歌手でタレントの藤本美貴が12日、東京・ヒューリックホール東京でコンサート「藤本美貴20周年記念!大感謝ライブ! ~ミキティアイドルやります! 春の大集会! ~あしたから21周年~」を開催した。夜公演には、紺野あさ美、田中れいながゲスト出演した。
藤本の歌手デビュー20周年の集大成となるソロライブ。メンバーカラーの赤一色に染まった会場に降臨した藤本は、生バンドでデビュー曲「会えない長い日曜日」、「Let's Do 大発見!」を立て続けに披露した。最初のMCタイムでは、声出しが解禁されたことにふれ、「皆の声が聞こえるじゃないですか! すごいですね、本当に」と感激を隠せない様子。感慨深げに「女の子も多いね! 20年前は男性が多くて。懐かしい顔ぶれもいますけども」と客席を見渡した。
「幼なじみ」、カントリー娘。に紺野と藤本(モーニング娘。)名義でリリースされ、今回のコンサートで聴きたい曲をYouTubeで募ったところ1位に選ばれた楽曲「シャイニング 愛しき貴方」をしっとりと歌い上げると、オーディションで歌った曲であり、小学生の頃好きだったという安室奈美恵さんの「SWEET 19 BLUES」を。「世代の方もいますよね?」と問いかけ、返ってきた拍手に「ほとんどだ」とニヤリ。短いスカート姿にチェンジし、またも“世代”には堪らないEvery Little Thingの「Time goes by」を歌うと「こんなに大勢の前で歌えるなんて……当時の14歳の私に教えてあげたいくらい幸せな時間でした。ありがとうございます」と歌声に聴き入った客席に感謝を述べた。
ここでモーニング娘。5期メンバーの紺野がグッズのTシャツを着て登場。人前で歌うのは約10年ぶりと話す紺野は、「こんこーん!」と呼びかける客席に目をやり「懐かしいTシャツもある!」と喜ぶ。「こんこんと言えばこの曲」と藤本が紹介したのは、紺野の初センター曲「涙が止まらない放課後」。最初のサビを歌うと、紺野は少し照れたように藤本と顔を見合わせた。現役時代と変わらぬ紺野の穏やかな笑顔と歌声に「全然変わってないよね。皆さん安心しましたね」と藤本。
続いて2人目のゲスト・田中が合流。田中は「3年ぶりとかやない!?」と、久しぶりとなる声出し解禁ライブに大興奮。観客とともにおなじみのフレーズ「おつかーれいなー!」と叫ぶと「本当にタイムスリップしたみたい。『会えない長い日曜日』が始まったときの『オイ!』という掛け声を聞いて、『時代いつ!?』って。声出しライブが久々なので楽しみにしてきました」と客席に期待を寄せた。
藤本と田中はモーニング娘。では同じ6期生の同期。田中は当時を「藤本美貴も同期だよって言われたとき『絶対勝てんやん!』って。もうソロデビューもして“ミキティ”としてキラキラしてる藤本さんと、小娘3人が並んで」と振り返る。紺野へは「『Ambitious!』以来じゃないですか?」と、紺野のラストシングルとなった「Ambitious! 野心的でいいじゃん」の活動以来の再会のよう。紺野は「米唐番使ってます」と田中がCMに出演する商品を挙げ笑顔を見せた。
3人で披露するのはカントリー娘。に紺野と藤本(モーニング娘。)名義でリリースされた「浮気なハニーパイ」。客席には赤、紺野のピンク、田中の水色の3色が灯り、より一層ヒートアップしていく。紺野が「いつぶりだろう。美貴ちゃんが途中でいなくなったから。ガッタスとかもやってたけど……」と思いを巡らせると、藤本は「ちょっとね、記憶がないときかな」と笑って返す。そして「Go Girl~恋のヴィクトリー~」を披露すると、紺野は「こんな軽くしか踊ってないのにさぁ……」と息を切らし、「あー楽しかった」とポツリ。「カラオケで練習してたら、次男が『ハニーパイ』を覚えたの。ほかの曲も覚えさせるから、また呼んで。歌じゃなくてダンスだけでもいいから」と前のめりにおねだりした。
藤本と2人になった田中は「久々に再会して、藤本さんにハマりました」と目を輝かせ、藤本は「え、いまさら? なんで?」とビックリ。田中は「ずっと好きだったんですけど、なんだろう、“生きる様”」と挙げ、「OGの先輩方との仕事ではいつも人見知りするんですけど、藤本さんは『最近どうなの? 何してるの? 知りたい!』って毎回質問攻めで聞いてくれるんです。人見知りさせない空気を唯一作ってくれるのが藤本さんなんです」と理由を説明した。
