モスフードサービスは、3月24日より全国の「モスバーガー」店舗(一部店舗除く)にて大豆たんぱくを主原料とする代替魚を使用した「ソイシーバーガー~ソイのおさかな風フライ~」(490円)を発売する。
大豆たんぱくの代替魚をフライに
「ソイシーバーガー~ソイのおさかな風フライ~」とは、モスバーガーの人気商品のひとつ「フィッシュバーガー」を動物由来の原材料を一切使わずに再現した商品。
フライ部分は大豆たんぱくを主原料に使用し、白身魚の風味とほぐれる食感や繊維感を再現。タルタルソースは卵を使用せずに食用油を用いてコクと旨味を再現した。さらにバンズも豆乳クリームをバター状にして加えほうれん草ピューレを練り込むなど、すべての部分にこだわったという。
こうした植物性の食材からなる食品を「プラントベースフード」と呼ぶが、モスバーガーではこれまでも代替肉を使用した「グリーンバーガー」を販売するなど、プラントベースフードを使用したハンバーガーの開発に力を入れてきた。健康志向の人や食に制限のある人など多様化する食のニーズに対応するとともに、水産資源の乱獲により日本国内の漁獲量が減少していることに対する取り組みだ。
商品開発に携わった管理栄養士の安中千絵氏は「プラントベースフードは、食物繊維をたくさん含むうえに、ビタミンCをはじめとする抗酸化ビタミンやポリフェノールも多く含むのが特徴です。現代人は動物性食品を多く摂取し、植物性食品は不足しがちなので、今回のソイシーバーガーのように手軽に植物性食品を摂取できる選択肢が増えるのは良いことだと思います」と太鼓判を押した。
「ソイシーバーガー」のお味は?
健康によさそうな「プラントベースフード」の「ソイシーバーガー~ソイのおさかな風フライ~」、実際の味はどのような感じなのだろうか。ひと足先に試食させてもらった。
パッと見は色鮮やかなハンバーガー。見た目からからだによさそうな感じがある。
別添えのタルタルソースをお好みでかけて食べていく。タルタルソースは卵不使用だが、言われなければわからないほどコクがあり、いつも通りのタルタルソースに思える。
バンズはもっちりとしており、ほんのりとほうれん草の清涼感のある味わい。フライにした白身魚のほろほろ感の再現度が高い。魚よりもむっちりとしたたんぱく質感が感じられるのがクセになりそうだ。フライのサクサク感は少し時間が経っても持続しており、最後までサクサクしているのが嬉しい。
「Z世代に刺さる」バーガーに
環境にも優しく、そして味も美味しい……けれど、それだけではプラントベースフードを日常的に食べる文化として定着させるのは難しい。
実際、「グリーンバーガー」は2年前から販売して来ているが、モスバーガーで"一人前の商品"とされる年間200万食の販売には届かず、昨年の売り上げは約130万食。そこでさらに次世代に向けて商品をアピールするための牽引役としてZ世代インフルエンサープロジェクト「Influencerz’」にプロモーションを依頼した。
Influencerz’の藤田真澄氏は、「ソイシーバーガーを食べた瞬間、魚じゃん! と驚きました。みなさんにもこの驚きを味わってほしいですね」、三津家貫也氏は「プラントベースフードはまだまだZ世代には知られていないので、まず食べに来てもらえるような施策を考えました」と話した。
さらにキャッチコピー「#あなたは幸せな嘘に騙される」を考案した聖秋流氏は、「大豆由来の原料だと聞いていても、食べたら魚感があることに驚きました。こんな幸せな嘘はないな、と思いこのキャッチコピーを考えました」と明かした。こうしたZ世代への訴求を行いつつ、モスバーガーは「ソイシーバーガー」をまずは50万食販売することを目指すという。