デビュー以降、数々の話題作で存在感を発揮し、大人気声優となった宮野。2008年にはシングル「Discovery」で歌手デビューし、俳優としても舞台やドラマに出演するほか、日本テレビ系『ぐるぐるナインティナイン』の人気コーナー「ゴチになります!」で声優として初めてレギュラーを務めるなど、どんどん活躍の場を広げている。子役からキャリアをスタートさせ、実りの時を迎えるまでに大事だったのは、「“好き”という気持ちを諦めなかったこと」だと語る。

宮野は「僕は小さな頃からテレビっ子で、特撮やアニメ、ドラマ、バラエティも大好き。僕のヒーローがテレビの中にたくさんいて、『ああいうことができるようになりたい』と子供心に憧れていました」と明かし、「その“好き”を手放さないでいることが、まずとても大事だったと思います。さらにそれを仕事として続けていきたいならば、“好き”という気持ちだけじゃダメ。『今の自分には何が足りないんだろう』『そのためには歌のレッスン、ダンスのレッスンが必要だ』と考えるなど、しっかりと足りていない自分に目を向けることも大事」と力強く邁進してきた。ハングリー精神は自身の武器のひとつだと続け、「アーティストデビューをした時も、自分に歌で何が伝えられるんだろう…と悩んだこともありました。もともと歌は好きだったし、習ってもいたけれど、やるからには『お仕事として自信を持って伝えられるようにしないとダメだ』と覚悟して。そういった追求を繰り返し、できることが増えていったように思います」と語る。

「ゴチ」への出演については、「自分でもびっくりしました!」とにっこり。「声優として、いろいろなところに出ていけたらうれしい」と声優としての活動を心の軸としている宮野だが、舞台挨拶やトークイベントでも必ず最高の盛り上げ役となるなど、エンターテイナーとしての才能にあふれている。その原点について聞いてみると、宮野からは「寂しがりやだから」と意外な答えが返ってきた。「小さな頃から、寂しがりや。『みんなをハッピーにしたい』といった前向きな理由というよりは、とにかく笑ってもらえるとうれしいんですね。放課後とかも『誰か誘ってくれないかな』『誘ってほしい』と思っているタイプ!」と大笑いしながら、「だから今、いろいろな場面で求めていただけるのがうれしくて。感謝しかない」と喜びをかみ締める。

そんな宮野にとってヒーローのような存在はいるだろうか? 宮野は「誰だろうな」と考えながら、「僕が困った時に相談に乗ってくださるのが、林原めぐみさんです。悩んだ時にそれを打開できるような言葉をポロッと言ってくれて、いつも助けてくれる。ヒーローだし、マザーのような方」としみじみ。『機動戦士ガンダム00』の大ファンである俳優の山田裕貴は宮野を「神」と慕っているが、宮野は「彼は本当にまっすぐで、ずっとそんなふうに心に留めてくれていて。ものすごくうれしいし、刺激にもなります」と話すなど、大切な人々との出会いも彼を支えている。

■宮野真守
1983年6月8日生まれ、埼玉県生まれ。声優・俳優・歌手。2001年に海外ドラマ『私ケイトリン』の吹き替えで声優デビュー。以降、『DEATH NOTE』や『機動戦士ガンダム00』などで注目を集め、その後数々の話題作で主演を務める。近年では劇場版・テレビアニメのみならず、映画『ファンタスティック・ビースト』シリーズや、映画『トップガン マーヴェリック』など多くの作品で吹き替えも行なっている。俳優としては、劇団☆新感線の『髑髏城の七人』Season月《下弦の月》や劇団☆新感線いのうえ歌舞伎 『神州無頼街』で主演を務めるほか、テレビドラマへの出演も増えてきている。歌手としては、2008年にシングル「Discovery」でキングレコードよりデビューを果たす。また、『ぐるぐるナインティナイン』の「ゴチになります!」の新メンバーとしても注目を集めている。

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