藤本が「私たち不仲説があるの。私、田中ちゃんをいじめてたって言われてて」と暴露すると、田中は客席に「そう見えてましたか?」と冷静に質問。藤本は「ヤンキー同士がぶつかってるな、みたいな? でも逆にヤンキー同士はぶつからないんだよ」と持論を述べた。さらに田中は「れいなは藤本さんがいたからこそ活動してこれた。特におとめ組の時期は、グループが2つに分かれた分メンバーと一緒にいる時間が長くなって、詳しいことは言わんけどいろいろあったんですよ。でも楽屋で藤本さんが『田中ちゃん! なんか言われた? いいよ気にしなくて』って言ってくれて」と、当時の藤本に感謝していることを明かす。藤本は「皆さん打ち込んでください、終わったらすぐに」とすかさず客席に指示。不仲説やいじめていたなどの噂が耳に入っていた藤本が「知らないところで嫌われていたのかなと思ってた。今日オファーしても断られるかもと」と話すと、田中は、誤解はやめてと客席に頼み「大好きやけん。はまってるけん」と繰り返し藤本への愛をアピールした。
そんな2人で「SEXY BOY~そよ風に寄り添って~」を力強くパフォーマンス。「楽しかったです。先輩……同期とライブで歌うってなかなかないので」とこの曲で最後の出演となる田中は寂しがり、「あのときは急にいなくなっちゃったからあいさつもできなくて」と藤本の脱退時を振り返ると、藤本は「なんかごめん(笑)」と謝りつつ、自分を慕う同期へ「プライベートでもぜひ!」と交流を求めた。
再び1人となった藤本は、「そっと口づけて ギュッと抱きしめて」を披露。2席分のスペースを利用できる「DANCE席」へ「楽しんでる?」と聞くと、「行くところ行くところでDANCE席ってなんですかって聞かれました(笑)」と打ち明ける一幕も。本編最後は「涙Girl」「ボーイフレンド」「ブギートレイン'03」とアップテンポの3曲を立て続けにパフォーマンスし、会場を大いに盛り上げた。
ミキティコールが鳴り響く会場へ再び登場した藤本。「久しぶりの踊りと声出し、お疲れではないですか? まだ歌ってない曲があるじゃないですか。今ですよ、DANCE席。フルに活かすときが来ました!」と煽る。今回初めて藤本のライブを見に来たというファンには「私と皆さんとのコンビネーションを見たことはあるんでしょうか。衝撃を受けるのか、受け止めてお帰りになられるのか……」と心配しつつ、「やっとですよ。皆さんの声があって、この曲は完成します!」と、2002年の第53回HK紅白歌合戦の紅組トップバッターを飾った藤本の代表曲「ロマンティック 浮かれモード」がスタート。客席には“オタ芸”と呼ばれるパフォーマンスやコール、クラップが咲き乱れ“史上最大”の盛り上がりに。最後のパートを歌い上げた藤本はイヤモニを片方外し、感無量の表情で声援を受け止めた。「やっと! 20周年を迎えられた気持ちです! 本当に声が出せるっていいよね。昨年はちょっと悔いが残った感じだったんですけど、もう悔いはないです、私。皆のおかげ。本当にありがとう。無事に21周年迎えられそうです。ありがとうございます! 明日から21周年もよろしくお願いします!」と笑顔で感謝を述べた藤本。ダブルアンコールでは、夫・庄司智春と共に再び「ロマンティック 浮かれモード」を披露した。
現在、19日までStreaming+でアーカイブを視聴できる配信チケットを配信中。
■セットリスト
- 1.会えない長い日曜日
- 2.Let's Do 大発見!
- 3.幼なじみ
- 4.シャイニング 愛しき貴方
- 5.SWEET 19 BLUES
6.Time goes by
7.涙が止まらない放課後(+紺野あさ美)
8.浮気なハニーパイ(+紺野あさ美、田中れいな)
9.Go Girl~恋のヴィクトリー~(+紺野あさ美、田中れいな)
10.SEXY BOY~そよ風に寄り添って~(田中れいな)
11.そっと口づけて ギュッと抱きしめて
12.涙Girl
13.ボーイフレンド
14.ブギートレイン'03
EN1.ロマンティック 浮かれモード
EN2.ロマンティック 浮かれモード(+庄司智春)