映画『こんにちは、母さん』(9月1日公開)の完成報告会見が15日、都内で行われ、吉永小百合、大泉洋、永野芽郁、寺尾聰、宮藤官九郎、YOU、枝元萌、山田洋次監督が登壇した。

  • 映画『こんにちは、母さん』完成報告会見に登場した大泉洋

山田監督90作目の作品となる同作。吉永をはじめ大泉、永野を中心に寺尾、宮藤、YOUら豪華キャストが顔を揃え、東京の下町で、いまこの時代を生きる等身大の家族の姿を描いている。

大会社の人事部長として日々神経をすり減らし、家では妻との離婚問題、大学生になった娘・舞(永野)との関係に頭を悩ませる神崎昭夫(大泉)は、久しぶりに母・福江(吉永)が暮らす東京下町の実家を訪れる。しかし、迎えてくれた母の様子がおかしく、割烹着を着ていたはずが艶やかなファッションに身を包み、恋愛までしている様子。久々の実家にも自分の居場所がなく、戸惑う昭夫だったが、お節介がすぎるほどに温かい下町の住民や、これまでとは違う母と新たに出会い、次第に見失っていたことに気付かされてゆく。

山田監督作品に初参加で、吉永とも初共演となる大泉。「吉永小百合から大泉洋は生まれないだろうと思っていましたが、現場に入ると“なにか間違って俺は生まれたんだ!” と感じた」と独特な切り口で撮影を回顧。山田組の撮影スタイルにも驚いたそうで「(撮影が)朝の9時に始まって、17時に終わるんです。普通のサラリーマンのような生活で素晴らしかった」と明かし、「(別作品にクランクインしたときに)娘が『山田組はよかったね~』と言ったぐらいですよ」と笑いを誘った。

また、大泉は吉永から「役作りのために幼少期の写真が欲しい」と頼まれ、渡したところ、実際に劇中での使用が決定。これを映画完成まで知らなかった大泉は「試写を見てびっくりしました! 最終的に映画に出ちゃったんですよ! 僕の親もびっくりしますよ!」と訴える。実際に役立ったようで、吉永は「大泉さんのお風呂上りの写真がかわいらしくて……これを見て“あ、私の息子!”と思いました」と話した。

大泉は報道陣から「お馴染みの“ボヤキ”は山田組の現場でもあったか」と聞かれると、食い気味に「一切ボヤいてません! 恐ろしいことを言いますね! ボヤくなんてとんでもない!」と一蹴。しかし、共演シーンが多かったという宮藤は「ずっとボヤいてましたよ……」とチクリ。さらに司会の笠井信輔アナウンサーが吉永に「ボヤキは聞きましたか?」と問いかけると、大泉は「ボヤくわけないだろう! キミ、何を言ってるんだ! 日本で吉永さんにボヤくやつなんていないよ!」と焦ったようにツッコミをいれ、会場を笑いで包んだ。そんな大泉の様子を見た吉永は「一度も聞きませんでした」と大泉をフォローし、親子役らしい息の合った姿を見せた。