日本コカ・コーラは、同社のコーヒーブランド「ジョージア」のブランドを刷新し、3月20日に新たなコンセプトに基づいた製品6種を発売する。
3月16日に行われた発表会では、新たなロゴや新製品の詳細のほか、今後のブランド方針やプロモーション活動に言及。これからのジョージアが目指すビジョンを紹介した。
より幅広い世代に親しまれるブランドへ
発表会の冒頭には、日本コカ・コーラ 代表取締役社長 ホルヘ・ガルドゥニョ氏が登壇。ブランドの刷新に至った経緯を述べた後、14年ぶりにリニューアルしたロゴと、新商品6品を発表した。
ホルヘ氏は、コーヒーを楽しむ場面が多様化している近年の動向に触れ、「今後も成長を続けるブランドであるために、現在の枠組みを超え、Z世代、女性などにも寄り添うブランドになるべき時が来たと考えています」と語っている。
続いて登壇した同社のマーケティング本部 コーヒー事業部 部長 朴英俊氏は、ジョージアの今後のブランド戦略や展開予定の製品、ユーザーとのコミュニケーション活動を説明。前年よりもRTD(容器入り)コーヒーの需要が増加していることを示すデータにも言及した。
同社の調査によると、RTDコーヒーの購入金額が最も高いのは50代。一方で20代前半の消費者が支払う額は、50代の購入金額の半分にも満たないという。
若年層のRTDコーヒー購入額が少ない現況を受け、朴氏は「飲用習慣を形成する20代を、いかにRTDコーヒーの世界へ誘うことができるかが今後のRTD市場の成長のカギを握っています」と今回のブランド刷新の狙いを述べた。
スターバックスをはじめとしたカフェショップの利用や、コンビニで販売しているコーヒーの購入など、若年層にコーヒー自体の飲用習慣はある。しかしジョージアを含めたRTDコーヒーブランドには「ちょっと中高年向け」「ちょっと男性向け」といった感情的なイメージのバリアがあると朴氏。 働く人の頑張るための象徴から、幅広い世代に向けた自分らしく生きる象徴に変えていくという。
今回発表されたジョージアの新しいブランドロゴのテーマは、”Inner Glow(インナーグロウ/内側から広がる輝き)”。ブランドカラーには、明るく晴れやかな印象のイエローを採用している 。
人々の内なる輝きを表す新たなロゴによって、日常の幸せに気づくきっかけとなる飲料を提供するブランドとしての価値観を表現。味へのこだわりを強調した従来のブランドイメージを変える狙いも含まれている。
併せて、「ジャパン クラフトマン」「ラテ二スタ」などに分かれて展開していたジョージアのサブブランドを、マスターブランドへ統合。よりシンプルで分かりやすいブランド体制を構築する。
3月20日に発売される製品は全6種。主要シリーズ「ジョージア ジャパン クラフトマン」は、味や香りを進化させた「ジョージア THE ブラック」「ジョージア THE ラテ」「ジョージア THE 微糖」、パッケージをリニューアルした「ジョージア THE ゼロ」として新たに登場する。
加えて、デザート感覚で楽しめる小容量のボトルラテ「ジョージア キャラメルアフォガート ラテ」「ジョージア ビターショコラ ラテ」も登場。いずれの品も、”五感を刺激する”新コンセプトに基づいて開発された。
消費者の日常に寄り添う参加型コンテンツ
また新商品の発売に併せて、3月20日より新しいブランドキャンペーンメッセージ「毎日って、けっこうドラマだ。」を伝えるコミュニケーション活動も展開。その一環として、ジョージアのオリジナルコンテンツ「毎ドラ部」の提供を始める。
コンテンツ内の「AI イラストメーカー」は、ユーザーが自分の写真を人気イラストレーターが描いたようなタッチの画像に加工できる参加型のツール。
生成した画像は、自分のSNSにシェアできるだけでなく、同サイトのマップに撮影場所やコメントと共に登録し、他のユーザーとの共体験を楽しめる点も魅力だ。
3月21日には、何気ない日々の中に存在する幸せをテーマにした新CMの放映を開始。CMの楽曲には、若年層からも高い人気を誇る米津玄師さんを起用した。
書き下ろし曲「LADY」は、”日々の気だるさから一歩外に出てみよう”というコンセプトで制作された楽曲。
米津さんは、コーヒーについて「とにかく毎日飲むんですよね」「お互いほど良い距離感でいてくれる友達みたいな。それくらい自分の日常に溶け込んで支えてくれる、今となってはなくてはならないものですね」と話した。
従来のジョージアブランドを刷新し、コーヒーがもたらす前向きな感情に光を当てた日本コカ・コーラ。同社は、今回の取り組みを通じ、既存の顧客を重んじつつ、ジョージアの製品をより幅広い世代の日常に届けていくという。