映画『シン・仮面ライダー』(監督:庵野秀明)の全国最速公開が、3月17日18時に行われ、東京・新宿バルト9には主要キャストが舞台挨拶に登壇した。映画の公開を大勢のファンと共に祝すと共に、作品にかける強い意気込みを語った。

  • 左から手塚とおる、西野七瀬、浜辺美波、池松壮亮、柄本佑、塚本晋也

仮面ライダー誕生50周年を記念して企画された映画『シン・仮面ライダー』は、70年代初めの日本に空前の「変身ブーム」を巻き起こした連続テレビドラマ『仮面ライダー』の原点に立ち返って「悪の組織ショッカーによって改造人間となった本郷猛が仮面ライダーとなり、愛車サイクロン号に乗って人間の自由のために戦う」という基本設定を踏襲。そして50年前の仮面ライダーのイメージを残しつつ、デザインまわりを現代風にリファインし、ストーリーやアクション、視覚効果(VFX)も含めて庵野秀明監督による換骨奪胎がなされた長篇映画に仕上がっているという。

今回の舞台挨拶は、全国339館の劇場でライブビューイングが行われた。キャスト陣は、少しでも速く『シン・仮面ライダー』を観たいと思って劇場にかけつけたファンを前にした現在の思いや、無事公開初日を迎えた喜びなどをそれぞれの言葉で熱く語り、よりたくさんの人たちに本作を楽しんでもらいたいと意欲を見せた。

仮面ライダー/本郷猛を演じる池松壮亮は「つい先日完成したばかりの、できたてホヤホヤの映画です。まだ限られた関係者だけしか観ていないので、みなさんが最初の“目撃者”になってくださったことに感謝します」と、最速公開に集まってくれた全国各地のファンに感謝の言葉を投げかけた。そして映画の出来栄えについては「庵野監督の作品ですから、一筋縄ではいかない内容です!」と力強く話し、ファンの期待を裏切らない作品だということを強調した。

本郷と行動を共にする緑川ルリ子を演じる浜辺美波は「18時からの最速上映という、今まで私が経験したことのないパターンの公開の仕方に驚きました。みなさんと“最初の時間”に立ち会うことができて、嬉しく思います」と語って大勢のファンと喜びを分かち合いながら「本作の試写を観終わった直後、今日は最高の日だな、ワクワクしたなって思えました。みなさんも今の時間も込みで楽しんでいただき、今日がとてもいい日になったなと思ってもらいたい」と言って、さわやかな笑顔をふりまいた。

仮面ライダー第2号/一文字隼人を演じる柄本佑は「この映画、僕はもう2回観ているんですけど、みなさんにはこれから初見のインパクトが待っていると思うと、うらやましいです」と語り、舞台挨拶直後に始まる本作の上映をまっさらな状態で楽しむファンの期待を大いにあおった。そして「自分自身、10日前に観たばかりなのでまだ気持ちが高ぶっています。みなさんも2時間後、同じような状態になると思います。明らかに、みなさんの心をかき乱す作品です」と、作品内容にかなりの重み・深みがあることをにおわせた。

「SHOCKER」上級構成員ハチオーグを演じる西野七瀬は「339館でライブビューイング、と言われてもピンと来なかったのですが、さきほど“そうとう凄いことですよ”と聞きまして、緊張してきました」と、最速上映を全国で楽しむ大勢のファンの存在を感じてにこやかな笑顔を見せた。ハチオーグ役については「以前からアクションをやってみたかったので、今回“戦う”ことができて、嬉しかったです」と語って「強い」役柄を演じられたことへの満足感を示した。

同じく「SHOCKER」上級構成員コウモリオーグ役の手塚とおるは「ものすごい映像が観られますので、堪能してください!!」と気迫に満ちた挨拶を行ったのち「僕は庵野監督の作品に出演するのは4度目で、毎回驚きっぱなしの撮影を体験しています。庵野作品に続けて出ていた成果なのか、客席には“手塚”と書かれたウチワを掲げている方がたくさん……」と、熱心な手塚とおるファンが応援してくれていると強く信じるようなコメントをした上で「この映画、期待を裏切りませんので楽しみにしてください」と語り、ニヤリと笑顔を見せた。

