、外装の表面に「着払」と記載する必要があります。

また、ゆうパケットを利用する場合は以下の条件を満たす必要があります。

  • 横、縦、厚さ3辺の合計が60cm以内、長辺34cm以内、厚さ3cm以内。重さ1kg以内

ゆうメール

ゆうメールは印刷物やCD・DVDなどを安価に届けることができるサービスです。ゆうメールを利用して封筒を着払いで送る場合は、以下の手順で発送することができます。

  1. 発送したい内容物を封筒に梱包する
  2. 封筒に受取人の宛名を記載する
  3. 封筒の表面に「ゆうメール」と記載する
  4. 郵便局の窓口にて差し出す(※受取人の承諾があればポスト投函が可能な場合も有)

ゆうメールで着払いを利用するときは、外装の表面に「着払」と記載する必要があります。

また、ゆうメールを利用する場合は以下の条件を満たす必要があります。

  • 内容物はリーフレットや書籍、カタログなどの印刷物やCD・DVDなど
  • 長辺34cm、短辺25cm、厚み3cm以内。重さ1kg以内
  • 内容物が確認できるように封筒の一部を開けておく、または無色透明の窓付きの封筒を使用、または内容の見本を郵便局で提示

封筒を着払いするときの料金は?

  • 封筒を着払いにするときの料金一覧

    各サービスで着払いにて送る際にかかる料金を、一覧にまとめました

前述で紹介した各サービスを、着払いで利用する際の料金を紹介していきます。サービスによって、配送料や手数料が異なるので注意しましょう。

各種着払いサービスの料金一覧

【ゆうパック基本運賃】

ゆうパックを利用する場合は、どこから送るか、どこに送るかと、大きさによって異なります。例えば3辺の合計が60cm以下で、東京都から東京都へ送る場合の基本運賃は810円です。

詳しくは、日本郵政の公式サイトを参照してください。

【ゆうパケット基本運賃】

荷物の厚さ 運賃
1cm以内 250円
2cm以内 310円
3cm以内 360円

【ゆうメール基本運賃】

重量 運賃
~150g 180円
~250g 215円
~500g 310円
~1kg 360円

【着払い手数料】

種類 1個当たりの手数料(基本料金に加算)
料金後納とするもので、
かつ郵便私書箱に配達するもの
15円
料金後納とするもの 20円
郵便私書箱に配達するもの 20円
ゆうパック 無料
上記以外のもの 26円

私書箱への配達や、料金後納の場合は、着払いの手数料が安く設定されています。相手の自宅などへの通常配達の場合は、26円の手数料が掛かります。ゆうパックは手数料は無料です。

各サービスによって、取り扱い可能なサイズや重さ、運賃が異なるため、発送したい内容物に適したものを選択することが大切です。

封筒を着払いで送るときの注意点

  • 封筒を着払いで送るときの注意事項

    封筒を着払いで送るときの注意事項も押さえておきましょう

前述のサービスを用いて封筒を着払いで送るときには、いくつか注意しなくてはならない点があります。

  • 事前に発送先(受取人)の承諾が必要
  • 信書の同封はできない

上記を守らないと封筒を発送できないため、発送前に必ず確認をするようにしましょう。それでは、それぞれについて解説していきます。

事前に発送先(受取人)の承諾が必要

着払いは、受取人が運賃を支払うため、受取人の承諾を事前に得ない状態で発送してしまうとトラブルに発展してしまう可能性があります。また、受取人が受け取らず、発送した商品が戻ってきてしまうことなども考えられます。

封筒を着払いで発送するときは、マナー違反をしないためにも必ず事前に承諾を得ることが重要です。もし承諾を得られない場合は、差出人の負担で発送しましょう。

信書の同封はできない

日本郵政のサービスで信書を送りたい場合は、ゆうパック・ゆうパケット・ゆうメール・クリックポスト以外の、手紙・はがきといった通常の郵便物や、レターパックなどのサービスを利用して発送することが可能です。

逆に日本郵政のサービスで着払いができるのはゆうパック・ゆうパケット・ゆうメールなので、信書は着払いできないということになります。

信書とは、「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」と、郵便法および信書便法に定められています。郵便または信書便以外で送ることはできません。

信書に該当する文書は、具体的に以下の通りです。

  • 書状
  • 請求書の類い
  • 会議招集通知の類い
  • 許可書の類い
  • 証明書の類い
  • ダイレクトメール(文書自体に受取人が記載されている文書など)

また、信書に該当しない文書は、具体的に以下の通りです

  • 書籍の類い
  • カタログ
  • 小切手の類い
  • プリペイドカードの類い
  • 乗車券の類い
  • クレジットカードの類い
  • 会員カードの類い
  • ダイレクトメール(街頭配布や新聞折り込みを前提としたチラシなど)
  • その他(説明書、求人票、名刺、パスポート、配送伝票、出勤簿、振込用紙、ナンバープレートなど)

なお、ゆうパック・ゆうパケット・ゆうメールにも、無封の添え状や送り状は同封することができます。

封筒を着払いでスムーズに送ろう

封筒を着払いしたい際に活用できる、ゆうパックやゆうパケット、ゆうメールについて解説しました。サイズや重さなどによって料金が異なるので、自分の発送したい荷物によって適切なサービスを選ぶようにしましょう。

また、着払いで封筒を送る際に気を付けたいのが、相手の同意を得ているかという点です。相手から着払いでの指定があれば問題はありませんが、同意もなく着払いで送ってしまうとトラブルになりかねません。

同意を得た場合でも発送する際には、改めて送料と配送予定日時を伝えておくとトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。封筒を着払いで送る際は、相手とのコミュニケーションを欠かさないようにすることが大切です。

なお郵便局の着払いできるサービスで信書を送ることはできないので、送るものには注意しましょう。