ルリ子の父・緑川弘を演じた塚本晋也は「僕は庵野作品には二度目の出演です。今回もまた、難しい科学的なセリフをたくさん言っていますので、聞き逃さないようについてきてください(笑)。仮面ライダーをこよなく愛する庵野さんの映画に呼んでいただいて光栄です」と、『シン・ゴジラ』で印象的だった塚本の長ゼリフが本作でも聞けることを明かして、期待をあおった。そして「撮影は1年ほど前に終わっていたのですが、先日の試写のとき“完成したのが2日前”だと聞いて、その間ずっと仕上げ作業をしていたのかと、庵野監督のこだわりにびっくりしました」と言って、映画を完成させるまでに気の遠くなるような労力と日数をかけていたことに驚きを見せた。

今回の最速公開以後、劇場では入場者特典として「シン・仮面ライダーカード劇場版(全10種)」が1パック(2枚入り)ずつ配られる(全国100万パック限定)という。しかもその中には、役名のサインが入った「レアカード」も含まれているという。

今回、カードパックを開封し、ゲットしたカードを確認するワクワク感をキャスト陣にも味わってもらいたいという趣向で、全員に入場者特典と同じカードパックが配られた。

手塚はコウモリオーグとハチオーグ、塚本は本郷猛とハチオーグ(変身後)、西野は一文字隼人とクモオーグのカードを引きあて、それぞれとてもいいリアクションを示した。

柄本はなんと、「本郷猛」のサインが入ったレアカードと、ハチオーグ(変身後)をゲットし、塚本を羨ましがらせた。

浜辺はコウモリオーグとハチオーグ、そして池松は自身が演じた仮面ライダー(本郷ライダー)とルリ子のカードを手にし、お互い顔を見合わせてニッコリとほほえんだ。

池松、浜辺、柄本、西野の4人は、18日、19日の2日間、全国の映画館をめぐる「ゲストビジット」を実施。「SHOCKER」マークが描かれた背後のボードには、4人がそれぞれ訪れる劇場のエリアが示されていた。池松は九州エリア、浜辺は北陸から関東近郊エリアの劇場へかけつけるという。

北海道、東北エリアをめぐる柄本は「俺だけ移動距離が長いでしょう。このまま着替える時間もなく、新幹線に乗ります(笑)。このエリアは仕事でもあまり行ったことがなく、美味しいものがいっぱいあるので、東京に再集結する日までには2kgぐらい太っているかも」と、北海道・東北グルメを満喫したいという野望をのぞかせ、周囲を笑わせた。関西・中部エリアをめぐる西野は「新神戸から名古屋方面にお邪魔します。ひとりで舞台挨拶をするのは初めてで不安がありますが、限られたわずかな時間で盛り上げていけるよう、楽しみたいです。私が学生のときよく行っていた映画館にも行くことができて、嬉しく思います!」と、思い出のつまった劇場にも登壇できると聞いてテンションを高めた。

最後にマイクを手にした池松は「この映画は特定のターゲットでなく、誰もがアクセスできる映画になったと、関わった者一同が思っています。大きなプロジェクトで、スタッフ・キャストみんなが長い時間を苦しんだり楽しんだりしてきました。長い旅だったなと思います。ようやく公開の日を迎えられて嬉しいです。今日みなさんの姿を見て、この日が来るまで待っていてくださったんだなと、改めて思いました。これから2時間、映画を堪能してください!」と万感の思いを込めて挨拶し、長きにわたって大勢のスタッフ・キャストと共に作り上げた『シン・仮面ライダー』を、幅広い世代の人々に楽しんでもらいたいと強くアピールした。

現在、新宿バルト9(新宿マルイアネックス9F)では3月29日まで、ハチオーグアジトのセットと、ハチオーグマスク(撮影用オリジナル)が展示されている。

また新宿マルイアネックス2Fでは、「エヴァンゲリオン×シン・仮面ライダー 映画公開記念POP UP SHOP」が開催され、関連商品の販売とともに映画のスチール展示やハチオーグ衣装などが展示されている。

(C)石森プロ・東映/2023「シン・仮面ライダー」製作委員会